「自分たち自身を信じて戦わないと」鎌田大地が残した力強い言葉。フランクフルトはまだCLを諦めていない【現地発】
スタジアムが作り出す雰囲気は格別だ。ホームだけではなく、アウェーでも何万人ものファンが大挙して押し寄せる。一人ひとりの声が大きく、力強い。チームを鼓舞し、背中をいつも支えてきたファンのサポートがそこにある。
「我々の戦い方は変わらない。相手がダルムシュタットでも、ブレーメンでも、ナポリでも一緒だ。自分たちのサッカーをピッチにもたらしたい。大事なのはいま、自分たちが非常に高みで安定していることだ。選手はトップコンディションで、非常にいい。ベストを発揮できれば、どんな相手にもチャンスがある。ナポリに対して大きなリスペクトの思いを持っているが、フォーカスは自分達にある」
その言葉通り、試合開始から最大限のインテンシティで走り出した。相手陣内で猛烈に追い込みをかけていく。複数選手で一気にプレスをかけて、奪ったら素早く攻撃へと転じていく。チャンスも作り出した。
だが、ナポリは強豪だ。コンスタントにヨーロッパの舞台で好成績を残しているし、今季イタリアのセリエAで独走状態に入っている。その完成度の高さは、いまヨーロッパで一、二を争うほどだ。
そんな相手にホームで0−2と負けたのだから、セカンドレグがアウェーだということを考えても、流石に苦しい。だが、フランクフルトはここから立ち上がるチームだ。
スポーツディレクターのマルクス・クレッシュは試合直後のミックスゾーンでの取材対応で、顔色一つ変えずに冷静に試合を振り返った後、自信たっぷりにこう話していた。
「本当にいいチーム相手に試合をした。相手にゲームの流れをコントロールされるのは、ある意味予想されていたこと。むしろ、チームにはまだ成長のポテンシャルがあるということが見られた試合でもあった。自分たちはこれまでにもこうした状況を何度も乗り越えてきたんだ」
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PKを阻止するなど、この日も抜群のパフォーマンスでフランクフルトを支えたGKケビン・トラップもチームへの確かな信頼を口にしていた。
「結果は理想的なものではない。でもこのスタジアムの雰囲気を見たら、そして自分たちにどんなことができるのかを知っていたら、この結果をもひっくり返すことができるはずだ。その思いが勇気になる」
試合後のスタジアムではブーイングは一つもなかった。がっかりして静まり返ることもなかった。ファンはすぐにクラブの歌を歌いだした。チームマフラーを掲げ、大声で歌っていた。「誰があきらめるものか」というファンからのこれ以上なく力強いメッセージだ。
好プレーを随所に披露していた鎌田大地も力強い言葉を残している。
「もちろん自分たちは難しい状況ですけど、自分たち自身を信じて戦わないとダメだと思う。ナポリ相手で難しい試合になると思いますけど、自分たちの力を信じてやるだけかなと」
これまでもそうだった。CL初戦では、ホームでスポルディングに0−3で敗れた。だが、そこで学んだことを次の試合で生かし、勝点を積み上げてきた。この日の経験も、全て自分たちの力へと変えていけると信じている。
グラスナー監督はこう語った。
「がっかりしているが、我々があきらめたりすることはない」
戦いはまだ終わっていない。可能性がある限り、戦士たちはいつだって本気で勝利を目ざして戦い続けるのだ。
取材・文●中野吉之伴
