オランダのキーマン対策に不安はない。日本代表DF菅原由勢(ブレーメン)はこれまでのクラブキャリアを通じ、オランダ代表の左ウイングFWコーディ・ガクポ(リバプール)と何度もマッチアップ。191cmの長身ウインガーが持つ「相手のSBの背後にいる時は目線を切った時に動き出したりするし、裏への抜け出しは常に狙っている」という個性に警戒を寄せつつ、右ウイングバックの立場で抑え込むことを誓った。

 菅原は2019年夏、名古屋グランパスからAZに加入。当時のガクポは名門PSVに所属しており、MF堂安律のチームメートとしてプレーしていた。互いの転機となったのはガクポがストライカーから左ウイングに本格的にコンバートされた2021年。ちょうど菅原もAZで主力の地位を固めつつあり、エールディビジの舞台で2シーズンにわたって対峙する機会を持っていた。

 さらにガクポが23年夏、リバプールへのステップアップ移籍を果たすと、菅原も24年夏にサウサンプトンに移籍。プレミアリーグでも再会を果たした。この日、菅原は「オランダに行った時から毎年マッチアップしていたので、どういう特徴かはだいたい分かっている」と話したが、互いに出場すれば旧知のマッチアップが実現することになる。

 国同士の対決を間近に控え、菅原は「彼も彼ですごくレベルアップしていると思うし、僕もしっかりそのレベルが上がったところに対応できるようにというのはしっかり改めて分析し直して止められるようにしたい」と決意表明。縦突破よりもフィニッシュワークを得意とする特徴を踏まえ、「自分の身体が覚えている部分と、あらためて脳からどういう刺激を、彼の分析をどう入れるかが大事。しっかり積み重ねていきたい」と対戦を見据えた。

 もっとも菅原にとって、個人の戦いよりも大事なものがある。

「W杯を楽しみに来ているわけではないし、試合をするためだけに来ているわけじゃない。ただ優勝するために来ているので、そのために何が必要なのかを選手がピッチ内外で感じて、それを行動に移して、チームにプラスアルファを持ってこないといけない。それを26人プラス、2人のサポートメンバーもそうだし、スタッフもそうだし、組織としてどこに向かっていくんだという方向性を定めた上で、それに必要なものをチームで取り掛かっていくことが大事」

 21年夏の東京五輪、22年末のカタールW杯落選を経て、悲願の世界挑戦。「世界で一番大きな大会だと思うし、どの競技を見ても一番大きな大会だと僕は思っているので、その中で世界一を本気で取りに行っている。本気で勝つために毎日考えている」。日本代表への思いの強さは人一倍。明るく真摯に実力を重ねてきた25歳が意気揚々と世界の頂点を狙う。

(取材・文 竹内達也)