5G時代は「共創」の世界になる! KDDI「MUGENLABO DAY 2020」の戦略を読み解く
●KDDIが事業共創イベント「MUGENLABO DAY 2020」を開催
KDDIは3月にスタートアップと大企業の事業共創イベント「MUGENLABO DAY 2020」をオンラインで開催しました。
昨年までは一般の会場を使って行われてきた同イベントですが、新型コロナウイルスの影響もあり、今年はバーチャル空間を使ったVRイベントとなりました。
今回のイベントでは、
・5G for Startups:事業支援プログラム
・∞の翼(むげんのつばさ):事業共創プログラム
これら2つが発表され、3月26日より開始した第5世代通信サービス「5G」に関連して、
・5G × コミュニケーション
・5G × 商業施設
・5G × テレビ番組
・5G × スタジアム
こういったテーマが用意されました。
果たしてKDDIは、5Gをエンターテインメントビジネスや興行ビジネスの場でどのように活かしていくのでしょうか。
イベントにはVR空間の特設会場が用意され、VRゴーグルなどを使って会場内を自由に動ける中で行われた
KDDIが描く5Gの未来とは
●リアルアバターで現実とVR空間を繋げるミクシィ
「5G × コミュニケーション」では、ミクシィ インキュベーション事業部 部長の江本真一氏が登壇。
「ポスト・ソーシャルゲーム領域に挑戦していきたい」として、
バーチャル空間でユーザーのリアルアバターを使った、親しい友人とのコミュニケーションへのチャレンジを宣言しています。
江本真一氏
「(バーチャル空間上で)その人の存在を感じられることが重要だと思っており、そのためにリアルなアバターが必要」
(存在感を感じられるというのが)ゲームやアニメ調のキャラクターとは大きく違う点」
ミクシィはリアルアバターによるマーケットインを主眼に、バイラルマーケティングを提供しようとしていますが、リアルアバターはデータ容量が大きく、また1対1ではなく何千・何万という人数がコミュニケーションを取り合える空間を構築する必要があります。
そういった条件にこそ、5Gの特質である、
・高速大容量
・同時多接続
これらが十分に生かされてくるのではないかと、江本氏は述べています。
江本真一氏をはじめ、イベントでは登壇者全員がリアルアバターでプレゼンを行った
江本真一氏
「ゲームをやらない方だとなかなかデジタルの方に入ってこられないが、リアルアバターなら興味を持ってもらえる。
これに興味を持ってもらい、デジタルの方に入ってもらう」
このようにも語っており、これまでオンラインコミュニケーションやVRデバイスなどに抵抗を感じていた人々が、そういった世界へ興味を持つきっかけとなればと、同社アセットをPRしました。
そしてこのミクシィと手を組むスタートアップがVRCです。
VRCはリアルアバターの高速生成技術を開発した企業で、人の全身画像から、わずか20秒でリアルアバターを作成します。
リアルアバターを使えば、バーチャルコミュニケーションが容易になるだけでなく、オンラインショップで衣料品や化粧品を購入する際に試着などができるメリットもあります。
リアルアバターに限らず、アプリの利用などがストレスフリーであることはビジネス成功への大きな鍵となる
●リアルとデジタルの共創に期待する三井不動産
「5G × 商業施設」で登壇したのは三井不動産 商業施設本部 商業施設運用部長の小野伸太郎氏です。
リアルの店舗展開に強みを持つ同社は、
小野伸太郎氏
「ここ数年、非常に激しくデジタルの勢いを感じている。デジタルの中にリアルがどう入っていくのか、そういった発想が求められている。」
このように述べ、リアルとデジタルの境界がなくなる時代に、商業施設での新たな顧客体験価値を創出する手段としての5Gの活用を提案しています。
リアル店舗でどのようにしてデジタルデバイスを活用していくのか。その模索が5Gで加速する
具体的には、
・警備、清掃、整備保守点検などの運用コストの低減に繋がる事業共創案
・顧客ニーズと店舗・サービスとの新たな出会いに繋がる快適なショッピング体験の創出
・5Gの特徴を活かしたイベント、催事向けのエンターテインメント
