Daiichi-TV(静岡第一テレビ)

写真拡大

20日に行われた今国会初の党首討論。過去最多となる6人の党首が質問に立ち、一部の党首からは「物価高対策の対応の遅れ」を指摘する声もありましたが…。

(高市首相)
「私は指示が遅れたとは思っておりません」

高市首相はそれを否定し、”対応に万全を期す”方針を強調しました。ガソリン補助金の延長は…。そして「飲食料品の消費税ゼロ」は実現するのか?

政治ジャーナリスト青山氏が「生活に直結する物価高対策」の行方を徹底解説します。

(議長)
「玉木雄一郎くん」

(国民民主党 玉木代表)
「国民民主党代表の玉木雄一郎です。補正予算についてうかがいます」

トップバッターの国民民主党・玉木代表が最初に質問したのは補正予算について。「3兆円程度の補正予算を速やかに編成するべき」と指摘した玉木代表に対し高市首相は…。

(高市首相)
「国民生活を守る、そして経済活動を守る主に現在の中東情勢等に対応する、そういった形の補正予算案を検討したいと考えております」

「内容や規模感はまだ申し上げる段階ではない」と前置きしたうえで、「中東情勢に対応する形で検討する」と答弁。また財源については、「できる限り赤字国債の発行を抑制する」と述べました。

そして、論戦のテーマは”ガソリン代の補助”についても。

(国民民主党 玉木代表)
「一定程度延長すべきだと思うのですが…」

中東情勢の緊迫化を受けて、政府はレギュラーガソリンの小売価格を 全国平均で1リットル170円程度に抑える補助金を3月に再開していますが、基金の残高は4月末時点で9800億円程度で、「早ければ来月にも枯渇する」との見方もあります。そうした状況を受けて、玉木代表は”ガソリン補助の延長”を提案しました。

(国民民主党 玉木代表)
「例えば補助の発動水準を段階的に引き上げていくなど、こうした出口戦略とセットで延長するのをぜひ補正の中に入れていただきたい」

(高市首相)
「(提案を)とても重く受け止めさせていただきます。これからどれくらい(中東情勢が)長引くか分かりませんが、しっかりと様子を見ながら(予算)残高を見ながら適切に対応させていただく」

さらに、質問は”首相肝いり”の「飲食料品の消費税ゼロ」についても。

(国民民主党 玉木代表)
「来年3月31日までに実施を目指したいと討論会で言っていたのを覚えているが?」

(高市首相)
「選挙中、自民党の政権公約にも書かせていただいたので、できるだけ早く、スピード感も重要だと思う。この夏前に中間とりまとめができ次第、政府として法律案を提出します」

また、玉木代表からは「給付付き税額控除」の導入を見越して、中低所得の勤労者を対象にした「1人5万円程度の給付」が提案されました。

続く中道改革連合の小川代表が訴えたのは、中東情勢による”ナフサの供給不足”への支援。

(高市首相)
「様々な現場で目詰まりがおきている。そして、手元に足りているはずのナフサが届いていないそういった状況も十分に把握しております」

そして、21日、中東情勢を巡っては関係閣僚会議が開かれ、高市首相はナフサ対策に言及しました。

(高市首相)
「代替調達の取り組みの進展によりまして、原油やナフサ以外の製品の不石油製品は、年を越えて供給継続は可能ですが。政府から企業にアプローチし、正確な情報をお伝えして状況を理解いただくことが解決につながり、目詰まり解消にあたっては、取引先の企業名を含めた正確な情報提供が不可欠です」

そして、関係大臣に対し「目詰まり解消に向けた迅速な実態把握と情報発信」を指示しました。

20日の党首討論で…国民のための議論は深まったのでしょうか。

(スタジオ解説)

(徳増 ないる アナウンサー)
きのう・20日に行われた党首討論でもあがった…私たちの生活に直結するテーマを改めて見ていきます。

まず、高市首相は電気ガス料金について、価格の上昇が見込まれます夏場7月から9月に、2025年夏の料金水準を下回るよう支援を行う考えを示しています。そして、ガソリン代については、政府の補助金の基金が6月下旬にも底をつく見込みで、継続するのかどうか質問がありました。高市首相は、これらの支援を含めた補正予算編成について、「規模感や具体的な内容は申し上げる段階にない」と述べていますが、青山さん、ガソリン補助金など今後どうなっていきそうでしょうか?

(コメンテーター 政治ジャーナリスト 青山 和弘 氏)
ガソリンの補助金は、今はどれだけ原油の値段が上がっても1リッター170円で固定するというやり方です。これは「いつも通りガソリンを使ってください」という政策です。そして政府は原油の調達を頑張っているんですけども、輸入している原油の値段がものすごく高くなっているんですね。単なる原油高だけでなく、やっぱり中東からの輸入が難しいとなるとアメリカ産とかですが、アメリカからだとパナマ運河を通ってこないといけないので値段が高いんです。そうした状況の中で価格を固定する補助金をこのまま続けていくのはかなりの財源が必要です。ホルムズ海峡の封鎖が今後どれだけ続くか分からない中で、この政策を続けるのは難しいという声がかなり出てきていますまた原油の備蓄も少しずつ減っている中で、これまで通り使いましょうという政策自体が、今の状況にも合ってない。きのうの党首討論でも出てきたように、ガソリン補助金のありかたは少しずつ見直されていくんだろうと思います。

(徳増 ないる アナウンサー)
状況も変わってきていますけれども、津川さんはどう思いますか?

