30歳で結婚して10年、ライブも外食も我慢してきた元教員の妻が「同じ年の夫のフリマ」に抱いた疑惑
フリマアプリやネットオークション詐欺はまだ横行
GWに断捨離し、フリマアプリで商品を売りたいという人も多いことだろう。そこで気になるのが、フリマアプリでの詐欺だ。2025年には、高級デニムを大手フリマアプリで購入したら150円ほどのグミが送られてきたというXの投稿も大きな話題となった。
警察庁はHPで「オークション詐欺・フリマサイト詐欺対策」を紹介している。不要なものを必要とする人い売ることのできる素晴らしい仕組みではあるが、悪用されないように気を付ける必要がある。相談事例として以下のようなものを挙げている。
<相談事例1>
インターネットオークションに出品されていたバッグを5万円で落札し、相手の指定する口座に代金を振り込んだが、いつまでたっても品物が送られてこない。相手と連絡も取れなくなった。
<相談事例2>
インターネットオークションに出品されていた商品を落札した。商品は届いたものの、偽物が届いた。(※出品の写真や説明と違うもの、壊れている場合もあり)
<相談事例3>
インターネットオークションに出品されていたパソコンに入札したが、落札できず次点となった。後日、出品者と名乗る者から「落札者がキャンセルしたのであなたと直接取引したい」という内容のメールが届き、指定された口座にお金を振り込んだが、いつまでたっても品物が送られてこない。相手と連絡も取れなくなった。
<相談事例4>
インターネットオークションに出品していた商品が落札されたので、落札者に商品を送ったが、いつまでたっても代金が振り込まれず、落札者にメールをしても返事がこない。
フリマアプリやネットオークションの主催者の多くはヘルプページを設け、その対策をとっているが、まずは出品する、購入する本人が対策する必要がある。
キャリア10年以上、3000件以上の調査実績があるリッツ横浜探偵社の私立探偵・山村佳子さんは心理カウンセラーの資格も持つ。「浮気相手とのデート代を捻出するために、フリマアプリを活用している人は多いです。そこでのトラブルもあり、個人間のやり取りなので感情論になり、長時間、フリマアプリに張り付くことに。そこから浮気に気づかれることもあります」と言う。
山村さんに依頼がくる相談の多くは「時代」を反映している。山村さん連載「探偵が見た家族の肖像」「探偵はカウンセラー」には、多くの人が抱える悩みを解決するヒントが含まれている。GWには家族とともに過ごす時間が増える人も多いことだろう。そこで、これまでの連載よりGWスペシャルとしてテーマに合わせてお届けする。第1回の「家庭内格差」、第2回の「地方移住と親の介護」に続き、第3回のテーマは「フリマとお金」。
今回ご紹介するのは、元教員で現在は医療法人に勤務する40歳の麗美さん(仮名)の相談。同じ年で、教員として同僚だった夫について「最近、部屋にこもってスマホばかり見ています。フリマを始めてから土日も家を空けていて、おかしいんです」と山村さんに連絡をしてきた。
山村佳子(やまむら・よしこ)私立探偵、夫婦カウンセラー。JADP認定 メンタル心理アドバイザー JADP認定 夫婦カウンセラー。神奈川県横浜市で生まれ育つ。フェリス女学院大学在学中から、探偵の仕事を開始。卒業後は化粧品メーカーなどに勤務。2013年に5年間の修行を経て、リッツ横浜探偵社を設立。豊富な調査とカウンセリング経験を持つ探偵として注目を集める。テレビやWeb連載など様々なメディアで活躍している。
公立小学校の同僚として出会った仲良し夫婦
今回の相談者、麗美さんは、医療法人の経営企画室に勤務しながら、4歳の娘を育てているお母さん。結婚10年間、同じ年の夫とは仲が良く、お互いの誕生日や結婚記念日、娘の誕生日などを一緒に祝い、本当に幸せに過ごしてきたのだと言います。
平日15時に「今から相談をしたいのですが」と電話がかかってきて、カウンセリングルームでお会いすることになりました。1時間後に来た麗美さんは、顔色は真っ青で、緊張で手が震えています。
「今朝、夫のスマホ画面を見たら、ハートマーク付きのLINEが来ていたんです。こんなの初めてです」と言います。
まずは、夫婦について伺いました。
「私たちは公立小学校勤務の同僚として出会いました。出会って1年目に“好きです、付き合ってください”と告白してくれたんです」
当時、28歳同士で、そのときに結婚すると確信したそうです。
異動でトラブルが多い学校へ
その翌年に麗美さんは異動しました。以前勤務していた学校が文教地区にあって大きなトラブルに遭ったことがなかったのですが、今回はトラブルが多く、雰囲気が大きく変わって戸惑ったそうです。仕事量は多く、生徒のみならず親のケアも求められました。
「万引きした子供を店まで迎えに行ったり、虐待している親の対応をしたり……。親は若い女性だからとナメてきて、トラブル対応するたびに、“消えろ!バカ教師”とか“お前の指導がクズだからこうなるんだ”とか言われていたんです。
