JAXA(宇宙航空研究開発機構)は2026年4月24日、「H3」ロケット6号機(30形態試験機)の打ち上げ予定日を発表しました。


低コスト“30形態”の初飛行となる試験機

発表によると、H3ロケット6号機の打ち上げ予定日は日本時間2026年6月10日、打ち上げ時間帯は9時53分59秒〜11時52分46秒です。予備期間は2026年6月11日〜2026年6月30日となります。


H3ロケット6号機は、1段目のエンジン「LE-9」を2基から3基へ増やす代わりに、固体燃料ロケットブースター「SRB-3」を1基も搭載しない形態「H3-30S」(30形態)の試験機という位置付けです。H3の各形態のなかでも30形態は打ち上げコストが最も低く、衛星をより安価に軌道へ投入できるようになると期待されています。


【▲ 2026年3月15日に実施されたH3ロケット6号機(30形態試験機)の第2回1段目実機型タンクステージ燃焼試験「CFT」の様子。JAXAのライブ配信から(Credit: JAXA)】

JAXAは2025年7月と2026年3月に30形態の1段目実機型タンクステージを用いた燃焼試験(CFT: Captive Firing Test)を種子島宇宙センターで実施するなど、6号機の打ち上げに向けて準備を進めてきました。


JAXAが「H3」ロケット“30形態”の第2回1段目実機型タンクステージ燃焼試験を実施(2026年3月15日)JAXA、「H3」ロケット“30形態”の燃焼試験を実施 計画通り終了と発表(2025年7月24日)

今回の6号機では性能確認用ペイロード(VEP-5)の他に、以下6機の小型副衛星が搭載されます。


・東京科学大学「うみつばめ」
・静岡大学「STARS-X」
・Unseenlabs社「BRO-22」
・九州工業大学ほか「VERTECS」
・BULL社「HORN-L」「HORN-R」


8号機の打ち上げ失敗から半年 飛行再開への期待も背負う

既報の通り、H3ロケットは2025年12月に8号機が打ち上げに失敗し、搭載されていた準天頂衛星システム (QZSS) 「みちびき」 5号機を軌道へ投入することができませんでした。


原因究明を進めたJAXAは、ロケット2段目に衛星を搭載するための部品のひとつである衛星搭載アダプタ(PSS)に製造の段階で部材の剥がれが生じて強度が低下した結果、打ち上げ中に2段目から衛星が脱落した可能性が極めて高いと特定しています。


部材剥離を主要因とした対策方針を決定 JAXAがH3ロケット8号機打ち上げ失敗原因究明状況を報告(2026年4月13日)【更新】H3ロケット8号機打ち上げ失敗 「みちびき」5号機を予定の軌道へ投入できず(2025年12月22日)

今後打ち上げられる機体については当面、衛星搭載アダプタの製造方法を変更する一方で、荷重が低い6号機については製造済みの衛星搭載アダプタを補修した上で使用し、原因究明の裏付けと今後のミッションの確実性を高めるための追加データを取得する方針です。


低コスト化の30形態実用化と本格的な打ち上げ再開という2つの期待を背負うことになった、H3ロケット6号機の打ち上げが注目されます。


 


文/ソラノサキ 編集/sorae編集部


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