「アメリカとの決勝の前に高い山が…」スポーツキャスター・菊池柚花がWBCの見どころを全力解説!

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初めて沼にハマっていく感覚

「侍ジャパンのスターティングオーダー? 打順ですか、うーん……そこはすっごい悩みどころなんですよね。何ができるのかなって、勝手にファン目線で悩んでいます。いつもその時間がとっても楽しいので」

3月5日に開幕するWBC(2026ワールド・ベースボール・クラシック)の見どころを聞いたところ、そう言って顎に手を当て、視線を一点に集中させたのは、タレントの菊池柚花(26)だ。彼女は現在、『ワースポ×MLB』の土曜日キャスターと『ワースポ×MLBサンデー』(どちらもNHK BS・以下『ワースポ』)のキャスターを務めている。自他ともに認める“野球オタク”であり、メジャーリーグに造詣が深いことでも知られる。

「前回の大会からもう3年経ったなんて思えないくらい、侍ジャパンの優勝は記憶に鮮明に残っています。それは言い換えれば、アメリカにとっては屈辱の3年間だったわけなので、今回、アメリカチームは“何がなんでも世界一”というテンションで来ています。タリック・スクーバル(デトロイト・タイガース)やポール・スキーンズ(ピッツバーグ・パイレーツ)が名前を連ねる投手陣は世界一だと思います。間違いなく決勝に上がってくるでしょう。

ただ、日本とは組み合わせの関係で、決勝まで当たることはありません。日本は準々決勝、準決勝で、ベネズエラ、ドミニカ共和国に当たる可能性が高い。アメリカとの決勝戦の前にけっこう高い山があるので、そこをなんとか乗り越えたいですね」

資料を手に持つでもなく、スラスラと予想が口に出てくるあたり、さすがワースポキャスターの名はダテじゃない。

菊池は、明治大学在学中に現在の事務所にスカウトされ、芸能界入り。子供の頃からテレビっ子で、「テレビの中の人になりたい」と憧れを抱く少女だったという。それが野球に出会ったことで、結果的にその進路は大きく変わってしまう。

「大学2年生の時、友達に誘われて初めて神宮球場に六大学野球を観に行ったんです。ルールもわからなかったんですけど、球場全体の空気感とか、みんなで応援する感じとか、知れば知るほど本当に沼にハマっていく感覚を初めて味わって、野球ファンになりました。当時、応援していた明治大学野球部で、同学年の森下暢仁投手(28)が広島東洋カープに入団したことで、プロ野球にも興味を持ち始めたんです」

ただ、菊池は、熱烈な千葉ロッテファンで知られているが……。

スコアは完全自己流

「大学を卒業した年の4月から『ワースポ』のキャスターに就任したんですが、ご一緒したのが、元ロッテのエースで野球解説者の黒木知宏(52)さんでした。解説は“熱い”ジョニーさん(編集部註:黒木氏の現役時代の愛称)ですが、お人柄はものすごく温かくて、右も左もわからない私に『恐れずに、好きに楽しくやったらいいよ』って。

お父さんのように本当に優しくいろいろ教えてくださったんです。翌年、ジョニーさんはロッテの投手コーチに就任されたんですけど、入れ替わりでご一緒させていただいたのが、前年までロッテの監督をされていた井口資仁(51)さんでした。何かとロッテ関係者の方と縁があって、気がついたらロッテファンになってました(笑)」

『ワースポ』のキャスターに就任して4年が経った菊池。彼女の野球愛は単なるファンという領域に留まることはない。この間、野球知識検定を取得し、スコアもつけることができるようになった。

「スコアは完全に自己流で、球場で試合を観ながら付けることもあるんですけど、誰かに教えてもらったわけではないので、正解がわからなくて……。1球でも見逃せないので、とりあえず試合に集中して観ています。ただ、付けてみると、ピッチャーのバッターに対する対峙の仕方とか、そこまでの布石とかが、ほんのちょっとだけですけどわかる気がして。打席だけじゃなくて、試合全体を通しての配球とか、駆け引きとか。あと、このバッターは右を狙ってるなとか、その心理がなんとなくですけど……。それを3時間やるわけですから、目も頭も心も忙しくて。うん、わりとスタミナ使うんです」

気分転換にバッティングセンターに行くこともあるという菊池。目標は、100キロの速球を投げて、100キロの球を打つことができるようになることだそうだ。

「’23年7月にZOZOマリンスタジアムで始球式をさせていただいて、練習の時のマックスは65.5キロくらいだったかな。本番では緊張のあまりワンバウンドしてしまいましたが、練習ではマウンドからキャッチャーミットまでちゃんとノーバウンドで投げられたんですよ。100キロにはほど遠いですけど、また始球式に立ちたいです。できれば、メジャーで。もちろん夢のまた夢ですけど。

打つのは、バッティングセンターで一番球速の遅いコーナーで精一杯っていう感じ。一度だけ、お仕事でバッターボックスに立たせてもらったことがあるんですけど、140キロの球に腰が引けちゃって(笑)。打つほうは、あまり向いてないかもしれません」

「軽々しく言えない」

夢はメジャーのマウンドということだが、菊池は、昨年7月、アメリカ・アトランタで開催されたMLBオールスターゲームの現地取材を経験している。

「現地で大谷翔平選手(31・ロサンゼルス・ドジャース)のインタビューをさせていただいたことにはもちろん感激しましたが、アーロン・ジャッジ選手(NYヤンキース)やブラディミール・ゲレーロJr.選手(トロント・ブルージェイズ)のバッティング練習をケージの真後ろで見せていただいたんです。本当に大きくて、身体の厚みがすごい。すごいです本当に。軽くバットを振ると簡単にスタンドにボールが飛んでいくんです。あの迫力。球場や観客の雰囲気もそうですが、あまりに情報量が多すぎて、もうその思い出だけで一生生きていけそうなくらいの経験でした」

そういった超一流のメジャーリーガーたちが集結するWBCが間もなく開幕する。菊池は、その魅力について次のように話す。

「前回大会では村上宗隆選手(26・シカゴ・ホワイトソックス)が調子を落としていましたが、準決勝のメキシコ戦でサヨナラヒットを打ちました。あの直前まで『もうダメなのかな。負けちゃうのかな』って思ってしまった自分がすごく悔しくて……。WBCでは、誰も書けないシナリオみたいな信じられないドラマが必ず生まれます。だから、1試合も見逃さずに観てほしいですね」

話は冒頭に戻るが、では、侍ジャパンのラインナップは結局どうなるのだろう。

「う〜ん。そこはやっぱり私なんかが軽々しく言えないですね。発表直前まで悩み続けると思います」

彼女の野球愛は、間違いなく本物だ。