AMF社長 椎木里佳氏

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女子中高生の目線で、大手企業へのコンサルティングを手掛けるAMF。社長は18歳の現役女子高生だ。起業家の父を持つ彼女が描く未来予想図とは。

■“田原総一朗”をカワイイと思えるか

【田原】いまは何に注力しているの?

【椎木】「東京ガールズコレクション」の顧問をやってます。年に2回ランウェイをやって、1回で50億円くらいお金が動きます。それを通年で利益が出る仕組みにできないか企画中です。

【田原】ちょっと待って。ランウェイって何?

【椎木】ファッションショーでモデルさんがステージを歩いて服を見せたりしますよね。あれをランウェイっていいます。東京ガールズコレクションの場合はモデルさんだけじゃなくて、芸能人やタレントさんも歩きます。1回で、だいたい3万人のお客さんが見にきてくれます。

【田原】へえ。歩いてるところを見るのがそんなに楽しいのかな。

【椎木】歌手ならライブがありますけど、モデルさんやタレントさんは間近で見られる機会がないじゃないですか。しかも、最新のファッションが見られて、企業の協賛ブースでお菓子をもらえたりする。若いコの中では、東京ガールズコレクションに行くことがかっこいいという感覚になっています。

【田原】東京ガールズコレクションに参加することが1つの憧れになっているんですね。これも、向こうから話があったの?

【椎木】いや、これは親のコネです(笑)。父の会社が東京ガールズコレクションの商標権を取得したので、私も仲間に入れてもらいました。最初はぜんぜん相手にされなかったんですけど、「ターゲットが10代20代のコなのに、おじさんたちだけで頭をひねっても無理!」と超ぐいぐいいったら、話を聞いてもらえるようになりました。

【田原】なるほど。もう少し具体的に聞きたい。椎木さんとお父さんの目線って、どこが違うんだろう?

【椎木】うーん、なんだろうなあ。たとえば田原さんのことをカワイイと思うかどうかじゃないですか。父は田原さんに憧れや尊敬の気持ちはあっても、カワイイとは感じないと思うんです。でも、失礼を承知で言うと、私は「カワイイおじいちゃんだなあ」って思う。その差は理屈じゃ埋まらないんじゃないかと。

【田原】僕がカワイイかどうかは置いておいて(笑)、お父さんに仕事について相談することもあんまりない?

【椎木】ちょっとは相談します。ただ、聞きすぎるとオトナの意見になっちゃうんで、半分聞いて半分聞き流す感じですね。

【田原】今年、有名な家具店で経営者親子が喧嘩して話題になりました。椎木さんは同じ会社を経営しているわけじゃないけど、お父さんと仕事で揉めることはないの?

【椎木】あります。じつは今朝もバトルしてきました。父が「田原さんはすごい人。あれは話してもいいけど、あれは言うなよ」とあれこれ指図してくるから、「私はありのままに話したいの!」って言い争いになって。田原さん、どう思います?

【田原】それは椎木さんが正解だ。本音のほうがおもしろいからね。さて、会社をつくって3年目。社員はいまも椎木さん1人?

【椎木】はい。手伝ってくれる人はいますが、社員は私だけです。事務所は東京ガールズコレクションのオフィスを使っています。

【田原】仕事と学校の兼ね合いはどうしていますか。

【椎木】学校は月曜から土曜日までちゃんと行ってます。学校が終わるのが3時なので、そこから打ち合わせとか取材、会食があって、家に帰るのが11〜12時ごろ。それから宿題をやって2時に寝て、朝6時半に起きるという生活です。

【田原】睡眠時間、短いですね。それでよく体が持ちますね。

【椎木】まだ10代でピチピチですから。ぜんぜん元気です。

【田原】そこで聞きたい。椎木さんはどうして学校行くんですか。睡眠時間削るくらいなら、学校を辞めて事業に集中したほうが結果を出しやすいと思うけど。

【椎木】学校は楽しいから、やめようと思ったことはないですね。仕事で女子高生のブランドが必要ということもあるけど、それ抜きにしても、やっぱり学校生活はおもしろい。学校にいる間は仕事を考える余裕もないくらい、普通に女子高生してます。

【田原】いま高校3年だから、来春には卒業です。いまのビジネスは女子高生だからやれているわけだけど、卒業したらどうします?

【椎木】私自身はJCJK調査隊から離れて、年齢が下のメンバーに託すことになると思います。そのかわり、私は女子大生のマーケティングをやります。あと男子のほうにも手を広げたい。それらをやるには自分も大学生でいるほうが何かと都合がいいので、大学にも進学するつもりです。

【田原】いま売り上げはどれくらい?

【椎木】今期は1000万円くらいです。17歳(※取材当時)としてはすごい金額だけど、まだまだこれからです。

【田原】将来はどれくらいにしたい?

【椎木】目指せ1兆円ですね。言うだけならタダなんで(笑)。

【田原】お父さんの会社は上場していますが、上場はしたいですか。

■最年少上場でレジェンドになる

【椎木】はい、最年少上場を狙っています。いま最年少の記録が25歳です。私は17歳だから、あと8年ある(※取材当時)。頑張れば何とかなるんじゃないかって。本音はもっと早いほうがいい。順調にいけば、私が大学4年のときに東京オリンピックがあります。そのタイミングで上場できたらかっこいいですね。

【田原】夢が膨らみますね。

【椎木】何を隠そう、私の最終目標はレジェンドになること。最年少上場は、伝説の第一歩です。

【田原】ただ、いまの女子高生マーケティングだけだと上場は難しいですよね。ほかに何か考えていますか?

【椎木】会社を成長させるには、たしかに他社のマーケティングを手伝うだけじゃなくて、やっぱり自分たちでアプリやメディアをつくることも視野に入れる必要があると思ってます。たとえばですけど、写真を撮って友達に送れるスナップチャットというアプリがいま流行ってますよね。スナップチャットは使いやすくて楽しいけど、プリクラみたいにフレームがないから、いまいちカワイクない。そのフレームをつくれたらおもしろいことになるはず。アイデアはいろいろ考えています。

【田原】そうですか。これから先に期待ですね。今日はありがとうございました。

■田原氏への質問:やりたいことがいっぱいあって困る。1つに絞るべき?

【田原】この年齢になると、好きなことをやり尽くしただろうと言われますが、そんなことはない。好奇心だけは人一倍あるので、やりたいことが次から次に出てきます。いま1番やりたいのは映画製作。じつは僕は1970年代に1本撮ったことがあります。桃井かおりのデビュー作です。ただ、1度経験したからもういいとは思わない。こんどは天皇をテーマに、いまだからつくれるものをつくってみたいと考えています。

映画製作は一例で、やりたいことは日々出てきます。体は1つしかないので、すべてやるのは非現実的かもしれません。しかし、少なくとも気持ちを絞り込む必要はない。チャンスがあればいつでもやってやるという気持ちを大事にすべきだと思います。

遺言:絞らずに、やりたいだけやれ!

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田原総一朗
1934年、滋賀県生まれ。早稲田大学文学部卒業後、岩波映画製作所入社。東京12チャンネル(現テレビ東京)を経て、77年よりフリーのジャーナリストに。若手起業家との対談を収録した『起業のリアル』(小社刊)ほか、『日本の戦争』など著書多数。

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(村上 敬=構成 宇佐美雅浩=撮影)