2025年版 最も航続距離が長いEV 10選 乗り心地や走行性能も評価
ランキング上位は「700km以上」が当たり前
今回は、公式のWLTP数値に基づき、英国で販売されている航続距離が最も長いEVを10台、ランキング形式で紹介する。AUTOCAR英国編集部による試乗レビューも添える。
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多くの人にとって、EV購入時に決め手となるのが航続距離だ。それは当然のことだろう。初期のEVは1回の充電で走行できる距離が短く、当時は公共の充電器もほとんどなかった。

欧州WLTPサイクルで最も航続距離が長いEVを、AUTOCAR英国編集部がピックアップした。
2010年に発売された量産型EVの第一号である日産リーフは、航続距離わずか160kmで、自宅での充電には8時間かかった。
ありがたいことに、時代は変わった。今日、最も安価なEVでも、初代リーフの2倍の航続距離を実現し、充電時間も数分の1で済む。
バッテリーとモーター技術の飛躍的な進歩により、一部の最新EVは、ガソリン車が満タンで走行できる距離と同じくらいの距離を、1回の充電で走行できるようになった。
現在、英国で最も航続距離が長いモデルは、774kmという驚異的な数値を誇るメルセデス・ベンツEQSだ。その評価や、他のモデルについても解説していく。
ただし、ここで取り上げるのはWLTPによるメーカー公称値、つまりカタログ値だ。実際の走行環境においては、穏やかな運転や暖かい気候での使用などを意識しなければ、これらの数値を達成することは難しいだろう。
(翻訳者注:各モデルの装備や価格は英国仕様に準じます。英国市場から撤退したモデル、あるいは未導入のモデルについては取り上げていません。また、航続距離はいずれも欧州WLTPサイクルに基づくメーカー公称値です。)
1. メルセデス・ベンツEQS
デザイン:9点 インテリア:9点 パフォーマンス:8点 乗り心地とハンドリング:9点 コスト:8点
長所:後輪操舵システムで驚くべき機敏性を発揮 長距離走行時の快適性が高い 追い越しも簡単
短所:巨大なハイパースクリーンは走行中の操作が難しい 低速時の洗練度が足りない インテリアの質感に疑問が残る
航続距離:774km
メルセデス・ベンツEQSは、現在英国で販売されているEVの中で最長の航続距離を誇り、巨大な118kWhのバッテリーにより774kmを走行できる。

1. メルセデス・ベンツEQS
「冬の厳しい条件下でも、充電1回で高速道路を480km以上走行できる」
――マット・ソーンダース、ロードテスト編集者(AUTOCAR英国編集部)
これには、0.20という優れた空気抵抗係数(Cd値)が大きく貢献している。この数値は現代のあらゆるクルマの中でも非常に低いものだ。
万が一、バッテリーを使い切っても、充電時間は短く済む。最大200kWの充電速度に対応しており、10%から80%までわずか30分で充電できる。
唯一の欠点は、新車価格が10万ポンド(約1960万円)以上と非常に高いことだ。
2. アウディA6 eトロン
デザイン:8点 インテリア:8点 パフォーマンス:8点 乗り心地とハンドリング:9点 コスト:7点
長所:優れた性能と航続距離 価格面で競合車と互角 安定感のあるハンドリング
短所:下位グレードにはエアサスペンションや4WDが設定されていない 競合車より荷室が小さい フロアが高い
航続距離:745km
A6の航続距離は745kmと、ライバルのBMW i5やメルセデス・ベンツEQEを凌駕する。