(レギュラーコメンテーター 津川 祥吾 氏)
そうですね、ユーザーとしては少しでも安い方がありがたいですが、どこまでも補助金で補填するわけにはいかないというのは…確かにその通りだろうなと思います。政府は、もともと激変緩和措置…つまり急に上がったことに対して補助を出すというのが基本的な考え方でしたから、玉木さんが言うように出口戦略、いつまでやるかというのはすごく大事だと思うんですね。あと私などは一般のドライバーとして何とか節約しようとしますけど、節約できない人だってたくさんいると思うんですね。そういう方々に対する支援に絞っていくことが、今後、求められてくるんじゃないかなと思いますね。

(徳増 ないる アナウンサー)
ガソリン必要不可欠…という人も大勢いらっしゃいますものね。では、続いて見ていくのがこちらです。食料品の消費税ゼロについて。高市首相は、夏前に国民会議の中間取りまとめが出てき次第、政府として法案を提出するという考えを示しました。実施時期は?と玉木代表も言っていますが、青山さん、法案提出まで踏み込んで答えましたが、この点はいかがでしょうか?

(コメンテーター 政治ジャーナリスト 青山 和弘 氏)
この発言で、自民党内に結構衝撃が走っているんですね。というのは今、国民会議で給付付き税額控除までの2年間のつなぎとしての食料品の消費税ゼロについて話し合われているんですね。議論の中で、今物価も上がっていて、食料品の消費税8%をゼロにしたところで、物価上昇がそれを上回ってしまうんじゃないか。あと、やはり財源の面でもまさにガソリン代とか、電気代の補助金などが必要な中で、年間5兆円が失われるのは大きすぎるんじゃないか。また、2年後に税率を戻せるのかということで、もう減税ではなくて給付でつないだ方がいいんじゃないかという方向にどんどん話が行っています。ところが党首討論で相変わらず高市さんは、政府として消費税減税の法案を提出する、しかも『as soon as possible(なるべく早く)』とまで踏み込んだんです。自民党内では「国民会議の議論はどうするんだ」「これじゃ今更「減税できない」とは言えなくなった」と困惑する声も上がっているんです。高市総理が最終的にこのかい離をどう埋めるのか、難しいハンドリングになると思います。

(レギュラーコメンテーター 津川 祥吾 氏)
「国民会議で議論していただいて」と高市首相も言ってきたはずなんですけど、議論の状況を首相はご存じないんですか?

(コメンテーター 政治ジャーナリスト 青山 和弘 氏)
いや、もちろん知ってると思うんですが、給付付き税額控除の在り方は別として、消費税減税に関しては国民会議の議論は、ほぼ度外視しているように見えます。。きのう20日も『今議論している最中ですので』っていう答弁もできるはずですが政府として法案を「提出する」とまで言いきっています。このように高市さんは自分が一回言い出した持論をなかなか変えようとしない。良く言えば「ぶれない」ということなんですけれども、一方で状況の変化や異論に対する柔軟性を欠いているという見方が自民党内では出てきています。

(徳増 ないる アナウンサー)
現場との温度差が出てきているということなんですが、続いてはこちらです。ナフサについてなんですが。原油から生成され、プラスチックなどの原料となるナフサ。高市首相は中東情勢に関する関係閣僚会議で年内を越えて供給は可能。で、流通の過程で買い溜めなどによる目詰まりの解消に引き続き取り組むよう改めて指示をしました。青山さん、ナフサへの対応についてはどうですか?

(コメンテーター 政治ジャーナリスト 青山 和弘 氏)
これは政府も調達を頑張って、「不足ではないんだ」と、「ちゃんと総量はあるんだよ」って言っているんですけど、「総量を確保している」といってもですね、エチレンやベンゼンなどナフサと最終製品の間の中間的な製品を輸入することで名目上の総量を確保している部分があります。ここに偏りが出てきているんですね。あとナフサそのものではなく、海外で作ったナフサ由来の製品の輸入が減っている。こうした複雑なサプライチェーンひとつひとつをどこまで政府がきめ細やかに見られるかというと…なかなか見切れない。高市総理の周辺も「モグラ叩き」なんていうふうに言ってましたけども、きりがないんです。そんな中で「足りているんです。目詰まりです」と言うことが果たして正確なのかどうか。世界的なサプライチェーンの混乱の中で現場の感覚との乖離が出てきているのだと思います。

(徳増 ないる アナウンサー)
今後の議論の行方も注視していきます。