こういった施策を、同社が展開する「ららぽーと」などの商業施設などで展開していく予定とのこと。
この事業共創案に参画するスタートアップとして登壇したのがSEQSENCE(シークセンス)です。
SEQSENCEは自律移動ロボットの開発や製造を行っており、現在主力となっているのが自律移動型警備ロボット「SQ-2」です。
この警備ロボットを、商業施設での警備に活用しようという試みで、5Gはその制御や監視、情報収集業務などの環境構築に活用しようというものです。
3社が持つそれぞれの強みをかけ合わせていく
●子どもの知育環境に事業共創を取り入れるテレビ東京
「5G × テレビ番組」として登壇したのは、テレビ東京 シナぷしゅ コンテンツ統括プロデューサーの飯田佳奈子氏です。
テレビ東京は、この春から民放初となる乳幼児向け番組「シナぷしゅ」のレギュラー放送を予定しており、
飯田佳奈子氏
「令和の、新しい番組づくりを目指している。
これだけコンテンツがあふれる時代に、赤ちゃん向け番組はEテレ一択だった。もちろんEテレは圧倒的な知見と長い経験のもとで素晴らしい番組作りをされている。
私達は『打倒Eテレ』ではなく、飽くまでも新しい選択肢として、個性豊かな赤ちゃんのニーズに応えられるような別の選択肢として存在したい。
フットワークを軽くし、どんどん中身をアップデートしていく、そんな番組でありたい。」
このように語り、幼児向け玩具のレンタルサービス「ToySub」(トイサブ)を運営するトラーナと、ユーザー配信サイト「note」を運営するピース・オブ・ケイクの3社が事業共創する流れとなりました。
幼児向け玩具は教育上非常に重要であるにもかかわらず、その必要期間が短いことから、レンタルサービスという発想が生まれた
具体的には、
・シナぷしゅの番組内で知育玩具の活用法などを紹介
・番組で紹介された玩具をToySubでレンタル
・玩具の遊び方や使ってみた感想などをnote上のファンコミュニティで共有
こういった流れを想定しています。
トラーナ代表の氏は、「まだ5Gはあまり関係のない状況ではありますが……」と前置きした上で、「これから我々が扱う玩具が5Gを扱うかも知れない」と述べ、事業共創の展望に大きな期待を寄せていました。
noteでは動画も配信できるため、大規模なコミュニティが構築された場合、5Gの大容量性も十分に活きてくるだろう
●スポーツ観戦の常識を変えていく清水グランパスエイト
本イベント最後のテーマとなった「5G × スタジアム」で登壇したのは、名古屋グランパスエイト 専務取締役事業統括の清水克洋氏です。
同社の事業共創の目的について、
清水克洋氏
「サッカーの試合をより深く楽しんでいただく。より大きな興奮を共有していただく。これをプロジェクトのゴールと考えている」
このように述べ、豊田スタジアムでの5G活用を提案しています。
サッカースタジアムでの5G活用は、非常に分かりやすくインパクトのある提案だ
名古屋グランパスエイトは2019年8月にKDDIと「戦略的イノベーションパートナーシップ」としての提携をしており、ARやVRをはじめとしたスマートデバイスを活用した、スタジアムでの新しい観戦体験の提供を掲げています。
本提案もまたその延長であり、
清水克洋氏
「今回の∞の翼プログラムの中では、KDDI様のみならず、新しいベンチャーの発想やアイデアをお借りして、新しいサービスを提供していくことを、私共としても非常に楽しみにしている」
このように語っています。
具体的には、
・試合のスタッツや観客の盛り上がり具合などをリアルタイムに可視化
・会場外のスペースも使い、場内と同様の熱量で観戦できる仕組み
・試合前や試合中に、客席からでもスマホで操作できる、双方向型のイベント演出
こういった提案がなされており、これらの実現に向けて事業共創する企業として、ARイベントなどを企画・運営する「ENDROLL」(エンドロール)と提携します。
エンドロールはxRグラスを活用して、スタジアムを舞台とした劇場型イベントを企画しており、5Gはその通信システムとして活用されます。
サッカースタジアムが、仮想現実と融合した新たな映像表現の舞台となる
●5G普及のカギは企業提携と事業共創にあり!
