「せっかく助かった命」を失わないために 震災後4~7日に急増する「エコノミークラス症候群」 熊本地震で避難者の4割が経験した「車中泊」のリスクと備え
今月20日の三陸沖の地震でも同じ様子がありましたが、10年前の熊本地震では、多くの被災者が車中泊を余儀なくされました。
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避難に潜む“車中泊のリスクと備え“を考えます。
最大震度7の地震を2度観測した熊本地震では、熊本市だけでも当時の避難者が11万人に達しました。
「避難所が満員で入れない」「家が倒れる危険性がある」「赤ちゃんやペットがいる」など、様々な理由で多くの被災者が「車中泊」を選択または強いられ、熊本市の調査では、被災者の40%が車中泊を経験したと回答しています。
そして、車中泊をする中で大きなリスクの1つとなったのが「エコノミークラス症候群」でした。
当時、車中泊をしていて「エコノミークラス症候群」と診断を受けた女性です。
女性「足を引きずっていたらしいです。自分では分からなくて、運動していれば、水分とっていればとも思って」
「エコノミークラス症候群」とは、飛行機や乗用車など狭い空間で長時間、同じ姿勢を続けることで、足や下半身に血の塊「血栓」ができ、血管を通って肺などに詰まると、最悪の場合、死に至るものです。
エコノミー症候群が起きやすいタイミングは?
災害拠点病院の1つ、済生会熊本病院にも、熊本地震当時、エコノミークラス症候群とみられる患者が運ばれました。
済生会熊本病院 坂本知浩副院長「エコノミークラス症候群が起こりやすいのが、震災発生後から4日~7日と言われていて、実際に我々が経験したのもその時期に集中して起こったというのがありました」
特に、本震が発生した翌日の17日から患者が増加し、済生会熊本病院では、前震発生から5日間で、11人がエコノミークラス症候群と診断されました。
坂本医師によりますと、特に発症しやすい時間帯は朝方の午前5時~午前8時台とのことでした。
坂本知浩 副院長「車中泊の睡眠から目が覚めて、トイレに行くためなどで起きて、最初に動いたとき、脚にできた血栓が飛んでいった」
エコノミー症候群のリスクを避けるには?
大規模災害の場合、車中泊避難が一定数発生する状況をふまえて、国も手引きを策定、熊本市も車中泊避難者支援のガイドラインを作りました。
その策定に関わった担当者に、エコノミー症候群のリスクを避ける注意点を聞きました。
Bosai Tech 大塚和典社長「通常、運転席、助手席に座っていますよね。その姿勢で長時間避難をしない」
狭い空間に座り続ける状況を避け、できるだけ足を心臓と同じ高さにして、睡眠時と同じ環境を作ることが予防につながるそうです。
Bosai Tech 大塚和典社長「タオルを敷いたり、隙間があるところには段ボールなどを入れたり、なるべくフルフラット(平ら)になる工夫を行った方がいい」
車中泊用アイテムも
手軽に入手できる予防アイテムがあります。
Bosai Tech 大塚和典社長「車中泊用のグッズが店舗に置いてありますので。ふくらはぎを締めるソックス、サポーターのようなものがある」
この他、常備薬やお薬手帳、光を遮るサンシェードや、寝袋、毛布、携帯トイレ、クーラーボックスなど、事前の備えも呼びかけています。
Bosai Tech 大塚和典社長「災害では助かったと。でも、その後の避難の仕方によって災害関連死というものが起こるので、せっかく助かった命を亡くさないで済むように、準備という心構えは必要です」
