「漢字」、一文字一文字には、先人たちのどんな想いが込められているのか。時空を超えて、その成り立ちを探るTOKYO FMの「感じて、漢字の世界」 https://tfm-plus.gsj.mobi/news/index.html?ctg=%E6%84%9F%E3%81%98%E3%81%A6%E3%80%81%E6%BC%A2%E5%AD%97%E3%81%AE%E4%B8%96%E7%95%8C。今日の漢字は「褒める」。「ご褒美」の「褒(ホウ)」とも読む字です。



「褒める(ほめる・ホウ)」という字は、

「衣」という字を上下に分け、

その間に「保つ」という字を書きます。

「保つ」という字は、大人と子どもが寄り添う様子を描いています。

にんべんが大人を表し、

「口」の下に「木」と書く部分は赤子がおむつをしている様子。

そこから「保つ」という字は、

大人が子どもをおぶう、または抱いている姿を意味するといいます。

そレを「衣」という字で挟み込んだ「褒める」という字は、

懐に子どもを抱いてふくらむ様子を表していて、

そこから「ひろい、ゆるやか」という意味をもつようになりました。

赤子を抱きしめて初夏の森を歩く、いにしえの人。

腕の中のその子は、木漏れ日の光に目を細め、

せせらぎに耳を澄ませ、産毛をなでる風を感じて笑い声をあげています。

世界とつながり、受け入れられる喜び。

私たち人間は、自然の一部に過ぎないという事実。

すべてを理解しているこの子は、なんと賢く、健やかなのだろう。

「褒める」という文字から見えてくる、いにしえの子育ての形。

それは、存在をまるごと認め、

広くゆったりとした心で子どもを抱きしめている様子なのです。

今日の漢字は「褒める」「褒美」の「褒(ホウ)」。

おむつをつけた赤子をゆったりと懐に抱いた人の様子を表し、

そこから「ゆるやか、広い」、

さらに「よいことを賞賛する、ほめる」という意味をもつようになりました。

ではここで、もう一度「褒める」という字を感じてみてください。

教育学・コミュニケーション論を専門とする斎藤孝氏は、

文豪・夏目漱石を“ほめ上手”と称えています。

齋藤氏いわく、漱石は「手紙を通じて多くの人材を育てた教育者」。

例えば、教え子のひとり、中勘助の『銀の匙』を読み、

漱石はこんな中に手紙を送ります。

―普通の小説としては事件がないから俗物は褒めないかも知れません。

 私は大変好きです。

そんな風に飾らない想いを伝えたあと、さらに、こう続けます。

―自分と懸け離れているくせに

自分とぴたりと合ったような親しい嬉しい感じです。

率直に、そして具体的に褒め、相手を尊重し、まるごと認めること。

それは人を勇気づけると同時に、自分自身にも成長の機会を与えてくれるのです。

漢字は、三千年以上前の人々からのメッセージ。

その想いを受けとって、感じてみたら・・・

ほら、今日一日が違って見えるはず。

*参考文献『常用字解(第二版)』(白川静/平凡社)

     『ほめる力 「楽しく生きる人」はここが違う』(斎藤 孝/筑摩書房)

     『漱石書簡集』(三好行雄/岩波文庫) 

6月8日(土)の放送では「家」に込められた物語を紹介します。お楽しみに。



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聴取期限 2019年6月2日(日) AM 4:59 まで

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<番組概要>

番組名:感じて、漢字の世界

放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国38局ネット

放送日時 :TOKYO FMは毎週土曜8:20〜8:30(JFN各局の放送時間は番組Webサイトでご確認ください)

パーソナリティ:山根基世

番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/kanji/