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小学生の女の子・計10人への性加害に及んだ罪に問われ、1審・2審で無期懲役の判決が下された男(30)の裁判。

男側が5月25日(月)付けで、最高裁に上告しました。

■入念に犯行準備 多くの犯行でカッターナイフ示し…

1審(裁判員裁判)の判決によると、元病院職員の柳本智也被告(30)は、2016年から2022年にかけ、小学生の女児・計10人に性加害に及びました(認定罪名:強姦致傷・強制性交等致傷・強制性交等など)。

柳本被告は、被害女児らの行動を事前に見張り、家族の在宅状況などもスマートフォンに記録。

女児らが自宅の鍵を開けた瞬間に後ろから一緒に押し入ったり、団地の人影のない場所に連れ込んだりして犯行に及んだうえ、多くの犯行でカッターナイフを見せて、「泣いたら殺すぞ」「家族も殺されるで」などの旨の言葉をかけて脅しました。

さらに、1審での被害者代理人の陳述によると、「言うこと聞いてくれたらお金あげる。500円でいい?」などと、“お小遣い”で被害女児を手なずけようとした場面もあったということです。

■母親に「ごめんなさい」と泣き続けた被害女児

1審での検察官の論告や被害者代理人の陳述によれば、被害女児らは深刻な心の傷を負っています。

ある被害女児は、被害に遭った直後、帰宅した母親に「ごめんなさい」と言って泣き続けたといいます。

就寝の際に照明を消せなくなった被害女児や、男性に対して恐怖心を抱く被害女児もいるといいます。

■「社会復帰が許されるのであれば、周りの人々を幸せにできる、そんな存在になりたい」

柳本被告は1審の公判で、起訴内容を認めたものの、「犯行中に被害女児が痛がっているのを認識してはいたが、気持ちよくなっていると思っていた」などの旨の供述を展開。

最終陳述では「もしこの先社会復帰が許されるのであれば、周りの人々を幸せにできる、そんな存在になりたいと思います」とも述べました。

■「卑劣、悪質の極み」「有期懲役刑の範囲内にとどめるのは困難」1審判決は無期懲役

去年2月の判決で大阪地裁(伊藤寛樹裁判長)は、「同時並行で複数の女児の行動確認を行い、随時、犯行の標的を切り替えるなどして実行可能性を吟味していたと認められる」「著しく高度の計画性を備えていて、卑劣、悪質の極み」と糾弾。

「個別に見ても量刑が重い部類の性加害が、長期間にわたり数多く積み重なっていて、処罰を有期懲役刑の範囲内にとどめるのは困難」として、検察側の求刑どおり無期懲役を言い渡しました。

■量刑不当など訴え控訴

1審判決に対し、柳本被告側は量刑不当などを訴え、控訴。

控訴審の被告人質問で、柳本被告は「(被害者やその家族から)一生刑務所から出るなという感情を持たれるのも当然だと思う」と述べたうえで、性障害治療のカウンセリングを受けている点などを説明していました。

■大阪高裁は控訴を棄却

5月11日の判決で、大阪高裁(坪井祐子裁判長)は、「卑劣な目的で計画性のある多様な犯罪を重ね、重い内容の性加害を多数含む以上、総合すると厳しい評価をせざるを得ない旨の判断には合理性がある」と指摘。

「被告側は、被告が認知行動療法を受ける意思を持っていることは、再犯危険性を減少させるなどとも主張するが、考慮するにも限度がある情状で、それほど重視できるものではない」とも指摘しました。

また、被告側が被害者3人に計930万円の賠償金を支払った点についても、「本件の犯情が、無期懲役相当の厳しい評価に値し、弁償などによって左右されないという1審判決の判断に一般国民の常識が反映されている以上、控訴審としても尊重するのが相当」としました。

結論として、柳本被告側の控訴を棄却していました。

■被告側が上告

大阪高裁によると、上告期限の5月25日に、柳本被告側が最高裁に上告したということです。