Daiichi-TV(静岡第一テレビ)

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(徳増ないるアナウンサー)
さて、ここからは再び米中首脳会談についてお伝えしていきます。専門家とリモートでつながっています。
元朝日新聞編集委員で北京とワシントンの特派員を長年務め、トランプ氏についても長年取材を続けるキヤノングローバル戦略研究所の峯村健二さんです。
峰村さんよろしくお願いいたします。

(キヤノングローバル戦略研究所 峯村健二さん)
よろしくお願いします。

(徳増アナ)
2日間にわたる会談も終わりました。トランプ大統領思ったような成果を挙げられたんでしょうか。

(キヤノングローバル戦略研究所 峯村健二さん)
最低限の成果といった感じですかね。私、先週までアメリカワシントンにいて、トランプ政権の関係者に取材をしていました。
やはり一番は、アメリカ製の農作物、さらには飛行機などをたくさん中国に買ってほしい。そこでいうとかなり大型の購入が決まったという話が出ていますので、ひとまず満足といったところだというふうに思います。

(徳増アナ)
そして中国が最も重要な問題とする台湾問題について、このように述べています。
「適切に処理されなければ、両国関係を危険な状態に追い込む」と習主席が述べたと中国側は発表していますが、ホワイトハウスは台湾問題について言及していません。
アメリカのルビオ国務長官は、台湾への武器の輸出については主な議題にならなかったと答え、台湾への政策は現在も変わっていないと述べています。

(元衆議院議員 津川祥吾さん)
峯村さん、トランプ大統領なんですが、この会談の中で台湾問題について発言はあったんでしょうか、なかったんでしょうか?

(峯村さん)
私はかなり最小限の発言はしてると思います。ただほとんど反論はできていないんだろうと。
というのも、このワシントンで取材してきた結果だと、そもそもアメリカ側は台湾問題を出すつもりはなかったんですね、今回の会談の中で。だから準備をしてない。どういうふうに答えるのかというのを考えて準備ある程度してなかったというふうに見ています。
なのでそうなってくると今回も、あまりトランプさんむしろ習近平氏にいきなりドーンと台湾の問題言われて、“ちょっと話違うじゃないか”というところですよね。
なので会談終わった後、天壇公園という公園に行った時、トランプさんかなり無口で仏頂面な顔をしてましたよね。それを見ると、やはりあまり面白くなかったのではないか、というふうに見ています。

(津川さん)
また中国側の発表の中に、「建設的戦略安定関係の構築」という言葉が出てきているんですが、これは似た言葉で言うと安倍・胡錦涛時代の日中共同宣言で
「戦略的互恵関係」というのがありましたが、この言葉はあれに近いんでしょうか?それとも似て非なるものなんでしょうか?

(峯村さん)
似て非なるものだというふうに見ています。元々習近平、中国の人たち「戦略」ってことは結構好きなんですね。中でも今回ポイントは建設的というのは置いておいて「戦略安定」という言葉、これが実は奥深い言葉であります。この言葉はどうも両国の関係者に聞くと、やはり中国側が入れ込んできた言葉らしいんですね。
どういう意味があるかというと、戦略安定ってことは、つまりアメリカと中国が衝突しないように一生懸命協力していきましょう、さらにはそれ以外の合致しない問題については個別にアメリカと中国で話し合いで決めていきましょうよね、というような大国同士の安定なんだという意味が込められているんです。

ということは、つまり例えば台湾問題とか、あと日本の何か問題が起きた時にも、日本台湾どうでもいいと、アメリカと中国で2大国で決めてしまおうという意味も込められている。日本にとってみるとちょっと警戒しなければいけない言葉だというふうに私は見ています。

(津川さん)
非常に心配な言葉ではあるんですが、この後米中関係がどうなっていくのかの中で、一つトランプ大統領が9月に習近平さんをアメリカに招くということを言っています。なぜ9月なんでしょうか?

