「あーでもない、こーでもない」と次々に空いてゆくグラスの数々……。これは断じて宴会ではなく、市販で人気の"ザ・プレミアム・モルツ"、"一番搾り"、"スーパードライ ドライブラック"のビール3銘柄とつまみの最強マリアージュをめぐる、あくまで座談会。

今回お集まりいただいたのはワイン、レストラン業界を代表する諍々たる顔ぶれ。そこに家庭的な目線も入れるべく、自称料理上手な編集者が参戦。各自が持ち寄ったマリアージュは11品。満腹覚悟のテイスティングの幕が落とされた。 果たしてどのおつまみが最高に相性抜群なのか? 3時間におよぶ厳正なテイスティングの結果、チョイスされたベストおつまみは記事の最後に発表!



"ザ・プレミアム・モルツ"、"一番搾り"、"スーパードライ ドライブラック"の人気ビール3銘柄に合う最強のおつまみとは?!

左から、春藤祐志さん、藤崎聡子さん、柳 忠之さん、いとうゆうじさん
"ザ・プレミアム・モルツ"に合うおつまみとは?

いとうゆうじ(以下、いとう)まずはザ・プレミアム・モルツからどうぞ。

春藤祐志(以下、春藤)これやっぱり、国産ビールのなかで一番好き。

柳忠之(以下、柳)機内サービスでこれがあると、まず確実に頼みます。

春藤 味がマイルドになった感じはありますよね。苦味と旨味のバランスが強調されて西洋のビールみたい。

藤崎聡子(以下、藤崎)で、柳さんは“プレモル”と何をあわせました?

柳 野菜チップスです。豊かなアロマホップの香りを邪魔しないので。

春藤 ぼくは真逆の発想。“プレモル”が複雑だから、そこに乗ってくるような料理にしようと思って、唐揚げと海老フライにしました。

いとう そこにマヨネーズというのがタブーの味っぽくていい(笑)。

柳 春藤さん大阪出身ですよね?マヨネーズを使う人が多いんですか?

春藤 そういうわけでもないですよ。

藤崎 これは女性には危険だわ。



柳さんおすすめ 野菜チップス 「チップスの香りがニュートラルで“プレモル”ならではのアロマホップの豊かな香りを楽しみながらつまめます」。また手に入りやすい気軽さとヘルシーさも魅力といえる

春藤さんおすすめ 鳥の唐揚げとエビフライをマヨネーズで  禁断の味と呼ばれたエビフライとマヨネーズ。「これはモルツの旨味に料理の味を上乗せするという考え方です」。唐揚げもテッパン

春藤 藤崎さんのおすすめは?

藤崎 私はおかき。『銀座まめはな』の焼きとうもろこし味にしました。

いとう 香ばしくてミルキーですね。

藤崎 で、塩気と甘味と香りもあって、モルツのコクとか旨味を邪魔しないかなと思って。

いとう 僕は『パーク ハイアット 東京』のクラッカーにパルミジャーノ・レッジャーノ。チーズなしでも、オリーブオイルと氏―ソルトの風味があるから、これだけで十分うまい。

柳 これ、ワインテイスティングのときの舌休めにいいな。今度使わせてもらおう。



藤崎さんおすすめ 『銀座まめはな』の豆乳あられ焼とうもろこし。こがし醤油の香りの後に甘い焼とうもろこしの風味と豆乳の優しさが漂う味。柳さんも絶賛

いとうさんおすすめ 『パーク ハイアット 東京』のオリーブオイル&シーソルトクラッカー パルミジャーノのせ。オリーブの香りが濃厚で、チーズを添えなくても美味

一番搾りと合うおつまみは?



"一番搾り"に合うおつまみとは?

柳 一番搾りってオールマイティですよね。だから悩みました。

春藤 そう。万能すぎるんだよね。

いとう で、柳さんのおすすめが氷下魚の生干し、ですね。

柳 いろいろ考えてみたんですが、これとあわせてみたかった。

藤崎 おいしい。目の前で炙りたい。

柳 やっぱり一番搾りは何でも合う。

藤崎 あ、結論出ちゃった。

春藤 でも魚の風味とうまくマリアージュするのが一番搾りの良さだね。

藤崎 私は砂肝ときくらげを押してるんですが、酢と醤油とラー油をちょっぴりで和えています。



柳さんおすすめ 氷下魚の生干し 万能なおいしさに苦心しつつ「実家の生魚店のHPから見つけた」という氷下魚の生干し。焼いている香りだけでも生唾ものの味は特に冬場、ストーブで炙ると絶品だ

藤崎さんおすすめ 砂肝と木耳の和えもの(ごま油、酢、醬油のブレンド)「要は私が食べたかった食材を混ぜてみました。だって何でも合うんですもの」というオールマイティーな一品。食感も魅力

春藤 私は小籠包を合わせているんですが、以前台湾で小籠包を食べていて、地元のぬるいビールではなく「日本のビールが飲みたい」って力いっぱい思いましたね。そのとき一番搾りが頭に浮かんでいたので、今回はこのセレクト。

いとう とうもろこしと生グリーンピースのかき揚げです。塩でどうぞ。

春藤 ビールとあわせるならやっぱり塩気がほしいよね。うん、とうもろこしの甘味がいいじゃないですか。塩と油の相乗効果が発揮されるとどんどんヤバくなりますよね。

藤崎 そのふたつというと……鳥のからあげか、やっぱり。

いとう 揚げ物はマストですかね?

