ホルムズ海峡危機で靴業界にも大ダメージ…現場のプロが「早めに買っておいたほうがいい靴」を解説
ホルムズ海峡の危機が続いています。執筆時点では、日本の船舶もごく一部は通過したものの、大多数の輸送船が動いていません。困ったことに、靴はほぼ全部石油でできています。「いや、革靴はちがうでしょ?」と思われるかもしれませんが、工場で使う接着剤や底は石油由来の部材です。スニーカーに至っては100%石油由来の素材といっても過言ではありません。どう考えても日本の靴業界は現在進行形で大ダメージを食らっていて、楽観的な未来は見えません。
「危機→値上がり→今すぐ買え」と焦る人もいるでしょう。しかし、いったん落ち着きましょう。今年買っておくべき靴には、優先順位があるのです。あくまで推測ですが、「今優先して買ったほうがいい靴」と「焦らなくてもいい靴」を冷静に仕分けしてみます。
◆まだ焦らなくてもいい靴「夏サンダル」
焦らなくていい理由はシンプルで、今夏のサンダルはすべて作り終えているからです。業界の裏側ですが、夏のサンダルは冬に生産を完了しないと間に合いません。サンダルもほぼ海外製ですが、今回の危機の前からすでに日本に輸入が完了し、ショップの裏やメーカーの倉庫に積まれています。今さら価格を上げるのも無理でしょう。あとで解説しますが、本当の危機は秋冬以降なので、この夏でしっかり売り上げを確保しないと、いよいよショップもメーカーもまずい。ただ、焦るなといえども賢い買い方は、「数年履いても壊れない」モデルを選ぶこと。キーン、テバ、コロンビアなどのアウトドアサンダルのド定番をおすすめします。
◆まだ焦らなくてもいい靴「ビジネスカジュアル用の黒スニーカー」
どうしてもこのモデルが欲しい、というなら話は別ですが、意外と在庫がだぶついているのが黒のビジネスカジュアル用のスニーカーです。メーカーによって人気の差はあれど、ある意味代替品がいくらでもあるのがこのカテゴリーです。ビジネスカジュアルとして売れている、というよりは「なんとなく売れている」のが実情。私が店舗を見ている限り、供給過多が続いていて、似たデザインも多い割には毎年ほぼ同じものが出るので、GW後も大量に売れ残る代表格です。急ぐ必要はありません。次に、「できれば早めに買った方がいい」靴を挙げていきます。
◆できれば早めに買ったほうがいい靴「29cm以上のサイズ大きめ」
サイズが29cm以上で、ふだんから選択肢の少ない方は急いだほうがいいかもしれません。不況とのダブルパンチで、2月には「男の大きな靴専門店」として有名だった「靴のヒカリ」が倒産しました。23cm前後の比較的小さめのサイズは、レディースサイズで代用が効く場合もありますが、大きいサイズはそうはいきません。29〜33cmなどの大きなサイズの方はオンライン購入がほとんどだと思います。秋冬以降、実質的に輸入が絞られると、真っ先に削られるのが29cm以上の大きいサイズです。今までは「いつもセールで残るからラッキー」程度に考えていたものが輸入すら止められてしまうと、なすすべがありません。ナイキは比較的大きなサイズがまだアウトレットショップでもオンラインでも残っていますし、実店舗で取り寄せもできるでしょう。加水分解しづらいモデルを数足確保しておいたほうがいいように思います。
