“疲労困憊”の町田に評価が難しいPK勝ち。川崎は真に復調しつつあるのか
「試合内容としては今シーズン一番良かったと思う」(ラザル・ロマニッチ)
「あれぐらい全員が自信を持ってボールを受けて運べれば相手は崩れていくと思う」(佐々木旭)
川崎にとって町田をホームに迎えた一戦は、ホール保持率(61パーセント対39パーセント)、シュート数(20本対6本)、枠内シュート数(6本対1本)、パス成功数(584本対292本)と、データも象徴するように、PK戦で勝利した川崎が支配したゲームだったと言えた。
CFロマニッチが中盤に下りながら的確なポストプレーを見せ、トップ下の脇坂泰斗、ボランチの山本悠樹を軸に相手のマークを外しながら前進し、最終ラインも佐々木らがピンチの目をしっかり摘む。百年構想リーグは苦戦が続くが、町田戦ではかつての川崎を見るかのようなパフォーマンスであった。
さらにここ数試合で起用されている高卒ドリブラーの長璃喜、デビュー戦となった大卒FW持山匡佑らが持ち味を発揮したのも収穫である。
加えて左SBの三浦颯太は「良い声掛けをできていますし、今日もアップから良いん雰囲気が広がっていた」と話し、これは前々節の東京V戦で佐々木が語っていた言葉とも重なる。
1−1のまま迎えたPK戦を含め、勝利への意欲をチームとしてより表現できていたと言えるだろう。
もっとも、相手の町田は準優勝したサウジアラビアでのACLEを含めて過酷な9連戦の最終戦であり、疲労困憊だったことは加味しなくてはいけない。
本来の町田のようなインテンシティ高い守備や、鋭いカウンターは鳴りを潜め、疲労度を考え、40分にセットプレーから先制したあとは、よりゴール前を固める割り切った戦い方を取っていたからこそ、川崎の技術力が光るとともに中盤で先手を取れた面もあったのだろう。町田の黒田剛監督も語った。
「今日で9連戦(の最後)ということで、サウジアラビアからの時差もありながら、ここまで選手たちが中2日、中3日という形でやってくれたことをすごく讃えたいと思うし、誇りにも思います。後半かなり疲弊した状態というのが本当に見えましたが、最後まで身体を張ってやってくれたなと思っています。体力的にかなりきつかったのではないかなというのは、やっぱり選手たちの感想の中でもあったと思います
そこ(割り切って耐える考え)はありましたね。勝っているゲームというか、リードしているゲームでもあったので、しっかりとそこは我々の原則として、打たせないこと、走らせないことも含めて。ただ(相手が)そこにかなり人数もかけてきていたので、3人目、4人目が関わるような川崎さんの攻撃のところで、少しクロスを上げられたりするような場面もあったと思います。ギリギリで首の皮一枚つながっているような状況ではあったと思いますし、最後にPKという形で(同点ゴールを)取られはしましたが、相手の陣地でボールをもう少し動かしながら時間を作り、そしてボールを動かしながら休める時間というのも必要だったと思いますし、そのあたりはこれからの課題かなと感じています」
前回のACLEで同じく準優勝した川崎としても、連戦の過酷さは実体験として分かっているところ。そこは三浦は「僕たちも味わっているので移動のキツさは理解できますし、自分たちも言い訳にはできなかったですが、疲弊しているなというのは感じました。でも勝負事なので」とも語る。
