シンセサイザーなど電子楽器・機材のメーカーとして知られるRolandから、ケロケロボイスからボコーダーまでさまざまなボイスチェンジを可能とするボイス・トランスフォーマー「VT-4」が2018年10月19日に登場しました。誰でも手軽にボイスエフェクトをかけられる機材とあって、特にバーチャルYouTuber界隈からも注目を集めているとのこと。いったいどのように声を変えていくのか気になったので、実際に触ってみました。

Roland - VT-4 | Voice Transformer

https://www.roland.com/jp/products/vt-4/

◆外観・内容物

VT-4の外箱はこんな感じ。



箱を開けると、内ぶたにRolandの電子楽器ブランド「AIRA」のロゴがあしらわれていました。



中に入っていたのはVT-4本体の他に、説明書、製品保証書、注意書き、ユーザー登録カード、チラシ。



VT-4本体はこんな感じ。



本体の大きさは174mm×133mm。以下の画像は長辺143.6mmのiPhone Xと並べたところ。



厚さは58mmとのこと。前面には、3.5mmのステレオヘッドホンに対応したPHONES端子、プラグイン・パワーに対応した3.5mmのマイク用のMIC IN端子、出力音声のステレオ・モノラルを切り替えるLINE OUTスイッチ、ファンタム電源のオン・オフを切り替えるPHANTOMスイッチが配置されています。



背面にはRolandとVT-4のロゴ、さらに電源スイッチ、USB端子、MIDI IN端子、XLRジャックのコンデンサーマイクに対応したMIC IN端子、ステレオのLINE OUT端子がありました。



重量を測ってみたところ、単3電池4本を内蔵した状態で549グラムでした。それほど大きすぎず、重たすぎるというわけでもないので、簡単に持ち運ぶこともできます。



パネルの右上には音量調節のVOLUMEつまみと、マイクの入力感度を調節するMIC SENSつまみ、そして入力レベルが大きすぎると点灯するPEAKインジケーターがあります。



左上には、ピッチ(音程)を簡単に調節できるKEYつまみ。



中央にあるのが、ボコーダー機能を使えるVOCODERボタン、声にハーモニーを加えるHARMONYボタン。そして、ピッチ補正のレベルを調節するAUTO PITCHつまみが配置されています。AUTOPITCHは、自動で正しい音程に合わせてくれるというオートチューンと同じような働きをするものです。



VT-4が搭載しているスライダーは4つ。左にある2つのスライダーが、声のピッチを上下1オクターブの範囲で変化できるPITCHスライダーと、声のフォルマントを調整できるFORMANTスライダーです。



右側には、普通の声とエフェクトをかけた声のバランスを調整するBALANCEスライダーと、声のリバーブ(残響)を調整するREVERBスライダー。



VT-4の裏面はこんな感じ。中央に電池ボックスがあり、4隅にはスポンジ製の足が貼られています。



使用する電池は単3電池が4本。また、電池を入れなくても、USBバス電源で動作可能となっています。



さっそくVT-4を使ってみます。まずはマイクを接続し……



スピーカーやヘッドホンなどをPHONES端子に接続。



背面の電源スイッチを入れればOK。



ややこしい配線は必要なく、VT-4・マイク・スピーカーがあれば、その場でボイスエフェクトを楽しむことができます。



なお、VT-4はオーディオインターフェースとしても機能するので、エフェクトをかけた音声を、USB接続を介してPCに出力して録音することが可能です。



◆実際に使ってみる

まずは適当にマイクに話しかけながらいじってみました。以下のムービーのように、PITCHスライダーやFORMANTスライダーを調整しながら、自分好みの声色を探っていく感じ。

Roland VT-4のボイスチェンジャー機能を試してみた。 - YouTube

マニュアル調整以外にも、中央に並んだ4つのMEMORYボタンを押すことで、最初から登録してある設定のエフェクトを使うこともできます。また、自分でチューニングした設定をMEMORYボタンに8つまで登録することも可能。



ボイスエフェクトをボタン1つで瞬時に切り替えられるので、リアルタイムのライブでも活用できるようになっています。実際にボタンを切り替えてボイスエフェクトをかけている様子が以下のムービーです。

Roland VT-4のMEMORYボタンでエフェクトを切り替える - YouTube

また、ROBOTボタンを押すと、ピッチに抑揚がないロボットボイスに変換することができます。



以下のムービーは、実際にロボットボイスのエフェクトをかけているところ。

Roland VT-4でロボットボイスのエフェクトをかけてみた - YouTube

◆男性編集部員の声を女の子っぽい声に変換できるのか?

VT-4をいろいろといじっているうちに、「より自然な美少女ボイスを出すためには、やはり元の声質も大きく影響するのでは」ということに気付き、近くにいた男性編集部員にも手伝ってもらい、その場で「最も女の子っぽい声に変換できる声質を探せ」というオーディションを開催。



普段から声が高めの男性編集部員でも、エフェクトをかけてもあまり女声っぽくならない人もいれば、「確かに女の子の声になっている」と周りがうなずく人も。ピッチを上げれば誰でも美少女ボイスになるという訳ではなく、声質や発声が重要となります。VT-4だけではなく、発声する人間もチューニングをする必要があるようです。厳正なるオーディションの結果選ばれた編集部員の歌声にエフェクトをかけたものは、以下のムービーで聴くことができます。

Roland VT-4で男性編集部員の声を女の子っぽく変換してみた - YouTube

◆MIDIキーボードをつないでボコーダー機能をつかってみた

VT-4にはMIDI IN端子があるので、MIDIキーボードなどのMIDI入力機器からノート情報を流すことで、ボコーダーとして使用することも可能です。



背面のMIDI IN端子に、MIDIキーボードを接続すればOK。



MIDIキーボードを接続した状態で中央左のVOCODERボタンを押すと、VT-4がボコーダーとして機能します。



ボコーダーがどんな感じかは以下のムービーを見ればよくわかります。

Roland VT-4にMIDIキーボードをつないでボコーダーにしてみた - YouTube

◆まとめ

実際にVT-4を使ってみると、ピッチやフォルマントをスライダーでいじって、直感的に自分のものではない声を作り出せるのはかなりアリでした。音楽機材はどれもつまみやスイッチ、ボタンが多く、初心者には「どれが何の役割をしているのかさっぱり分からない」というのがよくあるケースなのですが、VT-4は非常にシンプルで分かりやすいので、楽器に慣れていない初心者でも安心して使うことができます。

また、VT-4自体がオーディオインターフェースになるので、VTuberの配信だけではなく、ゲームや作業中のボイスチャットにも活用できます。USBバス電源だけではなく電池でも動作し、単体で持ち運びが可能なので、屋外でのライブや即興のトラックメイキングでも活躍が期待できます。

Roland VT-4はの価格はオープンプライス、市場予測価格は税込2万5920円となっています。記事作成時点ではAmazon.co.jpではマーケットプレイスでのみでの扱いで、8万円で販売されていました。