「漢字」、一文字一文字には、先人たちのどんな想いが込められているのか。時空を超えて、その成り立ちを探るTOKYO FMの「感じて、漢字の世界」。今回の漢字は「何(なに)」。「如何(いかが)」「何処(いずこ)」といった熟語にも使われる漢字です。



「何」という字はにんべんに「可能」「認可」の「可(カ)」と書きます。

「可」という漢字の古い字体は、人が後ろを振り向き、口を開いて「なに、いずこ」と疑問を投げかける様子を描いた象形文字。

そこから「何」という字は、「なに、なんぞ、なぜ、いずこ」といった意味で使われるようになりました。

「誰」と「何」という漢字を使った「誰何(すいか)」という言葉の意味は、「だれだ?と名前を問いただすこと」。

また、女へんに口と書く「如(ジョ・ごとし)」という字と組み合わせた「如何」とは、「事がらの状態や内容を問い、疑うこと」を意味します。

いずれにせよ「何」という漢字は、疑問に思うことを知ろうとする様子を表している漢字なのです。

興味深い対象を見つけると、わき目もふらず近づいていく幼い子ども。

これは何? 何故だろう?

子どもは後ろをふりかえり、小さな胸にわきあがった疑問を大人に問いかけます。

ときには知らないことを問われたり、哲学的な難問を投げかけられたり。

そんなときは、彼らの気持ちを、ただ受け止めてあげればいい。

同じ道を歩き、同じものを見つめ、芽生えた不思議を一緒に味わってくれる大人がそばに居る。

そんな体験の積み重ねが人間に対する信頼感をもたらし、自ら答えを探すために、ひとりで歩きだす力を授けるのです。

ではここで、もう一度「何」という字を感じてみてください。

やがて子どもが思春期にさしかかったとき、自分とはいったい何者なのか、悩みを抱く日もあるでしょう。

大人でさえ、「何者でもない自分」に苦しむことがあります。

そんなときこそ、自分自身をふりかえってみる。

食べることも寝ることも忘れ、手間を惜しまず心をこめて、あなたがうちこめることは、何?

答えは、あなた自身が無我夢中で過ごしてきた日々の中にあるのです。

漢字は、三千年以上前の人々からのメッセージ。

その想いを受けとって、感じてみたら……、

ほら、今日一日が違って見えるはず。

*参考文献

『常用字解 第二版』(白川静/著 平凡社)

『センス・オブ・ワンダー』(レイチェル・カーソン/著 上遠恵子/訳 新潮社)

10月21日(土)の放送では「楓」に込められた物語を紹介します。お楽しみに。



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聴取期限 2017年10月22日(日) AM 4:59 まで

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<番組概要>

番組名:「感じて、漢字の世界」

放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国38局ネット

放送日時 :TOKYO FMは毎週土曜7:20〜7:30(JFN各局の放送時間は番組Webサイトでご確認ください)

パーソナリティ:山根基世

番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/kanji/