さらにこの学校、先生たちの職場恋愛が多くセクハラも横行。私は40代の学年主任の先生から“麗美ちゃんはオレの女だ”とか言いながら、手や体を触られることもあった。いろいろ限界がきて、うつになって休職することになったんです」
保護者からの罵声、学年主任からのセクハラとパワハラで傷ついた麗美さんの心の傷は深く、起き上がれないほどになってしまったのだとか。
「私が復職を渋っていたら、彼が“結婚しようよ。仕事を辞めな。僕が養うから”と言ってくれたんです。仕事を辞めて半年休んで、今の病院に転職しました」
結婚生活も楽しく、数年の不妊治療を経て娘を出産。夫は立ち会い出産の時に感動して泣いたそうです。
家族行動していた夫が単独行動
夫は仕事のことをなんでも話していたそうです。
「夫は仕事が大好きで、教材研究も熱心に行っています。上の人からも信頼され、安定したキャリアを歩んでいます。順調に出世しており、たぶんそのうち校長になるでしょう。それには、私が夫の相談を親身になって聞いていることもあると思います。元同僚だから、職場のことがなんとなくわかりますよね。同僚のこと、児童や保護者、教材のこと、国の教育制度についてなど、なんでも話してくれていました」
ところが、1ヵ月ほど前から、家に帰っても部屋に閉じこもり、何か作業をしている。大きなバッグをパンパンにして帰宅し、夜中にコンビニに行ったりしているとか。
「フリマアプリを始めたんです。夫が大切に持っていた本や服、メガネのフレームなどを売っている。以前は土日も私や娘と公園に行ったり、ショッピングモールに行ったりしていたのに、一人でどこかに出かけてしまうんです」
麗美さんの土日の行動はパターン化しており、9時くらいまで寝てから、午前中は家事をして、午後から娘と出かけ、夕方に戻ることが多いそうです。これまでは夫も一緒だったのに、別々の行動になりました。
「私たちが寝ている間に出ていき、昼の2時くらいには帰ってくる。それから部屋にずっとこもっているんです。
私、夫が“仕事を辞めていいよ”と言ってくれたことに、感謝しています。夫はすごくズボラで不器用だから、一つのことを同時にできません。余計なことをすると仕事に集中できなくなるところがあります。だから、家事や育児、保育園の送り迎えなど全て引き受けていました。でも今はかなりモヤモヤします」
フリマアプリをやることがおかしいんです
麗美さんは夫を尊敬し、感謝している。愛情もある。教員という仕事の大変さも知っているので、共働きでありながら、家事や育児のほぼ全てをやっているそうです。それには夫が家賃と光熱費、通信費と食費、生命保険料を負担し、麗美さんは自分や娘のものを払うのみという経済的負担の軽さもあったとか。
「夫は堅実で、娘の将来のために貯金をしています。仕事が大好きですし、そもそもズボラだから、フリマアプリをするのはおかしいんです。夫に聞くと“やり始めたらハマって面白いんだよ”と言っていました。夫はもともと服が好きで、ある程度の目利きができる。ただ、今夫の部屋は、男物の服だけでなく、女性用の靴やバッグなどで溢れかえっています。私のものだって売ってるのに、その利益は一体どうしてるのか……」
麗美さんは「いい加減にしてほしい。お金がないなら、私がもっと稼ぐようにする」と言ったら、夫は「そういうことじゃないんだよ」と言い、その日から麗美さんを避けるようになったそうです。
「は? って感じですよ。私も仕事しているのに、自分の時間を削りまくって、夫や娘に尽くしている。娘を産んでから、ずっとレスですし、そのことに文句を言ったこともありません。これまで私は好きなバンドが来日してもガマン、友達との飲み会もガマン、ガマン、ガマンの連続ですよ。私ばかりガマンして、夫は“ハマったから”とフリマアプリに夢中になっている」
そんなときに、ハートマーク付きのLINEが来たのを見てしまった。浮気していると思ったときに、全ての謎が解けたそうです。
「私をないがしろにして、フリマで稼いで、そのお金で自分ばかり浮気をしているということですよね。すごくショックで、サレ妻になって離婚した友人に話をしたら、“もしものために、証拠を押さえておくべき”と言っていました。彼女は浮気の証拠がなかったから、慰謝料がもらえず、そのことを後悔していました。
そこでここを紹介してくれたんですが、やっぱり、夫のことを愛しているので、離婚はしません。たぶん、証拠を押さえてもらっても、使わないと思いますが、念のためお願いします」
◇もと同僚で仕事への理解もあるパートナーだったはずの夫婦がすれ違ってしまったのは切ないことだ。フリマでお金を稼ぐのなら、麗美さんが好きなアーティストのライブ代にすればいいと思うのだが、そのことすら頭に浮かばないのだろうか……。
本当に夫は浮気をしているのだろうか。調査の結果と麗美さんの決断は、後編「「行きたかった焼き肉屋!」ライブも外食も我慢してきた元教員の妻が「フリマ夫」の裏切りを知って決めたこと」にて詳しくお伝えする。
