建設中の安坑ライトレール(写真:新北市政府捷運工程局提供)

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(新北中央社)北部・新北市新店区で建設中の安坑ライトレール(軽軌、LRT)が近くにも開業する見通しとなった。メトロ(MRT)環状線と松山新店線を乗り継げば、隣接する同・台北市中心部への所要時間が現在よりも約20分短縮され、新北市では1日当たり5万3千人が利用すると見込んでいる。

▽鉄道空白地帯の利便性向上へ

新店区郊外の安坑エリアを走る同LRTは、全長7.5キロ。全9駅が設けられ、十四張駅では環状線に接続する。全区間の所要時間は21分。建設に投じられた費用は166億3200万台湾元(約706億6900万円)に上る。

建設を担う新北市政府捷運工程局の鄭智銘代理副局長は沿線エリアについて、1990年代に人口が急増したものの、別の地域と連絡する幹線道路が1本しかなく、狭い道を多くの路線バスが走るため、頻繁に渋滞し、住民の悩みの種になっていたと説明。環状線との乗り換えには2分しかかからないとし、将来的には台北、新北の中心部だけでなく、北部・桃園市への移動も便利になると強調する。

ラッシュ時には全線を走る列車が15分に1本、安康ー十四張を結ぶ区間車が7分30秒に1本、それぞれ運行される予定だ。

▽沿線住民からは賛否両論

だが、地元の文化や歴史を研究するグループの呉柏瑋執行長は、LRTの駅は人口密集地やレジャースポットから距離があるとして、実際の利便性に疑問を呈している。沿線にある吉祥里の林永輝里長(町内会長)も、台北市内へ向かうには2回の乗り換えが必要なことに触れ、高齢者や時間に余裕のある人は使うとしながらも、通勤族は乗らないだろうと語る。

沿線に住む高さんは、住宅街の入り口にバス停があるとし「LRTは乗り換えが多く、便利ではないし時間の短縮にもならない」と話す。大学名を冠した駅が設置される景文科技大学の学生も、校門から新店中心部へのバスに直接乗れると指摘。駅と大学の間は坂道を歩かなければならないとして「どちらかと言われれば不便だ」と厳しい意見だ。

ただ、体に障害を持つ李さんは、バスに乗るのにはリスクがあるとし、LRTの開業後は安全で便利になると期待を寄せた。

市ではLRTに接続する連絡バス4路線を開設する他、駅周辺に駐車場やバイクと自転車シェアリングの駐輪場を整備するなどし、さまざまな形で利用促進を図る方針だ。

(高華謙/編集:齊藤啓介)