「調整だけが上手い普通の会社員」はもう生き残れない…日本でも急拡大するAIエージェント『OpenClaw』の衝撃
オープンソースのAIエージェント「OpenClaw(オープンクロ―)」が米国や中国、インド、日本をはじめ世界的に普及し始めた。
ChatGPTに代表される従来の生成AIは基本的に「質問に答える」だけだったが、OpenClawはパソコンの操作権限を持ち、ユーザーに代わって実際の作業(各種ファイルやブラウザの操作等)を完結させるのが最大の特徴だ。
【前編】『野良AIが世界を席捲する日がやってくる…世界中で話題の「OpenClaw」の本質とは一体なにか』よりつづく
異なる分野を横断的に自動化できる
世界的にOpenClawは、バックオフィスから営業まで幅広い分野を横断する作業での活用が目立つ。
たとえばLinkedInなどのSNSからOpenClawが見込み客を自動で探し出し、それらの情報を整理した上でパーソナライズされた営業メール(の下書き)を自動作成する。これにより、人間が手動で4時間かかっていた作業を20分に短縮したケースもあるという。
商談前の調査などにも便利だ。OpenClawはカレンダーにある商談相手の情報をSNSをはじめ各種ウェブサイトから自動で収集・要約し、商談開始の数分前に「スラック」などのチャットツールで教えてくれる。
一方、ソフト開発などの技術者は、OpenClawの常駐型エージェントとしての特性を最大限生かした使い方をしているとされる。
つまり自分が寝ている間にOpenClawにソフト開発をやらせ、目が覚めたときに「出来はどうだい?」「バグもちゃんとチェックするんだよ。手を抜いちゃ駄目だよ」とか(ちょっと誇張もあるが)注意するだけで自分の仕事が終わってしまうとされる。
一般ユーザーにも利用の裾野が広がる
最近では、これらパワー・ユーザーのみならず、一般ユーザーにもOpenClawは普及し始めた。従来、難しいとされたセットアップなどの初期作業を代行してくれる業者が出てきたからだ。これらの業者は「個人向けのセットアップ代行」から「法人向けの導入支援」までワンストップで提供している。
特に日本では、個人ユーザーの多くはLINEなどチャットアプリを主なインタフェースにしてOpenClawを日常作業の効率化ツールとして活用している。
たとえば毎朝決まった時間に、その日の天気予報、カレンダーの予定、深夜に届いた重要メール、関心のあるニュースの要約などを、ちょうど「秘書が経営者に報告するかのように」OpenClawがユーザーに教えてくれる。
これに関して、OpenClawには定期的にタスクを巡回させる「ハートビート」と呼ばれる仕組みが用意されている。ここに「1時間おきにメールをチェックする」「毎朝9時に売上をチェックする」といったルールを書いておくだけで、人間が指示を出さなくてもOpenClawのようなAIが仕事を進めてくれるので便利だ。
定型作業の自動化がもたらす意義
このOpenClawに代表されるAIエージェントの普及は、日本の職場における今後の働き方を大きく変えると見られている。なかでもホワイトカラーの業務時間の多くは、社内調整、会議のスケジューリング、情報の伝達などに費やされてきたが、これらが劇的に変わる。
これまでは人間の従業員が「Aさんの予定を見て、Bさんの都合を聞き、会議室を予約して、資料を全員にメールする」などの手順を踏んできた。
しかしこれからは、OpenClawのようなAIエージェントがこれらの「アプリをまたぐ調整」を自動的に完結させるため、日本企業の「中抜き(事務作業の自動化)」が急速に進むのではないか、と見られている。つまり「調整だけが上手い人」の価値が一気に下がり、代わって「本当のアウトプットを出せる人」の価値が高まる。
こうした傾向がさらに進めば、いずれは「人間は意思決定と承認を担当し、AIエージェントが仕事を実行する」という分業体制が確立されるかもしれない。
他方で、人間にはAIを監督するための新しい能力が求められる。OpenClawのようなAIエージェントに仕事を任せるには、「なんとなくこれをやっておいて」ではなく、手順を明確に伝える必要があるからだ。
自分のこれまでの仕事を複数のプロセスに分解し、「まずAをチェックして、それがもしBであったならばCさんにメールで伝え、そうでなければDに保存」のように論理的なステップとして説明する必要がある。これができないと優秀なAIエージェントも宝の持ち腐れになってしまう。
これら定型作業の自動化によって空いた時間を、私達人間はよりクリエイティブなアイディアの発案に当てるようになるかもしれない。
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