2. アウディA6 eトロン
「最上位モデルのS6は、力強さと最新テクノロジー、洗練された走りと快適な乗り心地を備えた、日常使いに理想的なクルマと言えるだろう」
――ヴィッキー・パロット
スポーツバック(セダン)とアバント(ステーションワゴン)の2種類のボディスタイルから選択できるが、アバントは空力性能がやや劣るため、航続距離が42km短くなる。
エントリーグレードは最高出力367psのリアモーターを搭載した後輪駆動モデルで、現時点での最上位は550psのスポーティなS6 eトロンとなっている。
3. ポールスター3
デザイン:9点 インテリア:7点 パフォーマンス:9点 乗り心地とハンドリング:8点 コスト:8点
長所:郊外道路での運転が本当に楽しい 広く、仕上げの美しいインテリア BMWやメルセデスなどの同クラスの競合よりも安価
短所:期待したほど洗練度は高くない インテリアの部品やデザインの多くは、ボルボEX90と共有 タッチスクリーンへの依存度が高く、使い勝手が悪い
航続距離:705km
スウェーデンのEVブランド、ポールスターが繰り出した3は、スマートな外観のSUVで、そのスペックも非常に印象的だ。

3. ポールスター3
「このクルマは、他車とはまったく異なる外観とフィーリングを持っている。同じようなクルマが多いこのクラスでは好感を持てる」
――ヴィッキー・パロット
111kWhの大容量バッテリーを搭載し、リアに1基のモーターを搭載することで、705kmの航続距離を実現している。
最高出力300ps、最大トルク49.9kg-mを誇り、0-100km/h加速7.8秒と十分。他のほとんどの車両と対抗できる性能を備えている。
運転が本当に楽しく、ハンドリングはこのクラスでも特に優れている。また、しなやかなエアサスペンション、ステアリングの重み、パワー伝達など、ドライブトレインの重要な要素は一通り調整可能なので、自分だけのドライビング・エクスペリエンスを堪能できる。
4. フォルクスワーゲンID.7
デザイン:8点 インテリア:9点 パフォーマンス:8点 乗り心地とハンドリング:8点 コスト:9点
長所:広々としたインテリア 他のIDシリーズと比較してインテリアの質感が高い タッチスクリーンの使いやすさが向上した
短所:同クラスのBYDやテスラよりも高価 競合車に比べてインテリアが地味 車両の重量を感じるハンドリング
航続距離:702km
事実上、人気のパサートに相当するEVであるID.7は、フォルクスワーゲンの次世代EVに対する決意表明のような存在だ。

4. フォルクスワーゲンID.7
「ID.7は、このクラスで最もバランスのとれたパッケージといえるだろう」
――イリヤ・バプラート、ロードテスター
効率性を高める、同社の新しい『AP550』リアモーターが採用されている。
最もバッテリーが大きいプロSモデルでは、702kmの走行が可能で、200kWの急速充電にも対応する。
エントリーモデルのマッチでも613kmの走行が可能で、スポーティなGTXの場合は587kmとわずかに短くなっている。
ID.7ツアラーというステーションワゴンタイプもあり、航続距離を14km犠牲にしつつ実用性を高めている。後部座席を折りたたむと、1714Lという驚異的なトランクスペースを確保できる。
5. DS No8
デザイン:8点 インテリア:7点 パフォーマンス:7点 乗り心地とハンドリング:8点 コスト:8点
長所:面白く、心を惹かれるコックピットデザイン 洗練され、運転しやすい 長大な航続距離
短所:いまひとつ魅力に欠けるハンドリング インテリアは一部の部品が使い回しで、プレミアム感が損なわれている 居住空間とトランクスペースは改善の余地あり
DS No8は、今年後半に発売予定の新型EVで、ブランドのフラッグシップモデルに位置づけられている。

