フィリピンでマルコス大統領の支持率が「大暴落」、インフレで民心離反―台湾メディア

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台湾メディアの周刊王CTWANTは21日付で、フィリピンでマルコス大統領の支持率が「大暴落」している状況を紹介する記事を発表した。同国ではサラ・ドゥテルテ副大統領の弾劾案を巡る状況が白熱しており、ドゥテルテ副大統領が危機を乗り切れれば、2028年の大統領選挙を前にマルコス家とドゥテルテ家の新たな権力闘争に火が付く可能性もあるという。

フィリピンのマルコス大統領は就任以来最も厳しい民意の離反に直面している。フィリピンの世論調査機関ソーシャル・ウェザー・ステーションズ(SWS)がこのほど発表した調査結果によると、政権の全体的な施政の純満足度はマイナス13にまで下落し、マルコス大統領が22年に政権を握って以来の最低記録を更新しただけでなく、フィリピンの2010年以降の歴代政権の施政評価の中でも最悪の数字だった。生活費が高騰し続けるインフレが、支持率の大幅な低下を招いた主たる原因と広く考えられている。

調査によると、回答者の32%が政府の全体的な施政に満足していると答え、46%が不満だと答え、21%は態度を表明しなかった。差し引き計算による純満足度はマイナス13だった。25年11月のプラス14と比較して、わずか数カ月で27ポイント急落し、マルコス現政権樹立以来の最大の下落幅を記録した。SWSは、この支持率は過去16年間の歴代フィリピン政府の中でもまれに見る低水準だと指摘した。前回のさらに低い記録は10年3月のアロヨ政権下のマイナス45だった。

施政分野別にみると、経済と民生問題が依然として政権の最大の弱点だ。うち「インフレ抑制」の純満足度は、最も悪いマイナス15という低さだった。「石油会社が原油価格を利用して暴利をむさぼるのを防ぐ」はマイナス12、「政府の汚職取り締まり」はマイナス10だった。食品、燃料、交通の価格が上昇しつづけていることに伴い、政権の生活負担改善能力に対する民衆の信頼が崩壊の一途をたどっている。

ただしマルコス政権は教育や社会福祉の分野では依然として一定の支持率を保っている。「子どもの教育の質の改善」は、政策分野別で最も良いプラス52の純満足度を獲得した。貧困支援政策、手頃な価格の住宅計画、雇用機会の創出、科学技術の発展などでもすべてプラス40以上を維持した。南シナ海問題では中国とフィリピンが対立を続けているが、政権は「国家主権の維持」でもプラス27の評価を獲得した。

世論調査は同時に、マルコス政権の支持率が国民のほぼすべての階層で全面低下したことを示した。うち18歳から24歳までの若年層の下落幅が最も大きく、純満足度は25年11月のプラス18からマイナス17へと急落した。25歳から34歳までの年齢層ではプラス12からマイナス18へと下落した。教育程度で区分すると、大卒以上のグループはプラス5からマイナス35へと大きく落ち込み、若い有権者と高学歴層が政府の施政にますます不満を抱いていることが示された。

地域別でも、政権の支持率は全面低下する傾向を示している。首都マニラ地域の純満足度はマイナス23に下落し、中部のビサヤ諸島も同様にマイナス23で、ミンダナオ島ではマイナス27にまで低下した。ミンダナオ島はこれまでサラ・ドゥテルテ副大統領とドゥテルテ一族の重要な政治的拠点と見なされてきたが、最近のドゥテルテ副大統領弾劾案やマルコス家とドゥテルテ家の二大家族を巡る争いの過熱が、中央政府に対するミンダナオ島の有権者の見方にさらに影響を与えているとの分析もある。

フィリピンではここ数カ月、物価上昇が続いている。フィリピン統計局によると、26年1月のインフレ率は2%で、4月には一時7.2%まで上昇した。5月は6.8%に後退したものの、依然として年初の水準をはるかに上回っている。食品と燃料の価格高騰は民衆にとって生活に直結する問題になっており、今回の世論調査の大きな落ち込みの重要な背景要因にもなっている。

SWSのこの世論調査は3月24日から31日にかけて実施され、フィリピン全土の成人1500人を対面方式で調査した。誤差の範囲はプラスマイナス3ポイントとされる。ドゥテルテ副大統領の弾劾案が燃え広がり続ける中、危機を乗り切って28年の大統領選挙に出馬できるかどうかに注目が集まっている。もし実現すれば、フィリピン政界はマルコス家とドゥテルテ家の新たな権力対決に前倒しで突入する可能性がある。(翻訳・編集/如月隼人)