(左から)斉藤光毅、鈴木彩艶、松岡大起、チェイス・アンリ【写真:Getty Images】

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【識者コラム】U-23アジアカップの招集メンバーから注目の7人をセレクト

 大岩剛監督が率いる“パリ五輪世代”のU-21日本代表はウズベキスタンで行われるU-23アジアカップに向けて21人のメンバーを発表した。

 残り2人に関しては候補選手のコンディションなどをチェックして選ぶようだが、海外組も含む精鋭たちの中でも大注目の7人をピックアップした。

■斉藤光毅(MF/ロンメルSK/ベルギー)

 このチームのエース候補筆頭であり、前回のドバイカップU-23に引き続き、10番を託される予想される。もともとドリブル突破力に優れるアタッカーだが、フィニッシュに磨きをかけているのは明らかだ。ベルギーではしばらく怪我に苦しんでいたようだが、ロンメルではドバイカップ合流直前にダイビングヘッドでのゴールを決めて復活の狼煙をあげた。

 そしてリーグ戦の最終節では後方からのロングパスをセンターバック2人に挟まれながらコントロールして、右足でゴール。怪我の離脱がありながらもシーズン5得点目を記録した。アシスト能力も高く、周りとイメージを共有するほどに輝きを増すタイプで、FW鈴木唯人(清水エスパルス)やFW細谷真大(柏レイソル)との共鳴にも期待だ。

■松岡大起(MF/清水エスパルス)

 この世代におけるリーダーの中のリーダーであり、彼がいるといないとではオン・オフ両面で、チームがまったく違うはず。大岩監督は「キャプテン候補は何人もいますので、ゲームに出る出ないも見ながら、試合の直前に決めながら、選手に伝えていきたい」と語る。実際にMF藤田譲瑠チマ(横浜F・マリノス)やDF西尾隆矢(セレッソ大阪)などキャプテン候補はいるが、やはり筆頭格だろう。1月にA代表の合宿にも同僚の鈴木らと招集されたが、その後の怪我で出遅れ、前回の合宿も招集されながら直前に辞退となった。

 それでも25日のFC東京戦では先発フル出場。チームはMF松木玖生を擁するFC東京に0-3と敗れたが、コンディションのアップは印象付けており、アジアの舞台で重要な役割を担っていく期待が高い。ボールを奪う能力やバランスワークはもともと特筆に値するが、本人も課題に挙げる攻撃面での貢献力を高めている。大岩監督が4-3-3を採用する場合はアンカーを担うと見られる。

■チェイス・アンリ(DF/シュツットガルト/ドイツ)

“日本のファン・ダイク”を目指す才能が“欧州組”としてU-21代表に帰ってくる。抜群の身体能力や恐れを知らないオーバーラップは必見。観る者を引きつける要素に溢れるタレントがドイツに渡った短い期間で、どれだけ成長しているかを確認できる機会となる。

 2001年生まれを中心としたチームで唯一の04年生まれであり、良くも悪くも粗削りなところは攻守に見受けられた。同じシュツットガルトで昨夏から在籍する日本代表DFの伊藤洋輝が「つえー奴しかいない」と語っていたドイツの地で、U-23ながらどういう経験をして代表に合流してくるのか。今回も西尾やDF鈴木海音(栃木SC)、DF馬場晴也(東京ヴェルディ)とセンターバックの強力なライバルたちと良い競争をしながら、国際舞台でディフェンスの中心になっていける資質を示してほしい。

クラブでスタメン起用の松木、大岩監督は伸びしろに期待

■三戸舜介(MF/アルビレックス新潟)

 前回の合宿は追加招集だったが、大岩監督は「舜介に関して言えば、前回のトレーニングキャンプでのパフォーマンス、そして今、新潟でのパフォーマンスをしっかりリサーチして、彼のプレーとメンタルのところ。自信を持って、しっかりとプレーしていると見ています。先日のキャンプでは、普段と違うポジションでプレーしてもらったなかで、非常に良いアクションを起こしてくれた。そういう意味では今回も非常に期待する選手の1人です」と評価を語る。

 アウトサイドを本職とする選手だが、大学選抜との試合では4-3-3のインサイドハーフで躍動した。23人で最大6試合を戦っていくうえで、スタートからでも途中からでも攻撃に勢いと違いを出せるアタッカーとしての資質が問われそうだ。

■松木玖生(MF/FC東京)

 この世代では何度も取り上げているので、そろそろ“殿堂入り”で対象外にしたいところだが、やはり主力としての活躍を期待してピックアップした。豊富な運動量や球際の強さなど、フィジカル面が注目され、前回の合宿でもFW中島大嘉(北海道コンサドーレ札幌)に“筋トレ指導”を行うなど「筋トレ塾長」の片鱗を見せている。

 しかし、アルベル・プッチ・オルトネダ監督が開幕からスタメンで起用する理由はそれだけではない。試合を重ねるごとにポジショニングや状況判断をアップデートしており、得意のミドルシュートはもちろん、ボックス内でラストパスに合わせるシーンなども出てきている。ドバイカップでは大岩監督が松木の才能を認めながらも「もっと伸びてほしい」と前向きに厳しいコメントをしていたが、それだけ伸びしろに期待しているからだろう。この大会で成長ぶりを認めさせたいところだ。

“湘南タイガー”の異名を持つ畑は、国際舞台で活躍が期待できる1人

■畑 大雅(DF/湘南ベルマーレ)

“湘南タイガー”の異名を取るパワーとスピード、そして尽きないスタミナを持ち合わせたサイドのハンターだ。彼も身体能力を前面に押し出すプレーが目に付いていたが、湘南でポジショニングや切り替え時の判断を磨き、相手のキーになるサイドバックやウイングバックの選手を確実に捕まえて、ボールを奪えばチャンスの起点になる。

 アウェーで衝撃的な4-0勝利を飾った川崎フロンターレ戦(5月25日)でも、左ウイングのFWマルシーニョ、さらにサイドバックのDF佐々木旭を封じ込めた。攻撃でも直接ボールに触らなくても、相手のマークを引きつけるなど効果的な動きが目を引く。強いて言えばクロスの精度やバリエーションに課題を残すが、国際舞台で活躍が期待できる1人だ。

■鈴木彩艶(GK/浦和レッズ)

 浦和ではGK西川周作という分厚い壁はいるが、AFCアジアチャンピオンズリーグ(ACL)の舞台で大きな存在感を見せた。本人が強みと主張する、誰よりも身体が伸びるセービングは国際基準で照らし合わせてもスペシャルであり、そこにポジショニングやキャッチングの技術なども付いて来ているように見える。さらに特筆するべきは後ろからのコーチングだ。

 もちろん、GK小久保玲央ブライアン(ベンフィカ)やGK佐々木雅士(柏レイソル)もハイレベルで、この代表でもポジションが確立されているわけではないが、東京五輪を経験した選手としてもパリ五輪に向けて、しっかりとチームを支える守護神になっていくことを期待したい。(河治良幸 / Yoshiyuki Kawaji)