5. DS No8
すべての仕様で480kmを超える航続距離を実現し、最も大きな97.2kWhのバッテリーを搭載したモデルでは750kmを謳っている。
「No8のコクピットは、見た目の質感と触り心地にこだわったトリムが随所に散りばめられ、高級車らしい要素をほぼ完璧に備えたモデルであると感じられる」
――フェリックス・ペイジ、副編集長
No8は、ステランティスのEVとしてはこれまでで最大のモデルであり、航続距離としてもトップ5に余裕で入ることになる。
また、最大160kWの速度で充電できるため、充電に費やす時間も比較的短く済む。
前輪駆動モデルで最高出力280psを発揮し、2基のモーターを搭載した350psのモデルは0-100km/h加速を7.8 秒で達成する。
6. テスラ・モデル3
デザイン:8点 インテリア:8点 パフォーマンス:10点 乗り心地とハンドリング:7点 コスト:8点
長所:価格に見合う航続距離 使い勝手が良い 確かな俊敏性
短所:乗り心地が不安定 車内に物理的なボタンが少ない オートパイロット・システムが不安定
航続距離:702km
絶大な人気を誇るテスラのコンパクトセダン、モデル3は、2024年に大幅なアップデートが行われ、より洗練されたスタイリング、新しいインテリア、そして優れた効率性を獲得した。

6. テスラ・モデル3
「最も安価なローエンドのモデルでも、セダンの実用性、驚異的なパフォーマンス、そして扱いやすいハンドリングのダイナミズムを融合している」
――リチャード・レーン、ロードテスト副編集長
モデル3のロングレンジRWD仕様では、最大702kmの航続距離を実現している。
この長距離走行能力に加え、本格的なパフォーマンスも備わっている。前述の仕様では、最高出力355psで0-100km/h加速4.9秒を達成し、スポーツカーに匹敵する性能を誇る。
どの仕様を選んでも560km以上の航続距離を実現しており、十分なパワーと594Lのトランク容量があれば、これ以上何を望むだろうか? おそらく、物理ボタンくらいだろう……。
7. プジョーe-3008
デザイン:7点 インテリア:8点 パフォーマンス:7点 乗り心地とハンドリング:6点 コスト:7点
長所:優れたインテリアデザイン 新鮮でモダンな内装材 静かで洗練された走り
短所:ライバル車に比べて高価 ハンドリングが鈍い 乗り心地が硬い
航続距離:700km
プジョーの最新世代3008は、同社の他のモデルとの差別化を図るため、クーペSUVへと進化した。

7. プジョーe-3008
「AUTOCARのテストでは、80km/h巡航時の静粛性はテスラ・モデルY、ヒョンデ・アイオニック5、ポールスター2よりも高かった」
――マット・ソーンダース、ロードテスト編集者
e-3008は、親会社であるステランティスのSTLAミディアム・プラットフォームをベースにした最初のモデルで、エネルギー効率を最優先しているため、97kWhという大容量バッテリーを余裕を持って搭載することができる。
電費は7.2km/kWhと高効率なため、1回の充電で700km走行することができる。ただし、充電速度は160kWにとどまり、クラス最高速とは言えない。
8. メルセデス・ベンツEQE
デザイン:8点 インテリア:8点 パフォーマンス:8点 乗り心地とハンドリング:8点 コスト:7点
長所:遮音性の高い車内 穏やかな乗り心地 充実した車載機能
短所:公称航続距離の達成は難しい インテリアの質感は改善の余地あり 高価
航続距離:690km
メルセデス・ベンツの中型電動セダンは、同社で最も航続距離の長いEVの1つで、下位モデルでも550km以上となっている。

8. メルセデス・ベンツEQE
「テスラに勝つことを目指しすぎて、結局、かなり運に頼ることになってしまった」
――マット・ソーンダース、ロードテスト編集者
一線を画すのが、航続距離690kmを誇るEQE 350+スポーツ・エディションだ。
さらに、最大170kWの充電速度に対応し、総合的な性能も優れている。
最高出力は294ps、最大トルクは57.5kg-mで、0-100km/h加速は6.5秒とホットハッチ並みの性能を見せる。
9. BMW iX
デザイン:5点 インテリア:9点 パフォーマンス:9点 乗り心地とハンドリング:7点 コスト:6点
長所:抜群に快適な乗り心地 SUVらしい広さと汎用性 豪華なインテリア
短所:賛否両論のあるエクステリア 回生レベルの手動制御なし 比較的高価
航続距離:685km
BMWの中でも特に挑戦的な外観を持つiXが、大幅なアップデートを経てトップ10に返り咲いた。

