【識者解説】「不正に購入した車の使用」で…住吉会「次期会長候補」が逮捕された「ウラ事情」

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大物ヤクザが“微罪”で逮捕

4月8日の朝8時、警視庁葛西署で、数人の警察官に囲まれて護送車両へと歩く1人の高齢の男。一瞬チラリとカメラのほうに目をやるが、気に留める様子もなくそのまま歩を進める。指定暴力団住吉会の「次期会長候補」とも目される大物ヤクザだ。

「4月7日、警視庁は指定暴力団住吉会の幹部・児島秀樹容疑者(75)ら2名を組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等収受)容疑で逮捕したと発表しました。児島容疑者と運転手の男は’24年3〜12月に住吉会系幹部の男(54、詐欺容疑で逮捕)が身分を隠して購入したトヨタ『アルファード』を、不正に購入したものと知りながら使用した疑いです。

児島容疑者は住吉会系2次組織・京王会の会長で、この車は『会長専用車』と呼ばれ、送迎用に使われていました。児島容疑者は『どういった経緯で入手されたものか知らない』と、容疑を否認しています」(全国紙社会部記者)

’11年10月までに全国の都道府県で施行された暴力団排除条例で、「利益供与の禁止」「公共工事・公共施設からの排除」「事務所の開設・運営規制」などが行われるようになった。これによって暴力団員が本人の名義で車を購入することも、「利益供与」に当たるとしてできなくなった。

住吉会といえば、2次団体である幸平一家の組員らが3月から今月初めにかけて、恐喝未遂や監禁、強盗傷害などの容疑で立て続けに逮捕されたばかり。一連の逮捕はトクリュウ捜査に関連してのことだと思われる。その上部団体である住吉会幹部の“微罪”での逮捕は偶然なのだろうか。

別の事件との関連も?

「現在の住吉会は小川修司会長がトップですが実質的なナンバー1は幸平一家の加藤英幸総長(78)で、それに次ぐ存在が京王会の児島容疑者です。住吉会本体の人事権も握っていて、跡目相続なども児島容疑者の鶴の一声で決まったことがあるそうです。

暴力団員が別人の名義でゴルフをしたり、レンタカーを借りたりして逮捕されることはありますが、大きい事案ではないので広報されないケースもあります。最近の警察は住吉会や幸平一家に関してはすごく丁寧に広報をしているなと思いますが、児島容疑者ほどの大物を押さえたというのは警察としては大きなアピールでしょう。

もちろん今回の件も、警視庁がトクリュウ対策で幸平一家を名指しで特別対策本部を作ったことと関係があると考えていいと思います。住吉会は元関東連合系の人脈と太いパイプもあり、トクリュウ使いの歴史も長い。まず幸平一家、そして住吉会を重点的にやるという捜査の流れのなかで浮上してきた件である可能性があります」(裏社会ジャーナリスト・石原行雄氏)

また、石原氏は児島容疑者の逮捕が別の事件と関連している可能性もあるという。

「1月に御徒町(東京都台東区)で起きた現金強奪事件です。現金4億2000万円が奪われたこの事件では3月に山口組、住吉会、極東会のそれぞれ傘下の組員らが逮捕されています。

実はこれに似た、両替に行く途中に10億円が強奪されるという事件が昨年12月に香港で起きています。この事件では香港の三合会というマフィア組織の関係者が捕まりました。三合会といえば、その中の14Kという組織の幹部が’23年の春に山梨県のホテルで住吉会系の幹部2人と兄弟盃を交わしているんです。

児島容疑者が現在の地位を築いたのは、稼ぐ力があったから。現在の立場で児島容疑者自身が指示をしたとは思えませんが、彼のスキームを知る下の人間がやった可能性はゼロではありません。ただ、やはりタイミングとしては今回の逮捕は、幸平一家の捜査に関連している可能性のほうが大きそうですね」

トクリュウに関係している暴力団は住吉会に限ったことではない。警察が見せ始めた“本気”に他の組織も戦々恐々といったところかもしれない。

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