ディスプレイ付き「Google Nest Hub」が人の生活を変える! Googleアシスタントでなにが変わるのか

写真拡大 (全5枚)

グーグルは6月12日、スマートディスプレイ「Google Nest Hub」を発売した。
これまでグーグルはスマートスピーカー製品として「Google Home」と「Google Home Mini」を発売している。この2製品は、スマートフォンを操作せずに音声で様々な操作を可能とする「Googleアシスタント」を利用できるというガジェットだ。

そして、新製品のGoogle Nest Hubは、7インチのディスプレイを内蔵し、スマートスピーカーをさらに便利に使えるようにした製品である。

この製品は、これまでのスマートスピーカーと異なり、検索結果やニュースなどを文字や動画で表示してくれるので、Googleアシスタントとコミュニケーションが取れているという感覚を得られるようになった。

今回は、このGoogle Nest Hubを含むグーグルのスマートスピーカーのメリットについてわかりやすく解説したいと思う。


Google Homeをはじめとすると様々なスマートスピーカーは、できることが多岐にわたるのだが、実際には使う側がその機能の全てが理解されていないように思う。
そのため多くの人が、ニュースと天気予報などのような簡単な調べ物しかできず、あまり便利なデバイスではないという印象を持っているのではないだろうか。

まずは、Google Homeの仕組みを簡単に説明してみよう。

例えば「Ok、Google、週末の江ノ島の天気を教えて」と訊ねれば、当たり前だが週末の江ノ島の天気を知ることができる

Google Homeは、一見、本体が全てを行っているような印象を受けるが、実際にはマイクで拾った音声をインターネット経由でクラウドに送り、それを音声認識でどんなリクエストなのかを処理している。

そしてそのリクエストの結果をGoogle Homeに返して、音声として発音する。

この一連の流れは、Google検索を音声で行う「検索」動作である。

次にGoogle homeをコントロールするために覚える機能が、「Ok、Google、音楽を再生して」など、音楽やラジオなどを音声で操作するという「命令」だ。

このようにして、音声でやりたいことをGoogle Homeに伝えることが、スマートスピーカーの使い方の一つである。ところが、最初のうちはこうしたことが真新しくて面白いとい思うのだが、使い続けていくとやがて飽きてしまう。そこがスマートスピーカー単体で利用している場合の壁である。これは人間側がやること・やりたいことを増やせないからでもある。

さて、Google Homeの命令機能のもう1つの目的には、IoT(Internet of Things)家電との連携がある。
このIoT家電連携が、今後のGoogle Homeの一番の核となる部分なのだ。

コントロールできるのは、照明機器やエアコン、調理家電、などIoT連携を持つ機能製品だが、赤外線リモコンの機能をIoT化する機器を軸にすれば、様々な家電製品がGoogle Homeに接続可能なのである。

とはいえIoT機器を接続したとしても、「Ok、グーグル、ライトをつけて」と音声でコントロールするより、手元のリモコンや何かのついでにオン・オフすれば良いのではと思うだろう。

実際、現在の生活習慣に慣れているため、いまさらにGoogle Homeにまとめることが便利になるとは思えない、というのが一般の人の正直な印象だろう。

しかし、これが離れた場所でもできるとなると、状況は少々変わってくる。
さきほど、”江ノ島”や”週末の天気”など、Google Homeの音声認識について触れたが、この場所と目的を、もっと日常生活に紐付けることこそがIoT家電の連携メリットなのである。




例えば、リビングや寝室など、パーソナル場所とIoT家電を紐付けておくことで、リビングから「Ok、Google、寝室のライトをオンにして」と遠隔操作が可能となる。

IoT家電における場所と機器との紐付けの方法はもっと柔軟で、
例えば寝室の照明と合わせて階段の照明も紐付けしておけば、階段の照明もコントロールできるようになる。

つまり、自分の行動に合わせた仕組みをIoT家電で作り込むことで、より便利な生活ができるようになるのである。

この仕組み作りがプログラミングのような感覚でもあり、さらに業者や工事などの手間が不要で、対する機器を購入するだけで誰でも簡単に行えるハードルの低さが、潜在的に普及する可能性の大きさにもなっている。

どの家電製品をコントロールすると便利になるのか、仕組みと得られる便利さが理解できれば、自分の生活を簡単にカスタマイズできるわけで、
「自分の生活をリッチに便利にすることが楽しくなる」
そうしたマインドが生まれるのも容易に想像できる。

さらに音声コントロールには、もっと便利な使い方がある。
日常生活には、同じことをするシーンが一日に何度かある。
その法則に合わせて、様々なIoT機器を同時にコントロールする仕組みが「ルーティン」だ。

例えば、あなたは朝起きたとき、どうするだろうか?
・カーテンをあける
・薄暗かったら照明をつける
・テレビをつける
・スマートフォンでニュースをチェックする
このように毎日、同じ行動をしているだろう。

その行動をあらかじめスマートフォンのGoogle Homeアプリで、ルーティンとして登録しておけば、これらの行動から必要な部分をGoogle Nest HubとIoT家電で自動化できるのだ。


スマートフォンのGoogle Homeアプリでルーティンを作成しておく


そのルーティンの実行は簡単で、「Ok、Google、おはよう」と話しかけるだけだ。


“おはよう”と話しかけると、照明が付いて、リマインダーや最新ニュースが再生される。動画ニュースにも対応する


このルーティンをさらに便利にしてくれるのが、話している人を認識する「ボイスマッチ」機能である。
ボイスマッチはGoogleアカウントと紐付けて設定するものだが、Google HomeにはGoogleアカウントごとにルーティンが登録可能なので、同じ「おはよう」でも話す人ごとにことなる動作をさせることができる。

朝、家を出るときに「Ok、Google、行ってきます」と話しかければ、自分の部屋の照明をオフにして、エアコンをオフにしてくれる。こうしたルーティンを設定しておけば、家を出てから「エアコン消したっけ?」なんて心配することもなくなるというわけだ。

様々なIoT機器が世に出回っているが、それらをまとめて連携できるのがGoogle Nest Hubをはじめとするスマートスピーカーと、Google Homeの機能なのである。




Google Nest Hubは、ビジュアルで情報を受け取れる端末でもあるが、IoT機器の状態も画面上で確認ができるため、より細やかなコントロールができる。
リモコンなどがなくても、タッチ操作だけで、家族の誰でも操作が可能な点も大きなメリットである。

Google Nest Hubはないけど、Google Homeならあるという方、是非IoT機器を使った連携を試してみて欲しいと思う。Google Homeはこうやって使うのかと言うことを実感できるはずだ。


執筆  mi2_303