KDDIが5Gを、単なる「高速通信回線」というだけではなく、幅の広い事業提携を実現させる基点にしようとしている背景には、5Gの持つポテンシャルがエンドユーザー(コンシューマー)向けのサービスだけでは表現しきれない、という実態があるようです。
5Gには、
・高速通信性
・同時多接続性
・低遅延性
こういった特徴がありますが、それはエンドユーザーが手にしているスマートフォンを5G対応にしただけでは、大きな変化は生まれません。
例えば、
・映像の画質が少し良くなったかも
・ダウンロードが少し早くなったかも
・混雑する場所でも少し繋がりやすくなったかも
この程度の体感しかなく、「5Gだからこそできた」といったインパクトをあまり得られないというジレンマがあります。
しかしコンテンツやサービスを提供する企業にとっては、
・これまで表現できなかった大容量・多接続コンテンツが可能になる
・xRデバイスなどとの連携により、新たな通信の活用方法を提案できる
・IoTやロボット・AI技術との連携でスマートシティなどが実現できる
このように、4Gでは実現し得なかった大規模な事業提案ができる、画期的かつ魅力的な通信ソリューションとしての可能性が広がっているのです。
こうした5Gの持つ可能性から、
KDDIをはじめNTTドコモやソフトバンクといった5Gサービスを行う通信事業者は、いずれも大企業との連携やスタートアップとの事業提携を強く推進しているのです。
5Gが各種産業に与えるインパクトと新たなビジネスアイデアの創出は、まさに無限大だ
エンドユーザー向けには5G対応のスマートフォンを準備する。
その一方で、企業側からも5Gを最大限に活用したコンテンツも早急に整えていく。
このことこそが、5Gの早期普及のカギであることは間違いありません。
通信事業者であるKDDIがその旗振り役となり、実際に事業を行う大企業と技術を提供するスタートアップ企業の仲介や提携を行うという図式は、今後ますます加速していくことでしょう。
執筆 秋吉 健
KDDIは3月にスタートアップと大企業の事業共創イベント「MUGENLABO DAY 2020」をオンラインで開催しました。
昨年までは一般の会場を使って行われてきた同イベントですが、新型コロナウイルスの影響もあり、今年はバーチャル空間を使ったVRイベントとなりました。
今回のイベントでは、
・5G for Startups:事業支援プログラム
・∞の翼(むげんのつばさ):事業共創プログラム
これら2つが発表され、3月26日より開始した第5世代通信サービス「5G」に関連して、
・5G × コミュニケーション
・5G × 商業施設
・5G × テレビ番組
・5G × スタジアム
こういったテーマが用意されました。
果たしてKDDIは、5Gをエンターテインメントビジネスや興行ビジネスの場でどのように活かしていくのでしょうか。
イベントにはVR空間の特設会場が用意され、VRゴーグルなどを使って会場内を自由に動ける中で行われた
KDDIが描く5Gの未来とは
●リアルアバターで現実とVR空間を繋げるミクシィ
「5G × コミュニケーション」では、ミクシィ インキュベーション事業部 部長の江本真一氏が登壇。
「ポスト・ソーシャルゲーム領域に挑戦していきたい」として、
バーチャル空間でユーザーのリアルアバターを使った、親しい友人とのコミュニケーションへのチャレンジを宣言しています。
江本真一氏
「(バーチャル空間上で)その人の存在を感じられることが重要だと思っており、そのためにリアルなアバターが必要」
(存在感を感じられるというのが)ゲームやアニメ調のキャラクターとは大きく違う点」
ミクシィはリアルアバターによるマーケットインを主眼に、バイラルマーケティングを提供しようとしていますが、リアルアバターはデータ容量が大きく、また1対1ではなく何千・何万という人数がコミュニケーションを取り合える空間を構築する必要があります。
そういった条件にこそ、5Gの特質である、
・高速大容量
・同時多接続
これらが十分に生かされてくるのではないかと、江本氏は述べています。
