朝日新聞の批判も選挙連敗もそんなの関係ねぇ?「鉄の女」高市総理の「独断専行」はいつまで続くか

写真拡大 (全2枚)

高市早苗首相が議長を務める経済財政諮問会議の民間議員4名は、連名で提言を発表した。その「骨太方針2026の策定に向けて」という資料には、《…骨太方針に込められた高市内閣の経済財政運営の考え方、いわゆる「サナエノミクス」が、国民や市場関係者を含む内外からの理解と共感を得ていくことが求められる。そのため、従来からの概要資料だけでなく、簡潔で分かりやすく、メッセージ性のある説明資料の作成、機動的・戦略的な広報の実施が必要》とある。

高市政権が進める「サナエノミクス」を米国の経済学者はどう見ているのか。前編記事『「骨太の方針2026」策定を前に…経済財政諮問会議の4民間議員が提示した「5つの原則」』より続く。

朝日新聞の辛口記事

敢えて上述の文言からキーワードを挙げれば、「内外からの理解と共感を得る」ではないか。そこで見落としてはいけないのは、3月26日夕に官邸で開かれた経済財政諮問会議に招かれて意見を開陳した2人の米経済学者の発言内容である。

米マサチューセッツ工科大学(MIT)のオリヴィエ・ブランシャール名誉教授と米ハーバード大学のケネス・ロゴフ教授(オンライン出席)だ。

朝日新聞(4月20日付朝刊)オピニオン欄「記者解説(Commentary)」に原真人編集委員が辛口の長文記事を書いている。「甘い構想 学者から警鐘」の小見出し付きのパートで次のように指摘した。

《会議事務局は当初、高市政権が描いている路線に著名学者たちのお墨付きを得ようともくろんでいたようだ。国債の追加発行も辞さず、危機管理投資を増やし、経済成長によって税収を増やす。そんな「お手盛り」構想である。ところが2人の学者が発したのは甘い構想への苦い忠告だった。ブランシャールMIT名誉教授は「危機管理投資は重要だが明確な財政的収益が見込めない。成長を押し上げるかもしれないし、そうでないかもしれない。それだけを根拠に国債を財源とすることを正当化できない」とクギを刺した》

支持率は高止まりだが

一方、会議翌日の日経新聞(3月27日朝刊)で《(ロゴフ教授は)金利が上昇局面にあることから、PB(基礎的財政収支)の赤字をゼロに近い水準に保つべきだと主張した。…債務残高のGDP比を下げる余地を確保すべきだと訴えた》と報じた。

2人の米経済学者発言の「肝」を引用する朝日、日経両紙の視座(立ち位置)が大きく異なることが判って興味深い。

さて、肝心の高市首相。最新の世論調査で読売新聞(4月17〜19日実施)の内閣支持率:前月比5ポイント減の66%、不支持率:4ポイント増の24%、朝日新聞(18〜19日)の支持率:前月比3ポイント増の64%、不支持率:2ポイント減の24%だった。

均すと、内閣支持率65%・不支持率24%である。自民党支持率は各社調査の殆どが30%台で高止まりしているのに対し、内閣支持率は軒並み2〜3ポイント下落しているとされる。そうだとしても読売、朝日両紙平均が65%は、政権発足半年後の現時点で決して悪い数字ではない。

麻生副総裁の地元でも…

だがしかし、高市官邸にとって看過できないのが、4月半ばに全国各地で行われた首長選挙で自民党推薦の現職・新人候補が相次いで落選していることである。

麻生太郎副総裁の地元・福岡県嘉麻市、森英介衆院議長の地元・千葉県東金市、木原誠二元選対委員長の地元・東京都清瀬市、長坂康正厚労副大臣の地元・愛知県あま市、上野賢一郎厚労相の地元・滋賀県近江八幡市、栗原渉厚労大臣政務官の地元・福岡県朝倉市など各市長選で敗北した。

自民党が推薦・支持を出した13市長選のうち7つの選挙で敗れた。都内など都市部での自民連敗も際立つ。

高市人気は地方選で必ずしもプラスに作用しないということが証明された格好だ。来春の統一地方選を控えて党内からマジ顔で不安を漏らす声が上がり始めたという。

コミュ力がない、好き嫌いが激しい、独断が多い、事前の根回しがない、など批判の声が上がる高市首相。だが、ご本人はいささかも動じていないという。まさにマーガレット・サッチャー元英首相も顔負けの「Iron Lady(鉄の女)」なのだ。

合わせて読みたい。『高市総理が完全に「引きこもり」状態…“担ぎ手のいない神輿”となった官邸で囁かれる「次期総理の本命」』

【はじめから読む】「骨太の方針2026」策定を前に…経済財政諮問会議の4民間議員が提示した「5つの原則」