高市首相

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“なんでできないの?”

 高市早苗首相が今年2月の衆院選での大勝後に目指したのは、2026年度予算の年度内成立だった。結果はうまく行かず、大いに落胆しているという。そしてその大勝そのものが今や高市氏の首を絞めつつあるとの指摘もひろがっている。

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「衆院選をやったことが大きく響いて、予算の年度内成立について日程的にタイトになってしまいました。衆院では数の力で押し切った格好ですが、参院は少数与党ですし、そもそも衆院とは空気もカルチャーも違う。高市氏としてはキーマンの石井準一参院幹事長が汗をかいてくれると思っていましたが、無理を通すことは難しかったということですね。もちろん汗はそれなりにかいたと思いますが。高市氏としては暫定予算を組んだ、組まざるを得なかったことに対して“参院は何をやってるの?”“なんでできないの?”と、大いに落胆したそうです」

高市首相

 と、政治部デスク。

感情を今も引きずっている

「高市氏としては衆院選に大勝し、これである程度のことは思う通りにできると考えていたフシがあります。が、いきなりつまづいてしまった。嫌なことをあっさりスッパリ忘れられるタイプではなく、その感情を今も引きずっています」(同)

 暫定予算になったからといって日々の生活に大きな影響が出るわけではないため、国民から見れば高市氏のこだわりはなかなかわかりづらいところだ。

「結局はプライドの問題なのかもしれません。参院に解散はないし、石井氏の任期はあと5年余ある。それまで高市政権が続いているかはわからない。高市氏からすれば“石井氏は嫌がらせされることはないし、されたとしても軽微だからと高をくくっているんだろう。だから積極的に年度内成立に動かなかった”との思いがあるようです。それが思い込みなのか、本当に自民党の参院側が本気を出さなかったのか、なかなか判断がつかないところはありますが」(同)

しばらくは解散できない

「時の宰相が解散に打って出る際、それなりに大義や理由をつけるわけですが、よほど追い詰められた状況でない限り、突き詰めると“自分の思い通りにやれる状況を作るため”ということなのだと思います」(同)

 改めて現下、「意のままにできる環境」をどうやったら作れるのか。高市氏はその壁にぶつかっているということなのか。

「少なくとも参院選で勝利し、少数与党から脱却することですが、参院は3年ごとの改選なので、次回は2028年、その次が2031年と、時間がかかります。それこそ高市政権が継続しているかわからないですよね。高市氏がどこまで自覚しているかわかりませんが、先の衆院選での歴史的勝利は高市氏の首を絞めつつあるとの指摘があります」(同)

 皮肉な話だが、どういうことなのか。

「しばらくは解散できないことが大きいと言われています。内閣支持率が何らかのきっかけで下降し始め、反転攻勢を期しての解散を検討しても今回の解散から近すぎると実際にやりづらいだろうとの見方があります」(同)

余裕に見えても

「“しばらくは解散できない”と今年1月にも同じようなことが指摘されていた中、2024年10月に行われた前回の衆院選からわずか1年4か月後に解散したので、そういったことが絶対に繰り返されないとは言い切れませんが(笑)」(同)

 昨年7月の参院選で当時の自民党と公明党による与党が敗北し、石破茂首相が退陣を表明。公明党が26年続いた連立政権から離脱して自民は新たに日本維新の会と連立を組むなど、前回の衆院選から政治の枠組みが大きく変わっていた。

「そうですね。それも高市氏が解散に打って出た大義のひとつなのでしょうが、連立相手が変わるたびに解散というのは新味にかけるでしょうし、そもそも316議席を獲得した反動で次回に議席を伸ばす可能性は極めて低い」(同)

 先の衆院選からある程度の時間を置く必要があり、支持率アップのための反転攻勢と言っても従前の議席を下回ることは確実となると解散に二の足を踏むことは十分に想定される。しかも仮に再度、大勝ちしたとて、参院で少数与党というねじれは解消できない。

「電撃解散が当たって余裕の政権運営のように見えても、実際にはさほど自由度があるわけではないと言えるかもしれません」(同)

デイリー新潮編集部