大阪・道頓堀3人死傷事件 聞き慣れない「送検拒否」は容疑者にメリットがあるのか
大阪・道頓堀で14日に少年3人が刃物で刺されて死傷した事件で、殺人の疑いで逮捕された岩崎龍我容疑者(21)が17日、検察官への送検を拒否したと報じられている。
岩崎容疑者の送検拒否がどのような事情によるものか定かではないが、一般的に、弁護人の立場から送検を拒否するよう指示したり助言したりすることがあるのだろうか。
刑事訴訟法上、警察は被疑者を逮捕してから48時間以内に、身柄や捜査書類を検察庁に送るか、釈放しなければならないと定められている。
検察庁に送致することを俗に「送検」といい、検察官は被疑者から弁解を聞き、事件記録を確認して、24時間以内に勾留の必要性を判断する。更なる身柄の拘束が必要な場合は裁判所に勾留を請求することになる。
弁護人が送検拒否を指示する可能性はほぼない
多くの場合、逮捕された直後は弁護人がいない状況であり、弁護人を希望するときは、知り合いの弁護士に連絡するか、弁護士会に当番弁護士の派遣を要請することになる。
送検前の岩崎容疑者が弁護士と接見していたかは定かではないが、一般的に、弁護士から被疑者に対して送検を拒否することを指示したり、助言したりすることはほとんどないだろう。
身柄拘束されている被疑者と接見する弁護士は、黙秘権があることや事実に反する自白をした場合の不利益を強く被疑者に助言するが、送検そのものは刑事訴訟法上に定められている手続きでしかなく、通常はそれ自体が被疑者に不利益になるものではないため、送検を拒否する意味がほとんどないからだ。
むしろ、一般的な事件(本件は殺人事件という重大事件であるが)で送検を拒否した場合、捜査協力が得られない印象を抱かれ、事実上、勾留請求される可能性が高まることを懸念する。
また、逮捕直後の被疑者は、多くの場合、警察の留置場の中で極度の不安を抱きながら、これといった娯楽もない中過ごしている。
送検は物理的な移動を伴うから多少の気分転換になることもあるし、検察官と話すことで、手続きの進展を感じられて多少気持ちが落ち着く被疑者もいたりする。
やはり、通常は何か特別な事情がなければ送検を拒否しないだろうから、岩崎容疑者が合理的な考えができなかったり、自分の置かれている状況を受け入れることができない状態にあったりするのかもしれない。
今後は、必要な取り調べを経て、検察官により起訴されるか否かが決定される。勾留期間は最大20日間である。
文/竹村公利 内外タイムス
