【地図】福島県只見町

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 福島県立博物館(会津若松市)は、只見町の約1300万年前〜1000万年前の地層から採取された昆虫の化石が、ムカシアシナガアリ属の新種であることが確認されたと発表した。

 博物館によると、只見町から新種の昆虫化石が見つかったのは初めて。新種のアリ化石の発見は1970年に長崎県で報告されて以来で国内2例目だとしている。

 この昆虫化石は県立博物館の収蔵品で、2014年に只見町の布沢層という地層を中心に行われた中央大学の実習で、当時学生だった種村竜之介さんが採取し、県立博物館に寄贈した。博物館の猪瀬弘瑛主任学芸員(42)が25年から、昆虫化石を専門とする一般財団法人教育実践学研究所(東京)の相場博明所長(67)と共同研究を進め、新種のアリであることを突き止めた。

 和名は、発見者の種村さんにちなんで「タネムラムカシアシナガアリ」と命名した。26年2月20日に発行された日本古生物学会の国際学術誌に論文を掲載した。

 猪瀬さんによると、ムカシアシナガアリ属の化石はヨーロッパを中心に世界で22種類が確認されている。今回の化石は大きさ約4ミリの雄アリ。頭部が欠けていたが保存状態が良く、羽の模様や脚の長さなどの身体的特徴が既存のものとは異なることから新種だと結論づけた。

 博物館は今回の発見について、東アジアにおけるムカシアシナガアリ属の多様性や、当時の環境を知る上で重要な手がかりになるとしている。猪瀬さんは「只見町の布沢層は地元で植物化石をはじめ多くの化石が産出することが知られている。これを契機に化石の宝庫として注目され、さらに研究が進むことを期待している」と話している。

 タネムラムカシアシナガアリの化石は今月25日から県立博物館で開かれる春の企画展「ムシできない虫たち」で一般公開する。