コメ値下がりラッシュでも今後には大きな暗雲…異常気象とイラン情勢で価格高止まり必至
値下がり基調ではあるが、暗雲が垂れ込めている。
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JA全農などでつくる「米穀機構」がコメ取引関係者に行った4月の調査によると、今後3カ月のコメ価格の見通しを示す指数は、前月から1ポイント上昇し「28」だった。「100」に近づくほど高く、「0」に近づくほど安くなる見通しを示すもので分かれ目となる「50」を下回るのは7カ月連続だ。
実際、米価はかなり落ち着いてきた。農水省の発表(8日)では、3日までの1週間に全国のスーパーで販売されたコメ5キロあたりの平均価格は、前週より46円安い3796円(税込み)だった。いまや、店頭では5キロ3000円台のコメを見かけるのもザラだ。
値下げラッシュの背景にあるのは、コメ余りだ。「令和の米騒動」によるコメ不足を見た農家が作付面積を一気に増やしたことなどから、現在のコメ民間在庫量は過去最高水準になっている。
「在庫がかつてないほど積み上がっています。こうなると、赤字ギリギリで放出せざるを得ない。値下げ競争の圧力も強い」(コメ流通業界関係者)という。
■5キロ3000円を切るのは難しい
しかし、各地で田植えシーズンが本格化する中、期待するほど米価が下がらない可能性が出てきた。懸念されるのが、異常気象だ。
「今年の夏は、昨夏と同じく猛暑が予想されています。気象庁の暖候期予報によれば、今年の6〜8月は平年より高温傾向になるとのこと。著しい暑さに襲われれば、収量減の恐れがあります。いまはコメが大量に余っているとはいえ、この先、十分な量が市場に流通するかどうかは当然、今年度の取れ高に左右されます」(農水省担当記者)
さらに、いまだ収束の見通しが立たないイラン情勢の影響も大きい。
「最近では米袋が徐々に品薄になり、価格も3〜4割ほど値上がりしています。原油価格の高騰も痛手で、コメの刈り取りや、収穫後の乾燥作業にも燃料が使われるし、コメはかさばるものなので、流通段階でも輸送、保管料が平年よりかさむのは必至。もともと物価高で、生産コストは上昇し続けているし、イラン情勢がこのままなら、5キロ3000円を切るのは難しいかもしれません」(前出のコメ流通業界関係者)
コメをめぐる状況は、厳しいままだ。
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