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 ◇セ・リーグ 中日6―4ヤクルト(2026年4月24日 バンテリンドーム)

 ついにホームランウイングが竜党の歓喜を呼んだ。1点を追う9回1死二、三塁。中日・村松がすくい上げた一撃が今季新設された右翼スタンドへ飛び込む。連敗を6で止める劇的弾。サヨナラ勝ちが今季初なら、逆転勝利も初めてだった。

 「連敗してると、消極的なプレーばかりで攻めていけない。みんな諦めていないし、ここからです」

 同じ明大卒で6学年先輩の右腕・星のフォークを逃さなかった。バンテリンドームでのサヨナラ弾は24年4月2日巨人戦での細川以来、2年ぶり。ウイングサヨナラ弾はもちろん史上初めてだ。

 ヒーローに駆け寄った井上監督が耳打ちした。「塩まいたから、大丈夫やったやろ」。全体練習前のグラウンド。早出の村松は、グラウンドに塩をまく首脳陣の姿を認めた。4勝17敗の借金13で最下位に沈む現状に、なりふり構わない姿勢は全員が一緒だった。背番号5も体に塩をふってもらい、ベンチの2カ所にも塩が盛られた。

 9回の打席に立つ直前には松中打撃統括コーチに声をかけられた。「ノーステップでいけよ」。追い込まれるまでは足を上げるスタイルを捨て、確実性を重視した。その結果が、自分でも「記憶にない」サヨナラアーチ。トンネルの出口へ導いた。

 「これだけ(選手が)騒いでますから、勝利に飢えていたのは間違いない。これがいい転機になってほしい」

 井上監督の視線は真っすぐ上を見た。まだ4月。この勢いを逆襲へつなげるための時間はたっぷりとある。 (堀田 和昭)