柳 マストではないけれど、逆に油ものがあるとビールが欲しくなりますよね。

一同 ですよね〜。



春藤さんおすすめ 小龍包 「これが今回もっとも悩んだ組み合わせ。だって一番搾りは何でも合いますから」。台湾での悔しい思い出をリベンジするかのようなマリアージュは、想像通りの上首尾

いとうさんのおすすめ とうもろこしと生グリーンピースのかき揚げ 一番搾りなら、新鮮な素材のほうが相性が良いと考え、今回はトウモロコシを剥く作業からスタート。「揚げたては最高!」とのこと

スーパードライ ドライブラックと合うおつまみは?



"スーパードライ ドライブラック"に合うおつまみは?

春藤 次はスーパードライ ドライブラック? じゃあ、僕はタレ味のつくねです。そこに卵黄をつけて食べるという……。

柳 これは大阪の食べ方ですか?

春藤 大阪は関係ないですってば。

柳 卵黄につけるんですね?

春藤 ほら最高。卵黄とタレを絡めてバゲットにつければ二度おいしいんだから。

柳 卵とタレの甘味が、ビールの渋味、苦味を中和してくれてますね。



春藤さんおすすめ 焼き鳥つくね(タレ)卵黄添え 「個人的にはタレと卵黄を混ぜて、最後はバゲットに浸して食べるのが好き」。濃厚な卵黄によって黒ビールの苦味がまろやかに

いとう 柳さんはカキですよね。

柳 アイルランドという言わば黒ビールの聖地で食べた、カキのキルパトリックという料理。本場はベーコンとウスターソースだけで味付けするらしいんだけど。

いとう ウスターソースと黒ビールって相性良さそうですよね。

春藤 うーん、あうあう。うまい。

柳 黒ビールの燻した香りとベーコンの薫製香を合わせたつもりなんだ。 藤崎さんはナポリタン?

藤崎 私の好きな新橋のガード下のお店の味に近づけようと作ったんだけど、なんか違っちゃいました。

春藤 これは少々甘いかも。黒ビールに合わせて作ったナポリタンみたいな味。おいしいけどね。

柳 ワインが合うと思ったけど、食べると黒ビールのほうがいいね。



柳さんのおすすめ 畔蛸の岩牡蛎のキルパトリック 「15年ほど前、取材先のアイルランドで黒ビールと抜群にマッチしたのがこの料理」。ウスターソースとベーコンの薫香がポイント

藤崎さんのおすすめ ナポリタン 「黒ビールに合わせて作ったような出来。タバスコを入れても引き締まるかも」とは春藤さんの意見。レモンを入れるなど工夫を凝らした仕上がりはやや甘めの味わい

さて結論、ビールとつまみの最強マリアージュとは一体?


これがビールとつまみの最強マリアージュだ!

3時間におよぶ厳正なテイスティングの結果、最強マリアージュと認定されたのがこの2品!



"ザ・プレミアム・モルツ"×『銀座まめはな』の豆乳あられ焼とうもろこし

“プレモル”の華やかな香りと深いコク、旨みには、優しい味わいの豆乳あられ焼とうもろこしがベストマッチ。

豆乳のクリーミーな甘みを引き出した、奥深いマリアージュに一同感嘆。



"スーパードライ ドライブラック"×焼き鳥つくね(タレ)卵黄添え

スーパードライ ドライブラックの黒麦芽由来のコクにタレの甘味が、ほろ苦さと卵黄のなめらかさがマッチした結果に。


■プロフィール
春藤祐志 白金高輪のフランス料理『オレキス』オーナーソムリエ。元『ザ・ジョージアンクラブ』マネージャー兼ソムリエを経て2007年に同店をオープン。2011年シャンパンバーも開業


■プロフィール
いとうゆうじ 調理師免許と元バーテンダーの経歴を持つフリーランスのエディター兼ライター。料理ひと口につき、必要な泡はグラス1杯。蕎麦やパスタなど最近何かと「打つ」のに夢中


■プロフィール
柳 忠之 ワインジャーナリスト。ソフトな人柄ながらも、批評に関しては土壌、歴史的背景を含めた論理的な観点からの鋭い切れ味に定評あり。本企画のMVP的なマリアージュを考案


■プロフィール
藤崎聡子 ワインスタイリスト。シャンパン、餃子、からあげをこよなく愛し、年間約800本ものワインを消費。ワインコーディネートなど多方面で活躍