RKK

写真拡大

4月で熊本地震の発生から10年です。

【写真を見る】熊本地震から10年「明日か、100年後か」 揺れ続ける熊本 100基の地震計が追う“切迫度”

現代の科学では、地震がいつ・どこで起きるのか予測することはできません。

それでも大地震が起きる切迫度をつかみたいと研究に挑む専門家がいます。

地道な観測と最新の研究成果を取材しました。

2.2mの横ずれ約30km

10年前の熊本地震で地表に現れた断層です。

最大で2.2mの横ずれは約30キロも続きました。

断層の大きな動き、その影響は今も続いていると専門家は話します。

九州大学地震火山観測研究センター 松本聡教授「地震活動が活発な状態が続いている。もちろん地震の数は減っているが、その減り方が悪い」

九州大学の松本教授が「活発な状態」と指摘するのが、日奈久断層帯の日奈久区間や八代海区間の周辺、布田川断層帯の西側など『10年前に活動しなかった区間』です。

九州大学地震火山観測研究センター 松本聡教授「熊本地震後に力が加わっているのは確かですが、それが断層の強さを超える状態になっているかは、地震の起こり方を見るしか術がない」

九州大学の研究

地震の起こり方を詳細に把握するために現在、熊本県内約100地点に地震計を設置し、定期的に機器の交換など保守作業を行っています。

「ドンドンやると、上下方向の揺れが出てくる」

小さな揺れも捉えることができる地震計です。

熊本地震の発生以降、観測地点を増やしてきました。

九州大学地震火山観測研究センター 江本賢太郎准教授「日奈久断層の周辺にたくさん地震計を置いている。熊本地震のとき日奈久断層の主に南側は破壊されずに残っている状況で、集中的に観測に力を入れている状況です」

熊本地震の17年前「そろそろ被害地震が起きてもおかしくない」

九州大学が日奈久断層帯の観測を始めたのは、熊本地震の17年前、1999年のことでした。

益城町を中心に、震度4や3の揺れを観測する地震が、短い期間に相次いで発生したことがきっかけです。

九州大学地震火山観測研究センター 清水洋教授(1999年当時)「熊本市近郊など中部九州一帯で、そろそろ被害地震が起きてもおかしくない時期にきている。弱いところからだんだん壊れてきている。広い意味での前兆と考えることもできると思う」

このとき重点的に観測をしていたのが、日奈久断層帯の北の端に位置する「益城町」、熊本地震の前震で活動した区間でした。

研究と苦悩

九州大学地震火山観測研究センター 清水洋教授(2016年当時)「間違いなく日奈久断層帯の北部が少しずつ動いているのは分かっていたが、直前に前兆をつかめなかったのは非常に残念」

予測はできないものの、九州大学が熊本地震の前から積み重ねてきた観測は新たな研究に繋がっています。

研究者の戦い

去年、発表されたのが、熊本地震前後の地震活動から大地震の切迫度を表す指標を提案した研究です。

小さな地震の起こり方に注目し、発生頻度だけでなく、岩盤がどれだけ壊れているかで大地震の発生地域を推定できる可能性が示されました。

しかし「切迫度を正確につかむことはまだまだ難しい」と、研究を行った松本教授は話します。

九州大学地震火山観測研究センター 松本聡教授「地震が起こりますよという状態であっても、実際に滑るまでは明日かもしれないし、100年後かもしれない」

その時、私たちはどう行動するのか?改めて備えることが必要です。