江本真一氏をはじめ、イベントでは登壇者全員がリアルアバターでプレゼンを行った
江本真一氏
「ゲームをやらない方だとなかなかデジタルの方に入ってこられないが、リアルアバターなら興味を持ってもらえる。
これに興味を持ってもらい、デジタルの方に入ってもらう」
このようにも語っており、これまでオンラインコミュニケーションやVRデバイスなどに抵抗を感じていた人々が、そういった世界へ興味を持つきっかけとなればと、同社アセットをPRしました。
そしてこのミクシィと手を組むスタートアップがVRCです。
VRCはリアルアバターの高速生成技術を開発した企業で、人の全身画像から、わずか20秒でリアルアバターを作成します。
リアルアバターを使えば、バーチャルコミュニケーションが容易になるだけでなく、オンラインショップで衣料品や化粧品を購入する際に試着などができるメリットもあります。
リアルアバターに限らず、アプリの利用などがストレスフリーであることはビジネス成功への大きな鍵となる
●リアルとデジタルの共創に期待する三井不動産
「5G × 商業施設」で登壇したのは三井不動産 商業施設本部 商業施設運用部長の小野伸太郎氏です。
リアルの店舗展開に強みを持つ同社は、
小野伸太郎氏
「ここ数年、非常に激しくデジタルの勢いを感じている。デジタルの中にリアルがどう入っていくのか、そういった発想が求められている。」
このように述べ、リアルとデジタルの境界がなくなる時代に、商業施設での新たな顧客体験価値を創出する手段としての5Gの活用を提案しています。
リアル店舗でどのようにしてデジタルデバイスを活用していくのか。その模索が5Gで加速する
具体的には、
・警備、清掃、整備保守点検などの運用コストの低減に繋がる事業共創案
・顧客ニーズと店舗・サービスとの新たな出会いに繋がる快適なショッピング体験の創出
・5Gの特徴を活かしたイベント、催事向けのエンターテインメント
こういった施策を、同社が展開する「ららぽーと」などの商業施設などで展開していく予定とのこと。
この事業共創案に参画するスタートアップとして登壇したのがSEQSENCE(シークセンス)です。
SEQSENCEは自律移動ロボットの開発や製造を行っており、現在主力となっているのが自律移動型警備ロボット「SQ-2」です。
この警備ロボットを、商業施設での警備に活用しようという試みで、5Gはその制御や監視、情報収集業務などの環境構築に活用しようというものです。
3社が持つそれぞれの強みをかけ合わせていく
●子どもの知育環境に事業共創を取り入れるテレビ東京
「5G × テレビ番組」として登壇したのは、テレビ東京 シナぷしゅ コンテンツ統括プロデューサーの飯田佳奈子氏です。
テレビ東京は、この春から民放初となる乳幼児向け番組「シナぷしゅ」のレギュラー放送を予定しており、
飯田佳奈子氏
「令和の、新しい番組づくりを目指している。
これだけコンテンツがあふれる時代に、赤ちゃん向け番組はEテレ一択だった。もちろんEテレは圧倒的な知見と長い経験のもとで素晴らしい番組作りをされている。
私達は『打倒Eテレ』ではなく、飽くまでも新しい選択肢として、個性豊かな赤ちゃんのニーズに応えられるような別の選択肢として存在したい。
フットワークを軽くし、どんどん中身をアップデートしていく、そんな番組でありたい。」
このように語り、幼児向け玩具のレンタルサービス「ToySub」(トイサブ)を運営するトラーナと、ユーザー配信サイト「note」を運営するピース・オブ・ケイクの3社が事業共創する流れとなりました。
幼児向け玩具は教育上非常に重要であるにもかかわらず、その必要期間が短いことから、レンタルサービスという発想が生まれた
具体的には、
・シナぷしゅの番組内で知育玩具の活用法などを紹介
・番組で紹介された玩具をToySubでレンタル
・玩具の遊び方や使ってみた感想などをnote上のファンコミュニティで共有
こういった流れを想定しています。
トラーナ代表の氏は、「まだ5Gはあまり関係のない状況ではありますが……」と前置きした上で、「これから我々が扱う玩具が5Gを扱うかも知れない」と述べ、事業共創の展望に大きな期待を寄せていました。
