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YouTubeチャンネル「らち-ART-」より「【万博】バチカンの至宝《キリストの埋葬》を読む|ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョがつなぐ美術の現在地」と題し、巨大な影響力を放ち続けるバロック期の巨匠カラバッチョについて語った。

冒頭でらちさんは「あなたは、神聖さと人間臭さが同居する瞬間を見たことがあるでしょうか?」と視聴者に問いかけ、カラバッチョによる宗教画《キリストの埋葬》を取り上げる。表面的には聖なる儀式に見える同作だが「この絵には、奇跡も神秘も描かれていない。描かれているのは、神を人として送る、という、絶えがたい現実です。そう、これは宗教画のフリをした人間の絵」と断じ、宗教画の常識を覆すリアリズムに着目した。

続いて、カラバッチョ独特のリアリズム表現を、「整った顔や理性的な構図ではなく、人間の重みそのものを美として描きました。それは、あなたが美を感じる基準そのものに疑問を投げかけてくれるかもしれません」と指摘。「絵画は、鑑賞するものではなく、対話するものと教えてくれています。あなたが見つめれば見つめるほど、作品もまたあなたを見つめてくる」と、絵画を“体験”する意義も語った。

カラバッチョの生涯や作風については、「過酷な現実を徹底して写実で捉えるそのスタイルは、果物の腐敗など現実の“生と死”すらも描き込んだ」と解説。さらに「彼は、聖書のワンシーンを17世紀ローマの普通の酒場に置き換えて描いたり、神話の登場人物をまるでそこにいる市井の人間のように表現するなど、“リアリズム”を徹底していました」と、従来の宗教画にはなかった革新性を語った。

波瀾万丈の人生にも言及。「賭博や、決闘による大事件でローマを追われ、ナポリやマルタを転々としながらも、逃亡生活の合間に傑作を残した」としつつ、「晩年は静謐さと死の気配に満ちた作品へと変化し、カラバッチョ自身の姿勢観が反映されている」と分析する。

締めくくりには、「カラバッチョが求めたリアリズムとは、単なる細部の描写や理想美ではなく、人間の存在そのもの。弱さや沈黙、怒り、絶望――そうした複雑な感情までも画面に滲ませた。今なお私たちが《キリストの埋葬》に心を揺さぶられるのは、描かれた光と影の中に“自分自身”を見出せるからかもしれません」と語りかけ、作品への積極的なコメントを呼びかけながら動画を締めくくっている。

チャンネル情報

アートテラー/デザイナー/デザイン専門学校非常勤講師アートをもっとカジュアルに。美術の歴史や名画の魅力をお伝えしています。書籍の執筆や講演活動、展覧会レポートなども幅広く手がけており、難しいと思われがちな美術の世界を、初心者から楽しめるような解説でご紹介します。