コリンズ・エアロスペースの「スカイヌーク」のシートデザイン/Collins Aerospace

(CNN)旅客機でエコノミークラスの最後列に座りたいという人はほとんどいない。座席をリクライニングさせるスペースはなく、トイレに並ぶ人の列も絶えない。においは言わずもがなで、気が休まらない場所になりがちだ。

しかし、この空間をもっと魅力的な場所に変貌(へんぼう)させられるとしたらどうだろう?

半個室のポッド内で通路やトイレの音から遮断され、機内に持ち込んだ手荷物を収納するスペースもたっぷり――。そんな空間を想像してほしい。

もしこれが魅力的に聞こえるなら、航空・防衛技術企業のコリンズ・エアロスペースも同意見だ。

コリンズ・エアロスペースは発想を転換し、これまで最後の選択肢だったこの座席を、争奪戦が起きてもおかしくない席へと変貌させた。

「スカイヌーク」と名付けられた新たなコンセプトは、独ハンブルクで開催された今年の航空機内装見本市で展示された。ワイドボディー機は機体後方が細くなっており、通路2本の機体構成では3席ではなく2席しか配置できないケースもあるが、そうした手狭な空間を改めて見つめ直したものだ。

このデザインは「半個室の隠れ家」を作り出す。繭に包まれるような座席配置になっており、ファーストクラスの利用者がドアを閉めて他の乗客をさえぎることができる機体前方の高級シートとそこまで大差ない。

見た目こそ通常のエコノミー席に似ているが、「スカイヌーク」では窓側席と機体側面の間の空間を活用。ベビーキャリアの収納やペットのためのスペースを十分に提供しているほか、作業や食事をする場所としても柔軟に利用できる。

通路からのプライバシーを確保するスライド式の仕切りもあり、コリンズ・エアロスペースによれば、ギャレー(調理場)やトイレからの騒音を軽減できるという。ただし、不快なにおいを遮断できるかについては言及されていない。

コリンズ・エアロスペースの顧客体験設計ディレクター、ジェフリー・マッキー氏は今回のコンセプトについて、乗客の空の旅を向上させる会社の取り組みの一環だと説明する。

マッキー氏はプレスリリースで、「スカイヌークはこの取り組みを体現するものだ。これまで見過ごされがちだった空間を、家族連れや介助動物を連れた乗客、感覚過敏を持つ人にとっての機能性、快適性、柔軟性を最大化した静かな空間へと一変させている」と指摘した。

新たなシートデザイン以外にも、エコノミーでの空の旅の快適さを高めるイノベーション(技術革新)は続々登場している。ハンブルクでは、「シェーズ・ロング(フランス語で寝椅子)」と呼ばれる2段式座席のコンセプトの最新版も披露された。

さらにニュージーランド航空が最近導入した「エコノミー・スカイネスト」では、ボーイング787-9「ドリームライナー」の新型機での長距離フライト中、数時間横になれる場所を提供している。