子どもを毎日お風呂に入れるのは日本だけ?世界のお風呂事情にみる「子育てがラクになるコツ」
子育て1年生の母親たちが苦戦するタスクのひとつが「子どもの沐浴やお風呂」。毎日お風呂に入れる大変さとプレッシャーを感じている人もいるのでは? でもじつは、こんなにお風呂に入る民族は日本人だけだと知ると、心がラクになるかもしれません。今回、多くの国を旅した経験をもち、3人の子を育てながら、イラストレーター・マンガ家として活躍する織田博子さんに、自身の経験を通して実感した「育児中のお風呂の楽しみ方」について聞きました。
※ この記事は『世界の子育てくらべてみたら、心がふわっとラクになった』(WAVE出版刊)に掲載された内容を抜粋・再編集しています

お風呂事情は国それぞれ、人それぞれ
世界各国の子育て中のお母さんたちと話したときに、「日本人ってお風呂好きだよね…」という話題になり、「たしかに日本人は風呂好きだと思ってたいたけれど、世界の人ってそんなにお風呂に入らないんだ!」と衝撃を受けました。
「お風呂に入らない」というと語弊はあるけれど、韓国では湯船にはつからない代わりに1日2回のシャワーは普通。フランスでは、夜ではなく朝にシャワーを浴びる…と、体を洗う方法やタイミングが違うだけで、各国の人々それぞれのやり方があるようです。
イタリアやトルコの「お風呂事情」は

そこで、「温泉が出る国はお風呂が好きなんじゃないかな?」と思い、イタリアやトルコでのお風呂体験を思い出してみました。
いずれも水着着用必須で、お風呂というより温水プールのような温泉でした。
イタリアのお風呂の歴史は古く、ローマ郊外、『テルマエ・ロマエ』(ヤマザキマリ・作)でさらに有名になったカラカラ浴場(西暦216年)は、当時の皇帝が公衆浴場としてつくったという、ローマ人のお風呂愛を象徴するような建物でした。世界遺産としても有名で、古代ローマの浴場文化を垣間見ることができます。
当時のヨーロッパの風俗を描く『図解 不潔の歴史』(キャスリン・アシェンバーグ・著)をひもとくと、ローマ人は清潔を愛した一方で、同時代を生きたスパルタ人は「風呂は子どもや病人などしか入らないもの」とありました。
清潔と不潔はブームのようなもので、ローマ人もこのあと、キリスト教化するなかで「不潔であることが聖人たるゆえんである」、「ペストから身を守るために体を洗わない」とトンデモ化していきます。
一方、トルコでは、パムッカレの石灰岩の棚田状の温泉があります。ここでは水量が少なく、今は足湯しかできません。
また、15世紀にオスマン帝国の支配下となったイスタンブールでは、イスラム教の「清潔さは信仰の半分である」とした経典の教えにのっとって、ハマム(公衆浴場、蒸し風呂)が建設されました。
日本ほどお風呂に入る民族の方が世界的には珍しい

新疆ウイグル自治区のスパや、中央アジア・カザフスタンでのスーパー銭湯、モロッコのハマムなど、世界各国でお風呂に入ってきたけれど、よく考えたらどれも「毎日入る」といった施設ではなかった気がします。
そう考えると、日本人が毎日お湯をはって、湯船につかって、体を洗って、お湯を抜いて、バスタブを掃除するという情熱がいかにすごいものかわかります。
「風呂キャンセル界隈」なんて言葉があるけれど、「お風呂に入ったらすごくえらい」になってもいいくらいだと思います。ましてや首のすわらない赤ちゃんを毎日お風呂で洗うというのは、偉業としてたたえてもいいと思います。
