日産車に激似のこのクルマは……ともあれ三菱が伝統ある「エクリプス」の名を絶やさぬことに乾杯!!

この記事をまとめると
■三菱「エクリプス」は左ハンドルのまま日本で販売されたスポーツカーだ
■2017年からは「エクリプスクロス」というSUVで再登場した
■アメリカやカナダで日産リーフをベースにした「エクリプススポーツバック」が販売される
さまざまな姿に変身してきた「エクリプス」
数々の名車を世に送り出してきた三菱。そんな三菱においても、「エクリプス」だけはちょっと特殊だ。
1989年、いまでも語り継がれる数多くの名車が誕生した平成元年(昭和64年)に販売された初代モデルは、スタリオンの後継車としてアメリカ市場向けに誕生した。その後、1990年に日本の法規にあうよう最低限の改修だけして左ハンドルのまま販売。アメリカテイストなキャラクターがウケ、日本でもクルマ好きにヒットした。その後、3世代にわたって国内展開され、2006年まで左ハンドルのまま販売されていた。

なおこのエクリプス、クライスラーからもOEMモデルが販売されたほか、一世を風靡したハリウッドカーアクション映画、ワイルドスピード(邦題)でも2代目モデルが活躍し、いまでもそのレプリカを作るファンが多い。日本では展開されていないのであまり知られていないが、エクリプスには4代目も存在しており、こちらは北米と韓国で展開され、2012年までラインアップされていた。
4代目の生産終了以降、エクリプスの名は三菱のラインアップから消えたわけだが、5年後の2017年、そのときは急に訪れた。エクリプスの名が復活したのだ。その名も「エクリプス”クロス”」だ。

往年の姿を知る人、ファンからしたら「なんだこれ!?」となるのも無理はない。往年のアメリカンスポーツは、流行りのSUVに様変わりしてしまったのだ。これは当時、当然の如くさまざまな議論を呼んだ。その後、エクリプスクロスは2020年にアウトランダーPHEV(初代モデル)のユニットを受け継いだ電動モデル、エクリプスクロスPHEVもラインアップ。そしてこちらには、伝家の宝刀、「AYCブレーキ制御」を追加した車両運動統合制御システム「S-AWC」を搭載し、プロドライバーも唸る安定性と抜群の旋回性能を有していたのが特徴であった。

そしてこのエクリプスクロスだが、PHEVモデルは2025年8月に生産を終了しており、ガソリンモデルも2026年7月までにすべて生産を終える予定としている。つまり、またエクリプスの名が国内市場から消えてしまうことに……。
ちなみに欧州では、アライアンスパートナーであるルノーが展開するSUV、「セニック E-Tech」をベースとした新型エクリプスクロスが展開されている。こちらはCMF-EVプラットフォームを採用したBEVモデルで、これまたかつてのエクリプスの雰囲気が皆無な1台だ。

生まれの地「アメリカ」にカムバック
さて、そんな七変化に七変化を重ねているエクリプスだが、北米・カナダ市場で新たなエクリプスが展開されることが発表された。次はどんなモデルなのか……。その名はズバリ、「エクリプス スポーツバック」である!
「スポーツバック」と聞くと、欧州ブランドのSUVなどでたまに耳にする名称であるが、エクリプスもこのトレンドの波に乗る形に。しかしよく見てほしい。この「エクリプス スポーツバック」、前述のルノー・セニックとは違い、どこかで見たことがある形なのだ。

そう、この「エクリプス スポーツバック」は、日産リーフのOEMモデルである。これは何も隠しているわけではなく、三菱発表のプレスリリースにもはっきり「日産からOEMを受けて販売する」と記載されている。しかし、ただのOEMではなく、デザインなどといった比較的手が加えやすいところを三菱流としているのがポイント。
たとえば、フロントおよびリヤバンパー、フロントグリル、ヘッドライトおよびリヤコンビランプ、リヤゲート、サイドではDピラーとホイールなどが独自のデザインとなっており、三菱らしいタフなキャラクターに一新。フロントバンパー下部に関してはかなり肉厚で迫力がある。同社ではこのモデルを、”電動サブコンパクトSUV”という立ち位置としている。

北米とカナダの市場にこのエクリプススポーツバックを導入する背景には、アライアンスパートナーである日産と北米市場における新型ピックアップ協業プロジェクトや、日本市場での軽自動車の共同プロジェクトが関係している。
たとえば、日産の北米向け車両「ローグ プラグインハイブリッド」、オセアニア向け「ナバラ」、フィリピン向け「リヴィナ」を三菱からOEM供給、フィリピン向け車両「ヴァーサ バン」を日産からOEM供給を受けていることなどがその例だ。日本だと、「デリカミニ」や「ルークス」の関係がこれにあたる。

こういった商品補完を両社で日常的に行っている関係上、両社の事業の強化につながる協業を推進していく一環として、今回のリーフのOEM供給を三菱が受けることに決まったという。
三菱は、ルノーや日産とアライアンスを組んで協業し、幅広い車種展開と市場戦略が組めることが他社にはない強みであり、それはルノーや日産にとっても同じだ。
なおこの「エクリプス スポーツバック」は、2026年後半に展開される予定とされている。詳細なスペックやグレード展開などは不明だが、ベースとなるリーフと大きく変わることはないと予想される。

この「エクリプス スポーツバック」、北米やカナダの市場における三菱車のラインアップ強化が背景にある都合上、日本で展開される可能性は限りなく低いと見ていいだろう。もちろん、欧州で展開されているエクリプスクロスも同様だ(こちらはボディサイズが非常に大きいため)。日本市場における2026年注目の新型三菱車は、やはり復活が決まったパジェロだろう。
とはいえ、エクリプスの名を絶やさない三菱の意気込みは相当なもの。これからも続くであろう、三菱による新たな仕掛けを楽しみに待ちたい。