9. BMW iX
「世界トップクラスの洗練された走りとドライバビリティ、瞬時に発揮されるパフォーマンス、そして実環境での航続距離も評価できる」
――マット・ソーンダース、ロードテスト編集者
新しいフロントデザインは依然として賛否両論を呼んでいるが、改良されたバッテリーパックと効率を高めたモーターにより、航続距離が大幅に向上した。
最上位グレードのxドライブ60は最大685kmの航続距離を実現。544psの出力と0-100kml/h加速5.0秒未満の性能を備えている点でも印象的だ。
10. ポルシェ・タイカン
デザイン:9点 インテリア:7点 パフォーマンス:10点 乗り心地とハンドリング:9点 コスト:8点
長所:卓越したハンドリングとドライビングの魅力 居住空間、航続距離、パフォーマンス、価格の絶妙なバランス 充電速度が速い
短所:後部座席は大人には狭め 標準の充電ケーブルがかさばる 信頼性に懸念あり
航続距離:679km
ポルシェ初のEVが大規模アップデートを受け、新開発のリアモーターにより追加パワー、トルク、効率性が向上。バッテリーも改良し、内部抵抗を低減した。

10. ポルシェ・タイカン
「決して安価ではないが、その価値は十分にある」
――リチャード・レーン、ロードテスト副編集長
その結果、タイカンGTの航続距離は大幅に改善され、オプションの105kWhパフォーマンスバッテリープラスを搭載したバージョンでは、1回の充電で679kmを走行することができる。
また、1108psの驚異的なパワーを誇る、サーキット走行に特化したタイカン・ターボGTも選択可能だ。
最高の長距離EVを選ぶには?
多くのドライバーにとって、航続距離はEVを購入する際に重要な指標となる。最高の1台を選ぶには、どれだけの距離を走れるかが決め手になるかもしれない。
最も航続距離の長いクルマをお探しなら、メルセデス・ベンツEQSセダンが最適だ。ただし、このモデルは高価であり、実用的なニーズには合わないかもしれない。

どれだけの速さで充電できるかという充電速度も、購入時には考慮しておきたい。
より手頃な価格の選択肢としては、640km以上の航続距離を実現しているステランティスのプジョーe-3008がいいだろう。
テストと選定方法
このリストは、欧州WLTPテストの結果に基づいて作成されている。あくまでもカタログ値であるため、実際の走行条件によって結果が異なる場合がある。

この記事で紹介しているクルマはすべて、AUTOCAR英国編集部が試乗・評価したものだ。
よくある質問 Q&AEVとは何か?
電気自動車(EV)は、電気のみで駆動する車両だ。そのため、走行中は排出ガスを一切出さない。電力は、車両の床下に搭載された大型リチウムイオンバッテリーからモーターに送られる。自宅や公共の充電ステーションで充電可能だ。
最も航続距離の長いEVは?
メルセデス・ベンツEQSセダンは、英国で販売されているEVの中で最も航続距離の長いクルマだ。メーカー公称値では1回の充電で774kmの航続距離を謳っているが、実際の走行ではこの数値を達成するのは難しいかもしれない。
EVの航続距離に影響を与える要因は?

ホイールサイズの違いも航続距離に影響を与える。
EVの航続距離は、バッテリーのサイズ、運転スタイル、効率性、車両重量、外気温など、いくつかの要因によって変わる。エアコンなどのエネルギー消費の大きい機能を使用すると、航続距離にも大きく影響する。また、外気温の影響を特に受けやすく、夏は効率が良く、冬は効率が悪くなる傾向がある。
長距離走行が可能なEVを製造している自動車メーカーは?
長距離走行が可能なEVを製造する自動車メーカーは、年々増加している。メルセデス・ベンツは、EQSおよびEQEセダンを販売しており、フォルクスワーゲンも電動ステーションワゴンのID.7を発売予定だ。電動SUVも増えており、ボルボやポールスターなどのメーカーも、テスラなどと肩を並べるラインナップを展開している。
