当然、韓国のジャーナリストからはこれらの点について厳しい質問も飛んだ。しかし、元ウルグアイ代表GKのホルヘ・フォッサーティ監督は言い切った。

「文化の違いだ。カタール国民は我々がACLで味わった苦しみを共有してくれた。だからこそ優勝できたと思っている」

 そんな準決勝、決勝で、イ・ジョンスはひとり心を痛めていた。

 水原三星戦の疑惑のゴール直後、イ・ジョンスはチームメイトに「フェアじゃない。1ゴール譲るべきだ」と訴えたが、受け入れられなかった。すると彼は、解雇覚悟で自ら選手交代を名乗り出た。11月中旬の韓国紙のインタビューでは「選手とは問題がないが、スタッフが話しかけてこなくなった」と告白もしている。

 また、アウェーでの1発勝負だった全北現代との決勝戦後にも喜びの輪にほとんど加わらなかった。カタール帰国後の優勝パーティーにも「すぐに代表の試合があるから」と参加しなかった。ちなみに決勝のPK戦では、2−2から迎えた自らのキックで、シュートを失敗する一幕もあった。
 
 イ・ジョンスはどんな思いで今回のクラブワールドカップに挑むのか。

「あの(準決勝の)ゴールが正当だったかどうかは、今はもう話したくはない。周囲との関係も今は問題ない。本大会への出場はチームとして努力して得た結果なので、その点は理解していただきたい。(エスペランスに勝てば準決勝で対戦できる)バルセロナは自分が最も好きなチームでもある。まずは初戦が大事。必ず勝ってバルサと対戦したい。この夢をぜひかなえたいと思っている」

 Jリーグを去った選手が、中東のクラブで結果を残し、日本で開催されるクラブワールドカップのピッチに戻ってくる。新たな移籍のスタイルを示したイ・ジョンスのプレイに注目したい。

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