2027年から「iDeCo」の“拠出限度額”が大幅引き上げに! 毎月の掛金を「2万3000円→6万2000円」に増額すると、「節税効果」が10年で“90万円以上”も増える!?
令和9年から「iDeCo」の“拠出限度額”が大幅引き上げに
令和7年の年金制度改正法により、令和9年からiDeCoの拠出限度額が大幅に引き上げられます。これは働き方やライフスタイルの多様化が進む社会変化を踏まえて、年金制度を構築する目的の法改正とされているようです。
この法改正で私的年金制度の見直しが実施され、iDeCoは以下のように改正される見込みです。
(1)加入可能年齢の上限引き上げ
働き方にかかわらず70歳まで加入可能になり、より長く老後の資産形成を行えます。
(2)拠出限度額の上限引き上げ
会社員や公務員などの第2号加入者の上限が、従来の月額2万3000円から月額6万2000円(企業型DCなどに加入している場合はその掛け金との合計額が6万2000円)に大幅引き上げされます。自営業者やフリーランスなどの第1号加入者の上限については、従来の月額6万8000円から月額7万5000円に引き上げ予定です。
厚生労働省が発表した「私的年金制度の主な改正事項の施行スケジュール」によると、「令和9(2027)年の控除分からの実現を目指して、準備を進めること」とされています。
掛金を「6万2000円」に増額すると「節税効果」が10年で“90万円以上”も増える?
例えば企業型DCなどに加入していない「年収500万円」の会社員が、毎月の掛金を「従来の2万3000円から6万2000円に増額」すると、節税効果が10年でどのくらいになるのかを試算してみましょう。
(例)東京都在住 40歳 年収500万円 独身 企業型DCなどに加入していない場合
年収500万円で給与所得控除後356万円、基礎控除額68万円および社会保険控除約73万円により、課税所得は約215万円と仮定し、税金は20%程度(所得税率10%、住民税所得割の税率10%)とします。
iDeCoの税制優遇効果は、以下の計算式で概算できます。
税制優遇=掛金×税率(合計)
ここで、おおよその節税効果を確認しましょう。毎月の掛金が2万3000円だった場合、10年間の節税優遇は以下のようになります。
1年:2万3000円×12ヶ月×20%=5万5200円程度
10年:5万5200円×10年=55万2000円程度
掛金を6万2000円に増額した場合、10年間の節税優遇は以下のように増加します。
1年:6万2000円×12ヶ月×20%=14万8800円程度
10年:14万8800円×10年=148万8000円程度
つまり掛金を「6万2000円」に増額すると、節税効果が10年でおおよそ90万円以上増加する可能性があります。
令和8年4月からは企業型DCの拠出限度額も拡充
令和8年4月1日からは、企業型DCに関する制度も改正され、拠出限度額が拡充されます。加入者掛金(マッチング拠出)に関して、企業型DCの加入者が事業主の拠出に上乗せして拠出できるものでしたが、事業主掛金の額を超えられない制限がありました。
こちらの制限が撤廃され、拠出限度額の枠を活用できるようになります。あわせて、企業型DCの拠出限度額は従来の月額5万5000円から月額6万2000円に引き上げられる見込みです。
まとめ
令和9年(2027年)からは、iDeCoの拠出限度額が引き上げられる見込みで、掛金を増額できる人にとっては、節税効果を高めながら老後資金を準備できる環境が整いつつあります。
今回成立した令和7年の年金制度改正法では、働き方やライフスタイルの多様化を背景に、私的年金制度の位置づけが見直されました。iDeCoでは加入可能年齢や拠出限度額が拡充され、企業型DCについても制度の柔軟化が進められています。
こうした制度改正を踏まえ、自身の就業状況や収入、他の年金制度との関係を確認しながら、無理のない範囲でiDeCoを活用することが、将来に向けた資産形成や節税を考えるうえでの一つの選択肢となるでしょう。
出典
厚生労働省 令和7年度年金制度改正法が6月20日に公布されました。
国税庁 令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について(源泉所得税関係)
国税庁 No.1130 社会保険料控除
厚生労働省 年金制度改正法が成立しました
全国健康保険協会 令和7年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表
国税庁 給与所得者と税
厚生労働省 私的年金制度の主な改正事項の施行スケジュール【予定】
国税庁 所得税の税率
総務省 個人住民税
国民年金基金連合会 iDeCo(イデコ)のメリット
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
