インテルは最後の希望の灯も失ってしまった。4月17日のコッパ・イタリア準決勝でローマに敗れ、「失敗のシーズン」という烙印を完全に押されたのである。

 インテルの行く手を大きく阻んだのは故障者の多さだ。特にFWはミリート、パラシオ、カッサーノというレギュラー組が次々に離脱し、点を取る役割を何とか託せるのは、1月の市場で“控え”として獲得したロッキだけ。セリエAではCBのラノッキアやサムエルをCFとして使わざるをえない状況にまで追い込まれている。

“動ける選手”を総動員して挑んだコッパ・イタリア準決勝でも、ウォーミングアップ中にカンビアッソが故障してギブアップ。昨年8月からここまで、“ケガによる欠場”で試合を休んでいないのはフアン・ジェジュスと最年長のサネッティだけなのだ(サネッティの“強じん伝説”はここでも証明されている)。

 インテルと対照的なのがナポリ。このチームは毎年、故障欠場者が少ない。今季も離脱者はひと桁で、しかも故障再発者はゼロ。ミリートや長友佑都のように、復帰直後に同じ個所を重症化させるケースは皆無で、フィジカル及びメディカルスタッフとマッザーリ監督の連携の良さが見てとれる。

 だが、ナポリを追う3位のミランや、コッパ・イタリアで決勝に残ったラツィオに目を向けると、インテルほどではないにせよ故障者が多いシーズンとなっている。それでもやり繰りができているのは、アレグリ(ミラン)やペトコビッチ(ラツィオ)と、ストラマッチョーニ(インテル)の持つ監督経験の差もあるのかもしれない。

 インテルを見ていると、つい2年前のユベントスが思い起こされる。

 カペッロという“君主”のもとで頂点に立っていたユーベは、カルチョスキャンダルを境に復権に苦労した。特に2009年からの2シーズンは、故障者続出で勝てなくなり自信を喪失する負の連鎖が発生して2年連続のセリエA7位に。今、同じ7位という順位に立つネラッズーリ(インテル)がまさにあの時のビアンコネーリ(ユーベ)である。

 2011年、ユーベはコンテという現場からフロントまでを引きこむカリスマを得て、一躍セリエAの頂点へと返り咲いた。一方のインテルは、モウリーニョという大船長を失って徐々に沈没していっているかのようだ。

 だが、モラッティ(インテル会長)は今までのように監督を追い払うことはないだろう。彼は若いストラマッチョーニに時間を与える覚悟をしていたし、何よりもモラッティ自らが抜擢した監督だからだ。彼を切ることはすなわち自分の失敗を認めることになるのである。メディア上ではスパレッティ(現ゼニト監督)やマッザーリ(現ナポリ監督)など後任の名前がのぼったりもしているが、現段階ではどれも本腰を入れて話し合われているものではなさそうだ。

 とはいえ、スクデット争いどころか、ヨーロッパリーグ出場権からも後退し、コッパ・イタリアも失った今、モラッティの“覚悟”が何かの拍子にぐらついてもおかしくない状況にあるのも事実。そのことは、ストラマッチョーニも、マスコミもよくわかっている。

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