鳥栖に3発完勝の浦和。攻守ともに相手を上回る内容だった。写真:鈴木颯太朗

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[J1第7節]浦和 3−0 鳥栖/4月7日/埼玉スタジアム2002

 3連戦の3試合目となるJ1の第7節、浦和レッズがサガン鳥栖を埼玉スタジアムに迎えた試合は、浦和が立ち上がりの5分にチアゴ・サンタナの3試合連続となるゴールでリードを奪うと、後半に松尾佑介、大久保智明が追加点。3−0で勝利した。

 シュート数を見ても、浦和が22本(鳥栖は6本)、そのうち枠内シュートが8本を数えており、敗れた鳥栖の川井健太監督も認めるように、GK朴一圭の度重なるビッグセーブがなければ、もっと大差がついてもおかしくない浦和の完勝だった。

 現在19位と苦しむ鳥栖も、4−3−3を掲げる浦和に対して準備してきたはずだが、攻守ともに浦和が上回った形だ。

 ペア・マティアス・ヘグモ監督が「今日は立ち上がりから非常に良いプレスをかけることができていたのがキーファクターだった」と振り返るように、高い位置からのプレッシャーがうまくハマる形でボールを奪い、そこから効果的な攻撃につなぐことができていた。

「前線のプレスがハッキリしていれば、ディフェンダーたちはより状況を読みやすくなります。そうなると、自分のゾーンに入っている相手に対して強く行くことができます。1人が強く行っている時に周りの選手はしっかりとカバーしていて、4バックが非常に良いゾーンディフェンスをしてくれた」
 
 そうヘグモ監督が語る守備面の機能性について、中盤からチームを統率した岩尾憲は「プレッシングの仕方を用意したものと、臨機応変にやりました」と明かす。

 この日は鳥栖のビルドアップに対して、センターフォワードのT・サンタナと左右ウイングの1人に、インサイドハーフの1人が加わる形でプレスをかけて、もう1人のインサイドハーフがアンカーのサミュエル・グスタフソンと2ボランチ気味になって、4バックがラインを上げて圧力をかけるようなシーンが多かった。

 基本的にハイラインをベースに、負傷のアレクサンダー・ショルツに代わり、マリウス・ホイブラーテンとセンターバックのコンビを組む佐藤瑶大がディフェンスラインの前に出てボールを奪い、正確なパスで攻撃の起点になっていた。

 うまくボールを奪えれば、そのまま良い攻撃に繋げることができる。4−3−3の中盤も最初の頃より3枚が連動するようになってきており、鳥栖のディフェンスに的を絞らせなかった。

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 ただ、そうした守備自体は細かい設計こそ違えど、前節に1−2で敗れたFC東京とのゲームでもできていたと見ている。

 逆転負けという後味の悪い結果で、全てが悪いように捉えられがちだが「良い形で奪えたら良いチャンスになっているというのは、逆にポジティブな方の映像で共有できているので。そのへんは今日の今日、はまった感じではない」と岩尾も主張する。

 前からスイッチを入れた時のボール奪取率は決して低くなかったことが、浦和のミーティングでも共有されていたという。大きく違っていたのは、逆にプレスを剥がされた時の対応だった。

「一人ひとりがもちろん前から奪いに行くけど、そうじゃない時に、相手にうまくかわされた時に、適当に戻るのではなくて、しっかりとその後の守備も、自分たちらしさを持ってやるっていうところが改善された」

 そう岩尾が振り返るように、鳥栖も浦和のプレスに全てがかかっていたわけではない。そこからFWヴィニシウス・アラウージョを先陣役として、サイドアタッカーの長沼洋一や菊地泰智が、グスタフソンが構える4−3−3のアンカー脇を狙ってくるところで、浦和が自陣にコンパクトなブロックを敷いて、ディフェンシブサードでフリースペースをあまり与えなかった。
 
 ヘグモ監督の攻撃的なスタイルは、ここまで7試合で12得点という結果に表われているが、鳥栖戦の前時点では失点数が上回っていたのだ。

 プレスがうまくはまらない状況で無理追いをしたり、あいまいに守備をするのではなく、全体で意思統一を持って耐えながら、また前に守備のスイッチを入れていく。そうしたメリハリが90分を通してできていたことが、全体的に鳥栖を上回った要因だろう。

 ヘグモ監督は「ドミネート」という言葉をよく使うが、攻撃的なスタイルと言っても、サッカーは守備と攻撃が常に繋がっている。

 最近は少し守備に練習やミーティングの時間を割くことも多いようだが、前からはめる時も、後ろで耐える時も、統率した守備ができていれば、攻撃にも良い影響が出てくる。そうした意識がチームに浸透していれば、選手起用や対戦相手のやり方によって大きくブレることはない。

 ここから対戦する相手も、浦和の4−3−3を攻略しようと対策を立ててくるはずだが、そうした相手を上回っていくための方向性が示された3−0の勝利だった。

取材・文●河治良幸