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 全国公開中のイ・レ主演韓国映画『大丈夫、大丈夫、大丈夫!』より新たな本編映像が公開された。

参考:イ・レ、ソン・ソックらキャスト陣がエール 『大丈夫、大丈夫、大丈夫!』メッセージ映像

 本作は、韓国映画で初めて、第74回ベルリン国際映画祭「Generation Kplus」部門の最優秀作品賞にあたるクリスタル・ベア賞を受賞したヒューマンドラマ。監督を務めたのは、ドラマ『恋愛体質~30歳になれば大丈夫』や『私が死ぬ一週間前』などで知られるキム・ヘヨン。本作が長編監督デビュー作となり、2025年青龍映画賞で新人監督賞を受賞し、長編2作目となる『今夜、世界からこの恋が消えても』も韓国で公開されている。

 どんなときでもポジティブな主人公イニョンを演じたのは、『ソウォン/願い』で映画デビューを飾り、『新感染半島 ファイナル・ステージ』や『犬どろぼう完全計画』などで知られるイ・レ。そして、“魔女”と呼ばれる完璧主義かつ冷徹な先生ソラ役で『毒戦 BELIEVER』のチン・ソヨン、イニョンを陰ながら支える町の薬局で働く薬剤師ドンウク役で『私の解放日誌』『犯罪都市 THE ROUNDUP』のソン・ソック、イニョンを敵対視している芸術団のエースナリ役でチョン・スビン、イニョンの唯一の友人ドユン役でイ・ジョンハが出演している。

 ドラマ『私の解放日誌』、『恋愛体質~30 歳になれば大丈夫~』、映画『犯罪都市 THE ROUNDUP』、『恋愛の抜けたロマンス』などで一躍注目を集め、高い人気を得ているソン・ソック。本作では、主人公イニョンに寄り添う薬剤師ドンウクを演じている。

 キム・ヘヨン監督はドンウクというキャラクターが生まれた経緯について、「些細な問題で近所の薬局によく通っていましたが、ふと本当の癒しは“心の薬”だという思いが浮かびました。ドンウクがイニョンに与える本当の薬は、“笑い”と“待つこと”、そして“慰め”だと思います」と自身の経験からできたものであることを明かした。またドンウクという人物は、監督が考える子供にとっての“理想の大人”を投影している。「普段はふざけているけれど、辛い瞬間には、何かを教え込もうとしたり説教したりするのではなく、ただ黙って隣に待ってくれる」。そんなドンウク役にソン・ソックを薦めたのは監督で、なんと自ら彼に電話でオファーしている。ソン・ソックの演技について監督は、「独特のリズム感を持っていて、限りなく幼稚にもなれるし、ウィットに富んだ演技もできる素晴らしい俳優です。多様な姿を持っている彼ならこの役にぴったりだと思いました」と語っている。

 公開された本編映像は、主人公イニョン(イ・レ)が通う薬局のベンチで、薬剤師ドンウク(ソン・ソック)と並んで座りながら会話をするシーン。いつも笑顔を絶やさず、明るい雰囲気を纏うイニョンだが、芸術団の団員からの心無い嫌がらせについに笑顔をなくしてしまう。ドンウクは「今までこの薬を飲んだ子はみんな笑った。俺もたまに」と語りかけながら、ユニコーンの絵が描かれたお菓子を差し出す。しかし、そのお菓子を見つめながら黙り込んだままのイニョン。ドンウクが「気に入らない?」と心配そうに見つめると、彼女の瞳から大きな涙があふれ出す。怒り交じりに「どうしてこのタイミングに……。小さい頃、具合が悪いとママもこれをくれた」と、亡き母との記憶を思い出し、「勝手に分かったフリしないで! おじさんがこれをくれるからママを思い出しちゃった」とドンウクに悲しさをぶつける。「最後の日も“ごめんね”って言えなかった」と、抑えていた感情と後悔があふれ出し、声を上げて号泣するイニョン。そんなイニョンの隣で、ドンウクは何も言わず、ただ静かに寄り添い続ける。優しいまなざしでイニョンを見守るワンシーンとなっている。

(文=リアルサウンド映画部)