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欧州系の投資ファンドEQTが「食べログ」を運営するカカクコムを買収すると発表した。
買収総額は5900億円。非公開化によって経営における意思決定のスピードを上げる狙いがあると見られている。

食べログはカカクコムの中核となる事業の一つであるが、飲食店探しはSNSやAIへと移行する動きが強まっている。市場における伸びしろは残されているのだろうか。

◆圧倒的な利益率を誇る食べログ事業

食べログ事業は2026年3月期の売上収益が402億円で、前期の1.2倍に増加した。価格.com事業の売上収益は前期比0.1%減の236億円。求人ボックス事業は売上高が1.5倍に拡大して202億円となったものの、14億円を超えるセグメント損失を出している。一方、食べログ事業のセグメント利益率は驚異の55.1%を誇る。

食べログは成長性と利益率が共に高い事業であり、カカクコムの成長戦略において最も重要な位置づけにある。中期経営計画では2030年3月期に食べログ事業の売上収益を540億円まで引き上げる計画を策定している。

飲食店探しは雑誌やフリーペーパーの時代を経てインターネット検索に移り変わり、グルメメディアが乱立する状況を作った。その後、SNSやGoogleマップが存在感を高めることになる。

飲食店のデジタルマーケティングを手がけるCOLLINSの調査によると、飲食店探しで使っているメディアのトップは「食べログ」で59.8%。2位がInstagram(52.5%)、3位がGoogleマップ(48.2%)と続く(「【飲食店の選び方】2025年最新調査結果を発表!」)。

◆検索行動が複雑化する中、成長を続けられるワケ

調査は複数回答を集計しているものであるが、数字が示している通り、ユーザーは様々な手段を使って飲食店を探している。
Instagramで見つけたお店をGoogle検索し、食べログの口コミをチェック、Googleマップで場所を把握しつつ再度口コミを確認するといった具合だ。

物価高によって飲食店の来店頻度は低下しており、失敗を回避したいという消費者の意識の高まりから検索行動は複雑化している。

かつてはグルメメディアが集客手法として圧倒的な強みを持っていた。しかし、今はかつてのような決定力を持っていないと考えられる。検索行動の複雑化により、相対的な存在感が落ちているからだ。それでは、なぜ食べログは成長を続けているのだろうか。

成長継続の答えは、Web予約ツールとしての強みを発揮しているからだ。

◆広告収益で儲ける時代は終焉

食べログの2026年1月から3月までの売上収益のうち、予約課金による収入はおよそ54億円であった。広告収入は43億円。かつては広告収入が多くを占めていたが、今や立場が逆転している。

飲食店が独自のホームページを持っている場合でも、予約システムは食べログであることが少なくない。予約システムまでも独自に構築しようとすると、莫大な投資が必要になるからだ。グルメメディアに手数料を支払った方が遥かに効率的である。

Googleマップに予約フォームがついているお店もあるが、予約動線を作るには「Google予約」というサービスに対応した予約プロバイダとの契約が必要となる。飲食店はプロバイダに必要な料金を支払わなければならない。Instagramの予約ボタンも同様の仕組みだ。

つまり、飲食店探しは多様化が進んでいるものの、店舗の予約は基本的には電話かWebの2択。電話で予約するケースが減っているため、Web予約システムを提供する会社に伸びしろが残されている。

食べログはWeb予約店舗数でトップの座にある。しかし、地方を中心に顧客開拓がしきれていない。足元では地方の飲食店のWeb予約需要を獲得するための投資を行っており、顧客の拡大に期待をかけている。