マツダ「新型CX-5」まもなく発売! 全面刷新で「何が変わった」!? 大きな「期待」の裏にある「かすかな“不安”要素」とは
マツダの最量販モデルへと成長した「CX-5」がフルモデルチェンジ
マツダは2025年7月10日、欧州で3代目となる新型「CX-5」を世界初公開しました。2025年末より世界で順次発売される予定です。
2012年に初代が登場したCX-5は、世界100以上の国と地域に導入され、これまでグローバルで累計450万台以上を販売するなど、現在のマツダにおける最量販モデルへと成長しています。
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同社の今後を左右するほど重要なフルモデルチェンジとなりますが、果たして新型はどのような進化を遂げたのでしょうか。

マツダの屋台骨を支えるといっても過言はない、CX-5の3代目モデル。
日本仕様の発表はまだですが、早ければ2025年末、遅くとも2026年初頭には日本市場にも新型CX-5が投入されることが予想されます。
マツダは現在、SUVのシリーズの車種名の前部分に、一部車種を除き「CX」という英文字をつけて展開しています。
一番最初にCXをつけて展開が始まったのが、2006年から2011年に販売された「CX-7」です。
2012年に登場した初代「CX-5」は全体にCX-7よりもコンパクトですが、登場したタイミングから日本市場では実質的な後継モデルともいえます。
セールス的に伸び悩んでいたCX-7とは違い、初代CX-5は大ヒットモデルとなりました。
当時、マツダは2010年に発表した次世代技術「スカイアクティブ テクノロジー」を展開しており、2011年から順次市販モデルへ部分的に採用していました。
そんななかで登場した初代CX-5は、いちからスカイアクティブ テクノロジーを全面投入しています。
次世代高効率オートマチックトランスミッションやマニュアルトランスミッション、高い剛性と最高レベルの衝突安全性を実現した次世代軽量高剛性ボディ、正確なハンドリングと快適な乗り心地を高次元でバランスさせた次世代高性能軽量シャシーなど、スカイアクティブ テクノロジーの範囲は多岐にわたりますが、なかでも中核となるのはエンジン技術です。
当時世界一の高圧縮比「14.0」を実現した次世代高効率直噴ガソリンエンジン「SKYACTIV-G」や、世界一の低圧縮比「14.0」を実現した次世代クリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D」を搭載しています。
特にSKYACTIV-Dは、2012年時点でCX-5販売比率の約8割を占めるなど、特に注目を集めました。
また、クルマに命を吹き込み、生命感あふれるダイナミックなスタイルを表現する次世代デザインテーマ「魂動(Kodo)」や、透明感のある鮮やか赤いボディカラー「ソウルレッド」が採用されたことも、CX-5の人気を後押しする理由となりました。
2017年には、初代の全体的なイメージを踏襲しながら、正常進化した2代目のCX-5が登場しました。
ディーゼルノック音を低減する「ナチュラルサウンドスムーザー」やノック音の発生そのものを低減する「ナチュラルサウンド周波数コントロール」を新たに採用するなど、売れ筋のディーゼルエンジンに磨きがかかったのも特徴的です。
また2018年10月には、2.5リッターガソリン直噴ターボエンジン「SKYACTIV-G 2.5T」を追加し、ガソリンエンジンへの展開もぬかりなく行ってきています。
加えて、新世代車両運動制御技術「SKYACTIV-VEHICLE DYNAMICS」の第一弾となる「G-ベクタリングコントロール」も標準装備し、2018年10月には「G-ベクタリング コントロール プラス(GVC プラス)」へ進化するなど、ハンドリング性能も向上しました。
さらに2021年には、フロント、リアのデザインを大幅に変更し、特別仕様車としてスポーティな「スポーツアピアランス」や、アウトドア仕様「フィールドジャーニー」を設定するなど、機能の熟成だけではなく、デザインテイストのバージョンアップも実施するなど、絶え間ない年次改良を実施。
その後もカラーや仕様の変更など進化を続けており、CX-5はいまもなおマツダの主力モデルとなっているのです。
新型「CX-5」、まさかの売れ筋の「ディーゼル」を不採用!?
