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「オノマトペ」。「なにそれ?」と思った方でも「キラキラ」「ほくほく」「モフモフ」などの言葉は日常使っているはず。実際の言葉を真似た擬音語、物事の音声を感覚的に真似た擬声語や、擬態語を総称した言葉を「オノマトペ」という。日本には4500語以上あるといわれているフランス語が語源の「オノマトペ」は、簡単に一言で物事などの状態を表現できるため日本に無くてはならない言葉だ。その中でも関西人は特に「オノマトペ」が大好きだという。そこで、12月13日(木)の深夜に放送された「コトノハ図鑑」で、「関西人とオノマトペ」にまつわる“コトノハ”を徹底調査。「関西人の会話には必ずオノマトペが使われている?」「なぜ、関西人はオノマトペが好きなのか?」などをMBSの古川圭子アナウンサーと東京出身の三ツ廣政輝アナウンサーが取材した。

痛みをどう伝える?

 まずは、大阪の街行く人にたこ焼きの作り方を聞くと「キュキュキュキュっ〜と油を引いて」「プツプツとなったら」「チッと傾けて」など続々と「オノマトペ」が飛び出した。次に、「オノマトペ」が欠かせない場所...「歯科医院」を訪れた古川アナと三ツ廣アナ。歯科医によると「ズキズキ→虫歯などの神経の痛み」「じゅわ〜 →歯ぐきや歯の周囲の痛み」「ピリピリやキーン →知覚過敏の痛み」を表すので、痛みかたの表現でどこが患部なのかヒントになり、同じ歯痛でも「オノマトペ」である程度予測できるのだ。「関西の人はよくオノマトペで表現するんですか?」と三ツ廣アナが質問すると「ギューンとつねられたような痛みやと言って、演技と勢いでおもしろいオノマトペを使いますね」と歯科医。独特のオノマトペで"痛み"を伝えてくるという。

「儲かりまっか?」「ぼちぼちでんな」なぜ関西人はオノマトペをよく使う?

 そして、2人は関西弁の歴史に詳しい大阪大学の金水敏教授に「なぜ、関西人はオノマトペをよく使うのか?」話を聞きに行く。金水教授の調べでは、同じ内容の落語でも上方の「時うどん」では、「しゅ、ごろっ、しゃきっ」などオノマトペを8回も使うのに比べ、江戸の「時そば」は「すうっと、ぷうい」とたったの2回。関西弁に「オノマトペ」が多い理由は、落語ができた時代・江戸時代にさかのぼるという。「少ない統計ですが、関西には武士が2%しかいなかった。そして武士はそもそもあまり喋らない。でも商人の多い関西は江戸時代でも"儲けてなんぼ"。より儲けるためにオノマトペを駆使したのではないか」と金水教授は推測する。さらに、オノマトペを使うことで会話に独自のリズムがうまれる。よく耳にする「儲かりまっか?」「ぼちぼちでんな」などがそうだ。
そこで古川アナと三ツ廣アナは、商店街で「現代の商売人もオノマトペを使っているのか?」をリサーチすることに。大阪出身の古川アナが店主らにインタビューすると「ぼちぼち商売してますわ」とすぐに、リアルな商売人の「ぼちぼち」が、ギャグのようだが実際に使われていた。

「やいやい」言うてますねん

 関西人は「やいやい」というオノマトペをよく使う。「やいやい」について東京出身の三ツ廣アナは「チクチク言われる感じですかね?」と聞いたが、意味は「みんなでちょっといろいろ言ってること」。この日、VTRを見ていた松井愛アナは「それに、少し愛情も含まれています。愛情の無いところには『やいやい』言わへん」と補足していた。

「しゃぶしゃぶ」誕生秘話

 最後に「大阪人が作ったオノマトペの料理名」について調査するため古川アナと三ツ廣アナは、大阪北新地の「永楽町スエヒロ本店」を訪れた。その料理名とは「しゃぶしゃぶ」。1952年(昭和27年)に牛肉の水炊きを「しゃぶしゃぶ」と名付けたというのだ。それまでは「牛肉の水炊き」と呼んでいたが、この店の二代目 三宅忠一氏が命名。しかしそれはお鍋に牛肉をくぐらせている様子ではなく、仲居らがおしぼりを洗う音が「じゃぶじゃぶ」と心地よく、そこからより洗練させて「しゃぶしゃぶ」が誕生した。しかもオノマトペならではの聞き馴染みの良さから瞬く間に全国へと広がり、近年は海外でも「SHABU SHABU」で通じるという。
 今回、東京出身・入社1年目の三ツ廣アナは、コーナー冒頭に「先輩方から『ひとり喋りが本当に面白くない』と言われてまして...。どうしたら上手くなるのか勉強しましたら、関西の芸人さんはオノマトペがいっぱい詰め込まれていました。なので、今日はオノマトペを習得します!」と張り切っていたが「ぼちぼち」でいいので、いつかその成果を見てみたい。

「コトノハ図鑑」(MBS 毎週木 よる0時59分放送)は、MBSのアナウンサーが「コトノハ図鑑」の編集者として様々な分野の"言葉(コトノハ)"の世界を取材。「アナウンサーが言葉を学ぶこと」を通して、視聴者にも発見を届ける。"コトノハ"を深く知れば、『人生が少し豊かになる』をコンセプトに知的好奇心をくすぐる番組。