貫通した中部縦貫道 大野油坂道路の「新下半原トンネル」(画像:国土交通省)。

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6つあるうちの「最後のトンネル」が貫通

 国土交通省 福井河川国道事務所は2026年6月16日、福井県内で整備を進めている中部縦貫道のうち、「大野油坂(おおのあぶらさか)道路」で「新下半原(しんしもはんばら)トンネル」が貫通したと明らかにしました。
 
 開通したらどう便利になるのでしょうか。

 中部縦貫道は、長野県松本市の中央道 松本JCTから真西に進み、岐阜県の高山を経由し、東海北陸道と一部を重複しつつ、郡上市まで南下し、そこから北西に進んで福井市の福井北JCTまでを結ぶ約160kmの自動車専用道路です。

【画像】超便利!? これが岐阜〜福井“直結”する「大野油坂道路」ルートと工事状況です(25枚)

 現在のところ全通はしておらず、4区間でブツ切れ状態となっているほか、一部区間ではまだ事業化されてすらおらず、調査中です。全線開通すれば、長野から福井にかけて、長野中部から岐阜の飛騨地域、福井の嶺北を結ぶ、貴重な走りやすいルートになります。

 このうち大野油坂道路は、油坂出入口から大野ICまでの約35kmの区間です。西側の九頭竜ICから大野ICにかけての19.5kmは、2023年3月から10月にかけてすでに開通済みです。

 この区間は国道158号が並行していますが、半径100mを切る急カーブが幾度ともなく連続するクネクネの山岳区間で、しかもしょっちゅう大雨や土砂崩れ、豪雪に見舞われています。

 大野油坂道路は、この長い山越えを走りやすくするとともに、バスやトラックでも無理なく通れる道幅を確保。さらに隣接「油坂峠道路」と「永平寺大野道路」(いずれも開通済み)と合わせ、北陸道と東海北陸道を直結する役割を果たします。

 当初は2026年春の開通を予定していましたが、区間のほとんどが橋と6つのトンネルで占める難しい箇所で、2025年3月には3年延期の「2029年春開通予定」に変更されています。現在はすべての区間で工事を着手しています。

 さて、この区間で唯一未完のまま残っていたトンネルが新下半原トンネルでした。約230mのトンネルで、地盤の状態の悪さが指摘されており、陥没などのリスクが伴うと予想されていましたが、6月11日に無事に貫通。

 現在はまだ貫通したばかりの状況であるため、今後はコンクリートで内部を覆う「覆工」が行われ、その後に舗装や設備の設置など、クルマが通る前の仕上げに入ります。

 トンネルは無事に進みましたが、残るは大小の橋りょうで完成していない部分が多くあります。現時点ではまだ開通予定に変化はないものの、「大規模構造物が順調に進捗した場合、半年程度の前倒しを目指す」としており、引き続き、スムーズな工事に期待がかかります。

 大野油坂道路が開通すれば、クネクネで災害が多い158号の回避になるだけでなく、救急車の搬送時間の低減や、福井県大野市を中心とするエリアの観光の促進も期待されています。