混雑緩和で導入された税関での電子手続き「Visit Japan Web」 関税局の担当者が2点の改善案を挙げる
23日、ニュースサイト「47NEWS」は「成田空港にまさかの大行列『電子手続きなのに、“紙”より並ぶはめに』…税関の真実 時短のために導入したはずがなぜ?」と銘打ち、その「構造的」な原因を報じた。
日本政府は2021年12月より、日本の入国手続き(検疫、入国審査及び税関申告)のオンラインサービスとして「Visit Japan Web」を運用。現在、同サービスは多くの入国者・帰国者に利用されている。
同サービスを利用することで、入国者は入国審査及び税関申告の場面における「外国人入国記録(Disembarkation Card for Foreigner)」及び「携帯品・別送品申告書(Customs Declaration)」の作成・提出について、「Visit Japan Web」で生成される2次元コード(QRコード)により行うことができ、CIQ手続きに要する時間を大幅に短縮することができる。
コロナ禍においては、水際対策措置のツールの一つとして同サービスの利用促進を行ってきたが、同サービスを利用することで入国手続の効率化が可能となったとしている。導入された背景には増加するインバウンドへの対策があり、「増加し続ける入国旅客の円滑な入国と待ち時間の短縮、税関検査場の混雑の緩和を図るため」としていた。だが、実際は“紙”手続きの有人手続きの方がスムーズだったと、同サイトが太鼓判を押している。
そもそも税関手続きとは、テロの未然防止や密輸阻止の観点から、入国者が輸入禁止品や無申告の大金を持ち込まないかを調べる手続きである。その昔、「携帯品・別送品申告書」と呼ばれる黄色い紙での申告だったが2019年4月、電子手続きが成田空港第3ターミナルで試験的に導入された。
国はプロモーション動画や多言語でリーフレットを作成し、積極的に宣伝した。そして、新千歳や中部、福岡など主要7空港でも本格運用が始まり、2022年度の年間利用者が470万人だったのに対して2024年度には約4倍の1623万人まで増えた。
利用するには、デジタル庁の入国手続き支援サイト「ビジットジャパンウェブ」(VJW)で情報を入力し、スマートフォンなどで表示されるQRコードを専用端末に読み取らせる。税関検査場では、この電子手続きをするか従来の紙を使った申告をするかは入国者が自由に選択できる。また、専用端末では顔認証も同時に行い、サイトで一度登録した旅券番号などの個人情報が次回以降も使えるため利便性が高いとされる。
いざ、サービスが始まると……
ところがサービス開始後、SNS上では「電子化したのにかえって効率悪い国の恥ともいえる仕組み」「全然使えない」「入力が面倒でかえって時間がかかる」といった批判が続出。
では、なぜここまで電子手続きは混雑するのか。この疑問に同サイトは、「(財務省)関税局の担当者が原因の一つとして挙げたのは窓口の数」と説明している。記事によれば、「成田空港では、有人ゲートが計74カ所あるのに対し、電子端末は計58カ所」と指摘し、「電子手続きは今や多くの入国者が利用するようになったが、処理する機械の数が追い付いていない」と分析。
その一方で、「理由はそれだけではない」と、“関係者”の指摘を掲載。話によれば、「預け入れ手荷物を受け取った同じエリアで、その直後に税関手続きがある。大きな荷物を持った状態で入国者がごった返すから、必然的に混雑する。成田空港の構造的な問題ですよ」との私見を述べている。すると、この「構造的な問題」に関税局の担当者が応じ、「混雑時に電子手続き利用者を有人ゲートに誘導する」「税関と入国手続きを一括処理する新端末『共同キオスク』の数を増やす」といった改善案を挙げたという。
同サイトによれば、「この共同キオスクは、入国手続き前のエリアに設置された端末に、VJWで入力した情報を読み取らせる仕組み。利用者は税関手続きでの申告も不要となる」とし、「混雑解消に一定の効果があった」とされている。とはいえ、劇的緩和までには及ばず、ネット社会の片隅で“アナログ”が優勢を誇る。結局、人の手際が優秀であることが証明されたようだ。