(峯村さん)
9月の末というと中間選挙のほぼ1か月前なんですね。今アメリカは、私もちょっと行ってきた時に感じたんですが、とにかく物価が高くなっています。中でもガソリンとかもすごく上がっている中で言うと、国民の皆さんの不満が高まっている。トランプ氏の支持率もどんどん下がっている中で言うと、習近平氏としては中国から中国にたくさん買ってもらっているんだというところで生産者とか自分の支持基盤が重なっていますので、そこに何とかアピールしたい。
それをちょうどこの中間選挙の1か月前にアピール。中国がこんなやってるんだぞというところを見せて何とか支持率を上げたいというために、この絶妙な9月に
24日というところを選んできたんだろうというふうに分析しています。

(徳増アナ)
そしてもう一つの重要なテーマに移ります。イラン情勢です。
トランプ大統領は取材に対し、習主席が「イランに軍事装備品を送らないと約束した」、習主席は「アメリカとイランの合意締結を望んでいる」などと述べていますが、中国側は「意見は交わしたが詳しい内容には触れていない」と発表しています。

(津川さん)
峯村さん、このイラン情勢なんですが、私ちょっと不思議に感じたんですが、ホルムズ海峡の今の現状というのは決して中国にとっても小さい話ではないのではないかと思うんですが、一方でアメリカとのイランの情勢について積極的に何か動くというよりは何かすごく受け身というんでしょうかね、あまり積極性を出していない、むしろ長引いてもいいんじゃないかと思っているような、そんな素振りすらあると思うんですが、その辺はどのようにご覧になっていますか?

(峯村さん)
両面があると思います。首脳会談までは結構実はパキスタンとうまく連携しながらこの仲介というのをやってきたんですね。これをやることによって、つまりトランプさんにいい恩になるわけですよね。やってあげたよ、というところになるということで、中国も水面下で動いてきているのはこれも私は確認しています。
ただ表になって言いたくないというのは、2つ理由がある。一つはこれもしも仲介という形で中国が出たのに、またトランプ政権がイランを再攻撃する可能性、私はまだあると思うんですね。そうなった場合に中国のメンツが潰れてしまうというところがまず一つで、二つ目で言うと、これイランの情勢が実はだらだらと長引いてくれて、アメリカの兵器とかがどんどん今枯渇してきてます。特に迎撃ミサイルがなくなってきてるので、これが続けば続くほど、中国にとってはアメリカが弱まってくれるってことは、非常に中国にとって喜ばしい状況である。つまりこれもだらだらと現状が続くことが中国にメリットになるというところで、そういう非常に曖昧な態度を取っているんだろうというふうに私は見ています。

(徳増アナ)
森さんは気になる点はありますか?

(前静岡県知事 森 貴志さん)
峯村さん一つだけ質問させてください。先ほどお話の中で建設的戦略安定ということで、大国同士のお話だと、ある意味日本と台湾というものは関係ないよ、ということではあるんですけれども、その中でもアメリカに対して日本はどういった行動を取ったほうがよろしいのか、ちょっと教えていただきたいというふうに思います。

(峯村さん)
とにかくやはり日本にとっても、アメリカとの同盟が基軸なんですね。これ以外の代わりになるものは、今残念ながらないんです。となると、これ何とか中国にどんどん引きずられるようになっているトランプさんを日本にグッと引き止めるということしか私は方法はないと思っています。
そのためにも、他の人が何か動いても今トランプさんは一強状態なので、誰の言うことも聞かない状況になると、やはり高市首相がトランプさんとの関係をもっと構築するべきだろう。中でもこの間の2回目の高市さんの訪米なんかうまくいっているという評価、これはワシントンでも大きな評価でした。ならばもっと電話会談とかをして、もっと関係構築をするべきだろうと。もう今すぐにでも今エアフォース1のちょうど太平洋上飛んでると思うんですが、今すぐにでもエアフォース1に電話してでも、どういう内容だったのかって聞くべきだというふうに思いますね。