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非ハイブリッド&後輪駆動化

ベントレーが新型『スーパースポーツ(Supersports)』を発表した。最高出力666psのV8エンジンを搭載した2人乗り後輪駆動ツアラーで、これまでの市販車で最もダイナミックなモデルとされている。

【画像】666psのV8後輪駆動クーペ! ドライビングに特化した高性能モデル【ベントレー・スーパースポーツを詳しく見る】 全24枚

500台のみの限定生産で、来年3月に発売される予定だ。英国価格は約40万ポンド(約8000万円)と、現行最上位モデルのコンチネンタルGTスピードの23万7000ポンド(約4800万円)を大きく上回る。


新型『スーパースポーツ』    ベントレー

新型スーパースポーツは1929年の耐久レースドライバー、ミルドレッド・メアリー・ペトレにちなみ「プロジェクト・ミルドレッド」のコードネームで開発された。ベントレーのフランク・ワリサーCEOは、「より過激なクルマ」を創出する取り組みの始まりを告げるものだと述べた。

現行のコンチネンタルGTをベースとしているが、ワリサー氏によれば「まったく異なる」クルマに仕上がっており、公道仕様のベントレーとして数々の「初」を実現しているという。

例えば、コンチネンタルGT初の後輪駆動モデルであり、ベントレーの市販車としては史上最大のフロントスプリッターが装備され、英国クルー工場から出荷される公道仕様車としては最大のダウンフォースを誇る。

スーパースポーツという名称は、ちょうど100年前の1925年に登場した3リッター・スーパースポーツに由来する。以来、2009年の初代および2017年の2代目コンチネンタルGTにこの名称が冠され、いずれも6.0L W12エンジンを搭載していた。

この名称はこれまでベントレーのラインナップの中で最もパワフルなモデルを示すために使用されてきたが、新型スーパースポーツは電動化と高性能EVが普及する現代において「かつてないほどドライバー重視」のモデルとして開発された。

ハードコアなドライバーズカー

鍵となるのは軽量化だ。車両重量は2000kgを下回り、GTスピードより約500kg軽く、1940年のマークV以来のベントレー最軽量モデルである。これはハイブリッド・システムを廃し、四輪駆動から二輪駆動へ変更することによって実現した。

通常アルミニウム製のルーフはカーボンファイバー製となり、低重心化に貢献。車内では後部座席が撤去され、遮音材やスピーカー数が減らされ、各種運転支援システムも省略された。


新型『スーパースポーツ』    ベントレー

パワートレインは、ハイブリッド仕様のコンチネンタルGTスピード(合計出力782ps)に搭載されているものと同じツインターボ4.0LガソリンV8エンジンだ。

高強度のクランクケース、改良型シリンダーヘッド、大型ターボチャージャーを装着し、出力を666ps、最大トルクを81.5kg-mに高めた。これにより、1Lあたり166ps以上という、ベントレー史上最高の出力密度も実現している。

ZF製8速デュアルクラッチ・トランスミッションも改良され、新しいクラッチとソフトウェアを搭載。ベントレーによれば、特にブレーキング時のダウンシフトにおいて、より鋭く応答性の高いシフトチェンジを実現しているという。

結果、スーパースポーツの0-100km/h加速は3.7秒とされる。

非常に高速であることに違いはないが、ハイブリッドアシストと四輪駆動を備えたGTスピードより約0.5秒遅く、ライバルとなるアストン マーティンDB12 Sよりも0.3秒遅い。最高速度は310km/hとなる見込みだ(正式数値は追って発表)。

しかし、ベントレーが開発目標としていたのは純粋なパワーではなく、これまでで最もドライバー重視のクルマに仕上げることだった。そこで重要なのが、パワーの伝達方法だ。

スーパースポーツはGT3レースカーを除いて、コンチネンタルシリーズ初となる後輪駆動方式を採用したモデルである。このため、パワーを二輪で適切に処理できるよう、リアトレッドを16mm拡大する必要があった。

ソフトウェアも重要な役割を担っている。例えば、トルクベクタリングシステムとeLSDを組み合わせることで、鋭いターンインとブレーキング時のトラクションの最大化を図った。さらに、専用チューニングのステアリングとサスペンション、トラクション管理システムも搭載されている。

標準のコンチネンタルGTと同様、フロントにダブルウィッシュボーン、リアにマルチリンク式アクスル、エアスプリング、後輪操舵システムを採用。ツインチャンバーダンパーは新設計だ。

強化されたエアロダイナミクス

スーパースポーツは歴代ベントレーの中でも最もアグレッシブな外観を持ち、「単なる見た目のため」の要素は一切含まれていないという。

最も注目すべきはフロントバンパーだ。GTスピードよりも低くワイドな形状で、公道仕様としては最大のスプリッターを備える。ノーズ部分には新たに軽量メッシュグリルが配置されている。


新型『スーパースポーツ』    ベントレー

その他の特徴として、上下2段のダイブプレーン、分厚いサイドシル、大型のフェンダーブレード、新設計のリアディフューザー、そしてトランクスポイラーなどが挙げられる。

GTスピード比で300kg以上のダウンフォース増を実現しているとのことだが、両車とも具体的な数値は非公表だ。前後重量配分は54:46を維持している。

22インチアルミホイールに、オプションのピレリPゼロ・トロフェオRSタイヤを組み合わせれば、GTスピードより約30%速いコーナリングが可能となり、最大横方向加速度は1.3Gに達するという。

インテリアも、カーボンファイバーパネルやレザーなど、ベントレーらしい豪華なディテールを施しつつ、機能性重視の洗練されたデザインとなっている。

シートはGTスピードより低めに設定された軽量カーボン製バケットシートで、サポート性も強化されている。標準車と同様に12.3インチタッチスクリーンとデジタルドライバーパネルを装備。後部座席はレザーとカーボンのシェルに置き換えられている。

2026年第4四半期に生産開始し、2027年初頭から納車開始予定だ。限定500台のうち、大半はベントレーの主要市場である米国向けとなる見込みだ。