講演する日銀の植田総裁(3日、東京都千代田区で)=竹下真介撮影

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 日本銀行の植田和男総裁は3日に東京都内で行った講演で、中東情勢が改善せずに「不透明な状況」が続く場合でも、物価が上振れするリスクが高まると判断すれば利上げを議論する可能性に言及した。

 日銀は15、16日に金融政策決定会合を開く予定で、市場では利上げ判断を示唆した発言との見方が出ている。

 講演で植田氏は、「仮に不透明な状況が続くとしても、先行き、経済の下振れリスクに比べて、物価の上振れリスクが高まると判断される場合」には、「利上げの是非をしっかりと議論する必要があると考えている」と述べた。利上げの判断時期については、具体的な説明をしなかった。

 国内の金融環境については、「緩和的な状況にある」と説明。その上で、現状の日本は、他の主要国と比べても「(中東情勢の悪化による)原油高を起点とする物価上昇の『2次的波及効果』が(一時的な変動要因を除いた)基調的な物価の上振れにつながりやすい状況にある」と話した。

 また、「物価上昇は一時的なものにとどまらず、基調的な物価上昇率が上振れていくリスクも意識せざるを得ない状況だ」とも指摘した。物価が上振れするリスクが現実のものとなって経済に悪影響を及ぼすことを、「日銀としては、より警戒する必要があると考えている」と述べた。

 植田氏の講演後、外国為替市場の円相場は、講演前とほぼ同水準の1ドル=159円台後半で推移している。市場では、講演について「利上げに前向きな内容」などの評価が出ている。