悪夢に介入する不眠治療Apple Watchアプリ、米国FDAが認可。心拍や動きで検出
米国で医薬品や医療機器を監督する食品医薬品局FDAが、Apple Watch で悪夢を検出・防止するアプリ Nightware のマーケティングを認可しました。
Nightware はPTSD(心的外傷後ストレス障害)などが理由で悪夢に悩まされ健康な睡眠ができない患者に対する処方アプリ。
アップルウォッチの心拍計やモーションセンサを使い、着用者ごとの睡眠パターンを解析することで悪夢を見ているかどうかを判定します。検出した場合は起こさない程度の振動で刺激することで悪夢を途切れさせ、休息を助ける仕組みです。
2017年には Kickstarter で治験のための費用を募り、その後 FDA から医療機器やアプリの迅速な認可を助ける Breakthrough Devices Program に参加していました。
FDAの発表によると、Nightware は70人の患者を対象にした30日間の試験の結果、振動しないアプリ(いわゆるプラセボ、シャム)を与えられたグループと比較して、有意に睡眠の改善が見られたとのこと。
Nightware は睡眠障害に対する治療の一環として、専門家の指導の元でほかの処方薬等と併用することが前提のアプリで、現在は誰でも App Store で落として試せるわけではありません。目的は一時的な緩和で、いわゆる夢遊病や、悪夢から自他の傷害に至るような症状は対象外。今回FDAから認可が下ったことで、少なくとも米国では、不眠治療の一環として一般に処方できる日が近づきました。
FDA Permits Marketing of New Device Designed to Reduce Sleep Disturbance Related to Nightmares in Certain Adults | FDA
NightWare | We won't rest until those with PTSD do
なお、治療を目的とせず「夢への介入」をうたうアプリや装置は医療機器扱いではないため、実効性はともかく以前から出回っています。たとえば「夢を見ている最中に軽いシグナルを送って夢だと伝えることで明晰夢が見られます、思いどおりの夢を見る助けに」等。
電車で居眠りから醒めた隣の乗客が手首を見て「なんだまだ夢か」と呟いたあとゆっくりと周囲を見回したり、逮捕後に「明晰夢だと思っていた」と供述しないことを祈るばかりです。