noteでは動画も配信できるため、大規模なコミュニティが構築された場合、5Gの大容量性も十分に活きてくるだろう
●スポーツ観戦の常識を変えていく清水グランパスエイト
本イベント最後のテーマとなった「5G × スタジアム」で登壇したのは、名古屋グランパスエイト 専務取締役事業統括の清水克洋氏です。
同社の事業共創の目的について、
清水克洋氏
「サッカーの試合をより深く楽しんでいただく。より大きな興奮を共有していただく。これをプロジェクトのゴールと考えている」
このように述べ、豊田スタジアムでの5G活用を提案しています。
サッカースタジアムでの5G活用は、非常に分かりやすくインパクトのある提案だ
名古屋グランパスエイトは2019年8月にKDDIと「戦略的イノベーションパートナーシップ」としての提携をしており、ARやVRをはじめとしたスマートデバイスを活用した、スタジアムでの新しい観戦体験の提供を掲げています。
本提案もまたその延長であり、
清水克洋氏
「今回の∞の翼プログラムの中では、KDDI様のみならず、新しいベンチャーの発想やアイデアをお借りして、新しいサービスを提供していくことを、私共としても非常に楽しみにしている」
このように語っています。
具体的には、
・試合のスタッツや観客の盛り上がり具合などをリアルタイムに可視化
・会場外のスペースも使い、場内と同様の熱量で観戦できる仕組み
・試合前や試合中に、客席からでもスマホで操作できる、双方向型のイベント演出
こういった提案がなされており、これらの実現に向けて事業共創する企業として、ARイベントなどを企画・運営する「ENDROLL」(エンドロール)と提携します。
エンドロールはxRグラスを活用して、スタジアムを舞台とした劇場型イベントを企画しており、5Gはその通信システムとして活用されます。
サッカースタジアムが、仮想現実と融合した新たな映像表現の舞台となる
●5G普及のカギは企業提携と事業共創にあり!
KDDIが5Gを、単なる「高速通信回線」というだけではなく、幅の広い事業提携を実現させる基点にしようとしている背景には、5Gの持つポテンシャルがエンドユーザー(コンシューマー)向けのサービスだけでは表現しきれない、という実態があるようです。
5Gには、
・高速通信性
・同時多接続性
・低遅延性
こういった特徴がありますが、それはエンドユーザーが手にしているスマートフォンを5G対応にしただけでは、大きな変化は生まれません。
例えば、
・映像の画質が少し良くなったかも
・ダウンロードが少し早くなったかも
・混雑する場所でも少し繋がりやすくなったかも
この程度の体感しかなく、「5Gだからこそできた」といったインパクトをあまり得られないというジレンマがあります。
しかしコンテンツやサービスを提供する企業にとっては、
・これまで表現できなかった大容量・多接続コンテンツが可能になる
・xRデバイスなどとの連携により、新たな通信の活用方法を提案できる
・IoTやロボット・AI技術との連携でスマートシティなどが実現できる
このように、4Gでは実現し得なかった大規模な事業提案ができる、画期的かつ魅力的な通信ソリューションとしての可能性が広がっているのです。
こうした5Gの持つ可能性から、
KDDIをはじめNTTドコモやソフトバンクといった5Gサービスを行う通信事業者は、いずれも大企業との連携やスタートアップとの事業提携を強く推進しているのです。
5Gが各種産業に与えるインパクトと新たなビジネスアイデアの創出は、まさに無限大だ
エンドユーザー向けには5G対応のスマートフォンを準備する。
その一方で、企業側からも5Gを最大限に活用したコンテンツも早急に整えていく。
このことこそが、5Gの早期普及のカギであることは間違いありません。
通信事業者であるKDDIがその旗振り役となり、実際に事業を行う大企業と技術を提供するスタートアップ企業の仲介や提携を行うという図式は、今後ますます加速していくことでしょう。
執筆 秋吉 健