なお、2022年に発売されたラージクラスの5人乗りSUV「CX-60」は、CX-5の実質的な後継モデルとして期待されました。
ところが、CX-5と比べ大柄なボディサイズや価格帯が高いこと、極初期モデルの熟成不足といった諸問題も含め、当初の期待通りのセールスまでは到達しませんでした。
したがって、併売が続くCX-5が主力モデルという状況は、モデル末期の今も変わりありません。

そんな状況のなか、2025年7月に欧州で3代目となる新型CX-5が初公開されました。
基本的にはキープコンセプトと思われる仕上がりで、年次改良を続けてきたCX-5の純粋な後継モデルといえます。
CX-60が、「縦置きエンジン+後輪駆動レイアウトの新プラットフォーム」「直列6気筒ディーゼル」「PHEV(プラグインハイブリッド)」など、数々の新開発テクノロジーを投入して一新したのとは、対照的な堅実な仕上がりとなっています。
3代目の新型CX-5で新たに採用されたもので目を引くのが、タッチパネル式のモニター(センターディスプレイ)です。
確かに海外向けのEV(電気自動車)ではタッチパネルの採用例もあったものの、マツダは日本を含めて世界的にタッチパネル操作へ「方向転換した」ということになります。
他メーカーではタッチパネル操作も当たり前となっていますが、センターコンソール中央でブラインド操作(手元を見ない操作)ができるコマンダーは、音声操作と組み合わせることで不便さは感じません。
革新技術がてんこ盛りだったCX-60でもコマンダースイッチが採用されていた点からも、マツダはこだわりをもってコマンダー操作を堅持すると予想されていたため、少し驚きの変化といえます。
またインテリアに彩りを与える装備として、6色のアンビエントライトが採用されました。
欧州の高級車でも定番となっている装備で、日本車でも採用が広がっていますが、より上級のCX-60/80シリーズでは単色の明るさ調整のみしか採用されていなかっただけに、ここも方針変更が感じられます。
エクステリアでは、CX-60/80シリーズと同様に、ルーフに装着されていたシャークフィンアンテナが廃止されています。
マツダで最初にシャークフィンアンテナが採用されたのが初代CX-5であっただけに、ここも大きな変化ポイントともいえます。
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先代モデルの良いところを継承しつつ正常進化した印象の3代目CX-5ですが、海外での先行発表では2.5リッターガソリンエンジン「e-SKYACTIV G 2.5」のみが発売されることになっています。
なおマツダは2025年3月、新エンジン「スカイアクティブZ」とハイブリッドを組み合わせた新開発ユニットについて、2027年からCX-5を皮切りに展開することを明らかにしています。
したがって今後、新型CX-5のエンジンラインナップも順次拡大されていくことになるようです。
一方で、「ディーゼルエンジンはラージ商品群に搭載する直列6気筒に集約する方針」とも報じられており、スモール商品群の新型CX-5にクリーンディーゼルは搭載されないことが考えられます。
ただ日本市場では、「ディーゼルだからマツダを選ぶ」という傾向があるのは間違いありません。例えばCX-60も8割以上がディーゼル車の販売となるなど、今もなお根強い支持を集めています。
もし新型CX-5がディーゼル車を「廃止」してしまうと、その売れ行きに大きな影響を及ぼすことが危惧されます。
トヨタは、新型CX-5発売とほぼ同時期の2025年末に、ライバル車「RAV4」をフルモデルチェンジします。
世界でも随一の低燃費を誇るHEV(ハイブリッド)やPHEVもラインナップされることを考えると、RAV4にはないディーゼルエンジンを新型CX-5に採用することは、強い差別化ポイントになるでしょう。
最近の世界状況を踏まえ、EVへ傾倒していた自動車メーカーの開発方針が、エンジン車やHEV車の見直しへ回帰しています。
マツダも方向転換を図り、ディーゼルの新型CX-5が再登板することも期待できるかもしれませんね。
