人気コンビ『ダブルヒガシ』が語る東京進出…年間900ステージの先に「大阪に居たらそれ以上がない」
‘23年に『ytv漫才新人賞』、『ABCお笑いグランプリ』で優勝し、注目を浴びた結成12年目のお笑いコンビ『ダブルヒガシ』の東良介(33)と大東翔生(33)。関西弁で捲し立てるパワフルなしゃべくりを武器にする二人は、「大阪の賞レース番長」とも言える注目のお笑いコンビだ。
芸人でもトップクラスの“年間900ステージ”をこなすなど、関西では知らないものはいない存在となった『ダブルヒガシ』。そんな二人は、今年4月に慣れ親しんだ大阪を離れ、上京する決断を下した。今、まさに全国区へ羽ばたこうとする二人が、大阪での葛藤とこのタイミングでの東京進出について本音を明かす。
「仕事しすぎて体調崩した」
――’23年に関西の賞レースで優勝し、ワイルドカードで『M-1グランプリ』準決勝にも進出。そのタイミングで東京進出しなかった理由は何でしょうか。
大東:ちょうどその頃から忙しくなって、「とりあえず大阪で頑張ろう」となったんです。けど、急に仕事が増えてめっちゃ体調を崩しました。去年まで、年間900ステージぐらい舞台をこなしてたので。
東:大阪ってテレビ局と劇場がめっちゃ近くて、普通に1日6、7個の仕事をこなせるんです。週末で言うと、まず劇場で漫才をやってから、飛び出しでテレビ局に行って生放送番組に出演。その後、ふたつぐらい劇場を回って3、4ステージやって再びテレビの収録。最後に劇場に戻って22時までライブ……みたいなスケジュール感でしたね。
大東:それができてしまう土地なんです、大阪は。基本的に1ヵ月に2日は休みをとってもらっていたんですけど、「すみません、これ行けますか」みたいに声が掛かるので結局休みがない月もありましたし。
東:2年前からマネージャーと3人で「『M-1』決勝に行けたタイミングで東京進出できたら最高やな」って話は出てたんですけど、舞台以外の仕事も多くなって。ロケも朝から晩までやりますし。そんな状況もあって、今になったんですよね。
大東:僕らの大阪の仕事は、全部『豪快キャプテン』にいったので。これから、あのふたりがその地獄みたいなスケジュールをこなすことになるんだと思います(笑)。
後輩のためにも東京に出るべきだった
――今年1月に放送された『かまいたちの知らんけど』(MBSテレビ)の出演時は、劇場出番もレギュラー番組もある大阪が居心地良さそうだったので意外でした。
東:大阪は、飯を食うとか漫才がたくさんできるとかって意味ではすごくいい環境だと思います。ただ、景色が広がっていくイメージが湧かないんですよ。
大東:「ヴィジョンが全く浮かばない」ってことに気付いてしまう。関西の情報番組『せやねん!』(MBSテレビ)とかに出てある程度は知ってもらえましたけど、大阪におる限り全国レベルでは知られることもないじゃないですか。
今は若い子とかお笑いファンとかが応援してくれていても、20年後、僕らがおっさんになったらファンはゼロ。そう考えたら、1回は全国区のテレビに出ておかないと先細りすると思うんですよ。
東:この先、やっぱ有名になっておかないと下がっていく一方な気がするというか。
大東:大阪の劇場に残るにしろ、ホンマに頑張った一握りだけ飯が食えるようになるシステムなんです。少し前なら、ダブルヒガシ、カベポスター、フースーヤ。今なら、豪快キャプテン、ドーナツ・ピーナツとか。その枠に入れないと厳しい。
月10万はもらえても、20万、30万となっていくのが大変なイメージがあります。東京の人はSNSとか別の形でも稼いでるから、劇場に固執してない感じがしますけど、やっぱ大阪は劇場文化なので。
東:後輩たちも当然その枠を目指すわけで、僕らがいたら入れないじゃないですか。だから、「循環させていかなあかん」って気持ちと、「ずっと居続けたらそれ以上がない」って考えの両方ですよね。
ミルクボーイさんは『M-1』王者にもなれたし、たぶん自分たちの向き不向きもわかったうえで大阪を選んだと思うんです。そういうケースは稀で、ほとんどの若手は東京進出を考えてると思いますよ。
