日本サッカー協会(JFA)審判委員会が13日、東京都内でレフェリーブリーフィングを行い、佐藤隆治JFA審判マネジャーが4月中旬から先週末にかけての判定事象を説明した。今月2日に行われたJ1百年構想リーグのファジアーノ岡山対サンフレッチェ広島戦の後半20分、広島のMF中野就斗が岡山のFW河野孝汰と接触した場面は「ノーファウルというところは支持できる」と結論づけた。

 岡山対広島戦では後半20分、こぼれ球に反応した両選手が岡山陣内のペナルティエリアで接触。浮き球を争う際に河野の足裏が中野を踏む形となり、中野はその場で倒れ込んでいた。その後、ビデオ・アシスタント・レフェリーが介入し、主審がオンフィールド・レビューを実施。主審はノーファウルの原判定を支持し、PKは与えられなかった。

 佐藤マネジャーはこの事例について「レフェリーがノーファウルと判断したなら支持をしたい」と結論づけた。一方、VARには「明白かつはっきりした判定ミス」という介入基準がある中で「オンフィールドレビューで見せたことがどうだったか。この映像がジャイアントスクリーンにも流れる。スローモーションやピクチャーでクリアに表に出てきた時、どういうふうに受け取られるか」と指摘した。

 ブリーフィングではVARチェック時の音声も公開され、主審が「アクシデンタルだと思っている」という見解を示したのに対し、VAR側から「ボールはイーブンにある」「足首より上を踏んでいる感じはある」「アクシデンタルに近いけど、一回見て決めていい」と葛藤まじりのコミュニケーションがあったことも明かされた。

 こうした経緯を受け、佐藤マネジャーは「ノーファウルには支持をするが、VARが(主審に映像を)見せることの意味についてどうだったかというと、見せるべきではなかったと考えている」と指摘。VAR介入基準に基づいて「介入するかしないか、VARとしてはノーだと思ったらその気持ちを大事にしてほしい」というメッセージを今後のPR(プロフェッショナルレフェリー)キャンプで共有するという。

(取材・文 竹内達也)